半魔族の少女は料理と共に

秋雨そのは

31話 捕縛と連行

ユニーク数3000突破しました、凄いです!


 私は、ボロ建屋の地下、ナタルさん達のアジトに戻った。

「あ、マリアさん、外の様子はどうでした?」

「特に変わらないわよ、貧民街の人達が奮闘してることくらいかしら」

 作戦の事は、エンカは知らない。

 作戦の内容はこうだ。
 ナタルさん達が見つけたと言って、捜索隊がここに入り込んでくる。
 その時に私とエンカさんが捕縛される。
 私が捕縛されるのは、国王の独断で捕縛対象としているから。
 その間、4日の内に国王の命を狙った盗賊を排除。
 パレードの日には、国王が王女を攫ったとして私の処刑が行われると思われる。
 その時に、ケルトさんとミナトさんで私を助ける予定らしい。

 今思えば、かなり危険な賭けね。

 捕縛されて、盗賊の特定し排除できなかった場合。
 国王は死に、盗賊は私にためらいもなくなすりつけるだろう。

 運良く排除出来たとしても、パレードでの処刑がその日より前に行われれば私は死ぬ。

「貧民街ですか、私はあの時くらいしか踏み込んだこと無くて」

「みんないい人達よ、ただ見下されてきたから警戒してるだけよ」

 私は、ずっと発動させていた。角を消す魔法を、解除した。

「マリアさん魔法が使えるんですね、角が無くても違和感なかったです!」

「他にも出来るみたいだけど、知識がないからわからないわ」

 そんなやり取りをしていると、入り口辺りが騒がしい。
 多分……、捜索隊だろう。

「誰でしょうか?」

「さぁ私にも分からないわ」

 わざとらしかったけど、エンカは気にならなかったみたいだ。
 扉がバンッという音をたてて開かれ、複数の兵士が入ってくる。

「エンカ王女! ご無事でしたか!」

「この魔族め! 王女を誘拐してただで済むと思うなよ!」

 入ってきた、兵士に口々に罵倒され、取り押さえられる。
 エンカは必死に私を弁護しようとするが……。

「マリアさんは、助けてくれたんですよ、乱暴にしないでください」

「王女……、貴女は騙されているんです。魔族は非情の種族、同情を煽りつつ周りに溶け込み。最終的には人々を供物として、大量の死人を出したんですよ!」

 兵士の声に、気圧されエンカはなくなく王宮へ連れ戻された。
 私はエンカと別に運ばれていった。


 移動される際、みんながこっちを見るが、頑張ってと心なしか聞こえた気がする。
 ナタルさんとハナさんを見つけ、目を合わせる。

「後は任せておけ、必ず成功させてみる」

「貴女は気軽に待っていなさい、私達がなんとかするわ」

 私はほっとして、再び歩きだす。

――ケルトさんには、連れて行かれたってこと話しておきますね――

『おねがい』

――これから、どんな扱いをされるんでしょうか、心配です――

『きっと大丈夫よ、確信は無いけどね』

 城の中でも私が出来る事をしてみたいと思う。
 街の人達は大丈夫だ思う。私は、例え死ぬことになっても街の人達を見捨てられなかった。

 今まで、何もしないで過ごしてきたわけじゃないから、どんな結果であっても受け入れるわ。

 そうして、王宮についた私は、牢屋に打ち込まれた。


次から3章です。
次は、王宮の中で?

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