ヤンデレ少女を幸せにするまで死ねません!

Fuu

ヤンデレ少女と俺の覚悟

一度暗闇に落ちた俺の意識が段々覚醒して行くのが手に取るようにわかった。経験によるものか?
俺はゆっくりと目を開くと、そこにはいつもと変わらない自分の部屋の天井があった。
確かに俺はまた死んだ筈なんだけどな...

あまり考えのまとまらないまま体を起こす。ベットから降り、乾いた喉を潤しに冷蔵庫へ向かう。
やはり、冷蔵庫の中の物も変わっていなかった。俺はミネラルウォーターを取り出しコップに注ぎ、煽る様に飲み干す。あー、体に染み渡る。

その時、俺は机の上に手紙らしき物を見た。思わず身体が固まる。いや、だってさラブレター貰った相手から2回も殺されてるんだぞ?
俺は恐る恐る手紙を手を取り開く。


やほー、1つ前に君が死ぬときに声を掛けてた俗にいう恋愛神でーす。
何故この様な事になってるか分からないと思うから簡潔に説明しましょう!
ある事情があり貴方は鈴村 末那を幸せにしなきゃいけません!もし、これを断るなら次から貴方は死に戻り出来ません。あ、この死に戻りは保険で付けてたんだけど、まさか鈴村 末那が極度のヤンデレになるとは思ってなかったんですよね。結果オーライ♪
まぁ、てな訳で頑張りたまえ少年!


                                     代表      恋愛神+その他の神


...うん。訳分かんね。神様?なんでそんな訳分かんないモノが出てくる訳?まぁ、死に戻りしてるから神は居ないとか言う全否定出来ないし...

ちょうどそこでスマホのアラームが鳴る。やば!早く登校しないと遅刻する!
俺は急いで制服に着替え焼いてないパンを咥えて家を飛び出した。
あ、男子がパン咥えて登校は邪道とか言わないでね。





校門が閉まる五分前になんとか学校に着き、俺は下駄箱を開ける。するとそこには3回目のラブレターが入っていた。
うん。分かってたよ。だけど、もしかしたらないかもーー、なんて思ってしまうのは許して欲しいんだよ。
俺はとりあえずラブレターをポケットの中に入れて教室へ向かった。

教室に着き、自分の席に座る。少しくるのが遅かったせいか俺が席に着くとほぼ同時に担任が教室に入ってくる。あぁ、授業が終わってほしくない。

それから、そんな思いとは裏腹に授業は進み6時間目の授業が終わる。

「今日はここまでな」

その掛け声とともにクラスメイトが帰る支度を始める。はぁ、気付けばもうこんな時間か。
...仕方ない、こうなったら覚悟決めますか!

俺は荷物を置いて屋上へ向かった。




屋上へ行くと、そこにはやはり鈴村が居た。

「よぅ、鈴村」

「一ノ瀬君...来てくれたんだ」

「名前すら書いてなくてびっくりしたぜ」

「それは...ごめん。今日は伝えたい事があって」

「それなら俺もある」

「え?」

神様って、今から見てんのかな?見てるんなら...その目に焼き付けろ!

「俺は、お前の事が好きだ。俺と付き合ってくれ!」

これが俺の覚悟だ!やってやろうじゃないか!鈴村を幸せにするのを!

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