魔剣による(※7度目の)英雄伝説
第1章『最強の魔剣』編 22話「女子会?」
『それでは、みんな集まりましたか?』
そう言って、メイド姿の銀髪の少女が確認する。
『………いや、まだヘスティアが来ていない』
そう答えたのは、ラフな格好をした金髪ポニーテールの女性だ。
『あらあら〜。サラスちゃん、知ってるかしら〜?』
そう言ったのは、巫女服を着た足元までありそうな黒髪の女性だ。
『………なぜそこで私に聞くのか疑問ですが、とりあえず置いときましょう。あのチビは、お菓子がない!とか言って取りに行きました』
それに答えたのは、ドレスのようなものを着て、青い髪をハーフアップにした女性だった。
『やっぱり知ってるのね〜。相変わらず仲がいいんだから〜』
『なっ!?ち、違います!たまたまですっ!たまたま、耳に入っただけですっ!!』
黒髪の女性が青い髪の女性をからかっているようだ。するとそこに、
『ふぁ〜〜。どうでもいいから、早く始めようぞ〜。わし、もう寝たいのじゃ〜』
『あ、あの、イザナミさん!?お、起きてください〜〜!』
着物のようなものを着て黒髪をツインテールにした少女を、緩い制服のようなものを着た(彼女には大きすぎるため、そうなってしまうのである)、ボブカットで薄い緑の髪の少女がなんとか起こそうとしている。すると、そこに
『おっまたせ〜〜!お菓子もってきたわよ〜〜〜!!』
と、いかにも活発そうな赤い髪のショートカットの少女が入ってくる。しかし、その声に答えるものはいない。互いに言い合っていたり、一方的に受け流されていたり、その様子を見て頭を痛そうにしていたり。赤髪の少女はその様子を見て、
『あんたら一体何やってんのよ……。ホント、私がいないと何にもできないんだから!』
そう言って、しょうがないわねぇ、とでも言うように肩をすくめる。もちろん、それを聞いた少女たちは、
『『『あんたのせいよ(だ)!!!!!』』』
声を揃えてそう言った。
『な、なんでよっ!?私はただ、お菓子を持ってきただけじゃない!?』
『こっちは待たされてんのよ!!このへっぽこチビ!!!』
『なっ!?!?………あんたねぇ!言っていいことと、悪いことの区別もつかないの!?!?』
『あら?ということは、やっぱり自覚はあったのね?』
『このっ………!!!』
今度は、コッチで喧嘩が始まる。その様子に、銀髪の少女と金髪の女性はハァ、とため息をつく。
『それでは、話を始めましょうか』
銀髪の女性、クロが話を始めようとする。ここにはクロの他に、インドラ、アマテラス、サラスヴァティ、イザナミ、アネモイ、ヘスティアがいる。ここは言わば、リュートの心の中と言ったところだろうか。現界していない彼女たちは普段はここで、生活している。すると、クロが話を始める。
『それでは、今日の報告始めます』
どうやら、現界出来ない他の魔剣に今日起こったことを報告するようだ。
『それで?何があったのよ』
と、ヘスティアが不機嫌そうに聞き返す。そして、次のクロの言葉で機嫌はさらに悪くなる。
『とりあえず今日だけで、ほぼ二人落ちました』
『『『…………』』』
『流石、ご主人じゃの』
『す、すごいですね……』
『まぁ、ご主人様ですしね〜』
皆、反応は様々だが呆れたり嫉妬したりと大体同じ思いであるようだ。
『………で?クロから見たその子達はどうなの?っていうか、一人はリーシャよね?レイはまだ大丈夫だと思うけど』
と、ヘスティアが聞く。
『そのとおりです。もう一人は、学園の子ですね。リーシャのことは、わかっているとは思いますが、もう一人の子もとても礼儀正しい子でした』
とクロが説明する。
『………はぁ。ホントあの天然なんとかならないの?クロ』
ヘスティアがはぁ、とため息とともにそんなことを言う。答えはもちろん、
『無理です』
『………やっぱり?』
『はい。まぁ、それもご主人様の美点の一つでもあり、最大の弱点でもあるのですが……』
と、こんな時でもリュートのことを持ち上げる彼女は流石といったところだろう。
『まぁ、そうですね〜〜。なんだかんだ言っても、皆リュート様のことが大好きなんですよね〜〜』
と、テラスが頬に手を当て女神のような笑顔を皆に向ける。
『……そうですね』
『まぁのぉ〜〜。ふぁ〜〜』
『え、えっと。えっと………す、好きです』
『ま、そうなのよね』
『………同意する』
『恥ずかしがってる〜。インドラちゃん、かわい〜〜』
『しょ、しょうがないだろう!!そ、そのまだご主人に面と向かってす、好きって言ったこともないんだから……』
『………そういえば、アンタ主にまだ言ってなかったんだっけ?』
『ぅ……』
『かわいいですね〜〜。インドラちゃん』
『う、うるさいぞ!?テラス!!』
『………で、アンタは何やってんのよ』
先程から何も話していないサラスにヘスティアが声をかける。するとサラスは、
『いえ………。アナタの意外な洞察力に驚いていただけです。ただのおバカキャラじゃなかったんですね』
『…………………あ、アンタねぇ!!!』
そう言って、また喧嘩が始まる。その様子を見て、他のメンバーが呆れてたのは言うまでもないだろう。そんな感じで彼女たちのリュートですら知らない、女子会が幕を閉じたのである。
To be continue.
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