半魔族の少女は料理と共に

秋雨そのは

12話 宿屋料理と王女の影

累計ユニーク1000突破ありがとうございます
次話予告変えました、前半の誤字修正しました


 私達は、宿屋を探しに歩く。

 彼が宿屋のある場所を知っているというので、おねがいして案内してもらった。
 彼はこの街に済んでいたみたいで、色々詳しい。
 宿屋がある場所は、商店街のところに戻って別な道に行くらしい。

 商店街を抜ける時、ある1角に人影が写っていた。
 遠目で見た時に、ドレスを着た女性が人の目を忍ぶように隠れていた。

「どうしたんです?」

「いえ、なんでもないわ」

 目を彼に向けてる内に、ドレスを着た少女は奥に走り去っていった。
 ただ、気になったのはあまり良くない予感がした。

「あの道の先って、何があるの?」

「あの先は……、貧民街です。行くのはオススメしませんよ」

 貧民街!
 前世でもありえないことはないけど、私の国ではなかったし。
 でもそこに、少女が行って大丈夫なのかしら?

「そこにはドレスを着れるくらいは裕福なの?」

「ドレスは高級品の物でもありますし、貧民ではまず無理ですね」

 分かってたけど、言葉通りの場所みたいね。
 あの子は何故あんな所に?

「より道をお願いしてもいいかしら」

「まさか、貧民街に行くつもりですか?」

「そう、確かめたいことがあるの」

 ダメかな? もし、良くない事の前兆でも……。
 いえ、考えすぎね。
 何故そう思ったのかは……、あの少女の顔が凄く悲しそうに見えたから。

「しょうがないですね、お供しますよ」

「さっきもそうですが、離れないようにしてください」

 そして、貧民街の中に入っていく。

 中は酷い物でボロボロの服と傷だらけの者がいたり。
 外で寝てる者、死体があったりもした。

 あの方向から、推測する場所は……こっちね。
 周りの者は睨んだりしているが、表立って手を出す気は無いようだ。

 すると彼女はそこにいた、私達は影に隠れ様子を伺う。

「持ってきました……」

「ほぅ……意外と早かったな、それで約束を忘れてないだろうな」

 対面するように、背が大きく鍛えてるような体を持っている男だ。

「はい」

 彼女は手に持っていた、カバンを男に渡すと。
 男はカバンを開け、うんうんと中身を確認した。
 遠目で物は分からない……。

「なら、お前の役目はこれでお終いだ」

 男は指で鳴らすと、奥から男が4人。

「「「「この嬢ちゃんを好きに出来るなんていい買い物したぜ!」」」」

「これはどういうことですか!」

 出てきた4人の男に、彼女は困惑していた。

「お前のおじさんの、無事は保証すると言ったが、お前さんの無事の保証はしてないぜ!」

「誰か、誰か助けて!」

「無駄だ、ここは貧民街、お前さんを助けるような人は誰もいない」

 イライラした……けど、私が行ってもしょうがない。
 なら、彼を入れるにしても分が悪い。

 ジリジリ擦り寄る男4人に対し、少女は徐々に後ろに下がっていった。

 見極める……、突っ込む瞬間を一番油断を探そう。

「ケルトさん……」

「なんだい?」

「私が合図したら、あの4人の男の後ろに周り蹴散らしてくれませんか?」

「貴女は何をするつもり……ですか?」

 説明する暇もないため、私は……。
 追い詰められた、彼女に触れる瞬間に出ていく。

「やめて!」

 彼女は抵抗して、男が勝ち誇った瞬間に出ていった。
 前世の秘伝の護身術……。

「誰だテメェは!」

「女だ! 助けに来たみたいだが、この差じゃ意味ないだろ!」

「やっちまえ」

 私は、4人が動く瞬間に、彼女の体を触っていた男の腕を真逆にひねる。

「いででっ!」

 彼女の手を引き、少し後方に下がってから彼に叫ぶ。

「ケルトさんお願いします!」

「貴女も無茶なことしますね、内心ヒヤッとします……よ!」

 愚痴を言ったが、男を目にも留まらぬ速さで、1人ずつ蹴り飛ばす。

 本当に強いわね……。

 残った、呼び出した男は、舌打ちしながら。

「お前の約束は破れた。どうなってもしらんぞ!」

 そう言って去っていった。
 残った私たちは、彼女に話しかける。

「大丈夫?」

「はい、ありがとうございます!」

 そう言って彼女は頭を下げた。
 とりあえず、この場は危なそう……。

「詳しい話は、宿屋に行ってから話しましょう」

「はい!」

 そう言って、貧民街を後にした。

 行くはずだった、宿屋に辿り着く。

「男1人と女の子2人だね、今2部屋空いてるから。誰か2人で使ってもらうよ」

 おばあさんが、笑顔で迎えてくれた。
 考えても、私と彼女で1部屋かな。

「私は彼女と一緒の部屋になります」

「私もそれで構いません!」

「僕は、1人部屋か、何かあったら呼んで」

 彼ってこんなに心強かったんだ。
 この街に来てから、頼れる男の人って感じ。

 部屋に着いてから。

「先程はありがとうございました!」

「気にしないで、私のお節介で助けただけよ」

 彼女が何度も頭を下げる。
 理由は聞かないとしても……。

ぐぅ~~っ。

 彼女のお腹が先みたいね。
 お腹を押さえて赤くなっていた。

「ご飯頼みましょうか」

 私は笑顔で彼女に向かって言った。
 彼女の顔が、ぱぁ~っと煌めいて私の後に着いていった。

「今日は、ごめんなさいね、素材はあるんだけど料理人が不在なのよ」

「残念です……」

「しょうがないよ、僕もお腹減ってるけど」

 素材があるってことは!
 ウズウズ……。

「私作ってもいいですか!?」

「お嬢ちゃん作れるのかい?」

「はい!」

 やった~!
 始めて、料理をまともな食材で作れる!

「嬉しそうですね」

「そういえば、2人のお名前を聞いてませんでした」

「そうだったね」

 はっ! と気づいて私は慌てて自己紹介する。

「私の名前は、マリア・アネット・カールです」

「僕の名前は、ケルト・シライシです」

「マリアさんにケルトさんですね!」

 名前を教えてもらえたのが、嬉しかったのか。
 彼女は飛び跳ねながら嬉しそうに言った。

「私だけ名乗らないのは、失礼ですね!」

「私の名前は、エンカ・マルズダマ・セルです!」

 ん? 何処かで聞いた言葉が聞こえた気がしたような。
 ケルトは驚き、おばあさんはびっくりして腰を抜かしてる。

「なんで、マルズダマ第3王女がここにいるんですか!」

 ケルトはそう叫んだ。


次はケルトさん変化について

(マリア)そういえば、女神話しかけてこないわね
(女神)ようやく来られた!
(マリア)仕事してたの?
(女神)いえ、貯まってたDVDが……
(マリア)そう、今回は出番無しだしいいんじゃない?
(女神)え!? マジですか……

ユニーク数にびっくりです
(マリア)登場する人物の名前でなさすぎでは?
(女神)貴女が名前を聞かないからですよ
(マリア)普通、店で人の名前まで聞かないでしょ
(マリア・女神)ブクマ入れてくれる人いつもありがとうです!

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