俺が出会ったメデューサはなんか他の奴とは違うようです
第18話 〜メデューサVS人間4〜
奏真とサンシアが書斎で戦っていた同時刻。シェルアは森でお面をつけて顔の見えない人間2人と戦闘をしていた。強い2人でなかなか近づくことが出来なかった。そのため石にすることも出来ず走り、逃げていた。そして、ふたりを撒いて木陰に隠れ地面に座って深呼吸をした時だった。大きな木の後ろでなにかが動いた。ばっと構えシェルアはじっと木を見ていると目を丸めた。小さい女の子がいた。髪が浮いていたためメデューサだと分かった。
「こ、こんなところで何しているのっ!どうして避難していない…?!」
シェルアが女の子に近づき人間にバレないように小さな声で聞いた。
「ま、ママと…パパが…戦ってるの…。」
大きな目に涙を浮かべ女の子は答えた。
「でもこんなとこ、危ないじゃないっ、あなた、名前は?」
「クルフィ。」
「聞いたことないわね…。お父様とお母様はここから見える?」
「あそこ。」
クルフィが指さす方は男女でコンビを組み戦っているメデューサが目に入った。怪我をしているようで血が出ていたが周りは石の欠片ばかりだった。よほどの人数を石にしたのだろう。
「あの二人ならきっと大丈夫。ほら、戻って。あなたが死んでしまうわ。」
「でも…心配…。」
「私がいるからきっと…。」
シェルアがクルフィを撫でようとした時だった。
「みーつーけーたー。」
人間に気づかれた。
「しまった!」
クルフィはびっくりして目を丸めてその場に固まってしまった。シェルアは動けないクルフィを抱き走り出した。小さい女の子だったため、軽く運びやすかった。
「まだ逃げる気か!」
人間も後ろから追ってくる。時々攻撃をかましてくるが、クルフィが次はどんな攻撃だ、などと教えてくれるため走りながら避けることが出来た。
『能力…?』
シェルアは考えながら走っていた。そしてシェルアはメデューサの避難場所にクルフィを送り届けようとした。だが、もう体力の限界だった。そのためクルフィを下ろし、
「このまま走っていって。私がここで彼らを石にするから。」
「でもっ。」
「覚醒すれば一瞬よ。」
シェルアは今度こそクルフィを撫でた。そして人間の方へと走っていった。
「お姉ちゃんっ!」
クルフィは声を上げたがシェルアは振り向かずに走っていった。クルフィはシェルアの言葉を信じ、避難場所へと歩き出した。
「おやぁ?あの小さい子は逃がして正面戦闘かい?」
人間2人が仮面を外し、シェルアを見て気味の悪い顔で笑った。
「まぁ、子供に手を出すクソ野郎だとは思ってないからーね当然よねぇ?」
シェルアも対抗してゲスい笑顔で返した。そしてシェルアは2人を見てはっとした。1人の方はこの前の糸人間だった。
「まーたあなた…。よく会うわね。」
「そーだねぇ。覚えてもらえて光栄だよ。あの女の子、男の子、と殺ってきて今度は君かなぁ?」
「残念、男の子、アシェフは生きてるわよ。」
「おやおやそっかぁ。俺が殺りそびれるとは相当強いのかな?今日来てる?その子も俺が今度こそつ、ぶ、す。」
「残念今日は来てませぇぇーん。」
「ほんとざんねーん。じゃあ今日は君だけやって…。」
ペロリと唇を舐めて手をクネクネさせた。糸を張っているのだろう。
『透視でどこに糸を張るか分かればさっさと終わるのになぁ。』
シェルアは呆れながら神経を尖らせ、深呼吸をした。覚醒だ。パッと目を開け2人を見ようとした。すると2人は居なくなっていた。
「?!」
「後ろだよ。」
糸人間じゃない方だった。後ろから耳元で呟いた。すかさず後ろを振り向き髪の毛で相手に触れようとした。だが、髪が一瞬でしばられていた。ほどこうとしたが隙を与えてくれなかった。殴りを避け、とりあえず殴りかかった。だが一瞬でまた移動して後ろから頭に蹴りを入れてきた。少しふらついたが下から足を蹴った。すると今度は顔を殴られた。
「かはっ!!」
尻餅をついて、口を手で抑えると、口を切ったようで血が出てきた。手についた血を見て口を噛み締め手を握りしめ、立ち上がった。すると柔らかめの糸が張ってあったようで頭がぐいっとぶつかりまた倒れた。幸い、柔らかめの糸だったため、見えない糸を感覚で蹴り切った。
「顔に傷がついては…と思って柔らかめの糸にしてみたけどまさか蹴り切るとはねぇ。でももうそんな体じゃ戦えないよねぇ?」
人間が油断をしていた。そのすきにシェルアは髪を結ばれた糸を手で引きちぎった。細い糸だったようで手が血まみれになった。だが無事、糸を切ることができた。
「ま、まだまだっ!」
にやけて堂々とたった。
「あんま女の子の体傷つけたくないよ僕…。」
なんの能力を扱っているのかイマイチ分からない方の男が呆れながら呟いた。
「シュラン、わがままいうな。いい敵が目の前にいるんだぁ。やらない以外の選択肢はないだろう。」
どうやらシュランというらしい。
「ヴィムスが殺れば?俺はさっきの女の子捕まえるからさぁ?」
糸人間はヴィムスという名前らしい。
「そ、そうはさせない…。」
シェルアが腕を広げて道を塞いだ。だが、しゅんっと一瞬でシュランはシェルアの横を通り過ぎ、クルフィの後ろへと行った。
「瞬間移動の能力かっ?!」
「せーかーい。」
ヴィムスがニコッと笑いながらシェルアのお腹に太い糸をぶっ刺した。
「ぐはっ!!!!!」
シェルアは口から血を吐いた。
「あー、内臓壊れたねぇ。もう立てないよねぇ。」
シェルアは地面に四つん這いになり悶えた。
「じゃあ、長々と悶えて死ぬよりさっさと死ぬほうが楽でいいよねぇ。とどめさしちゃうねぇ。」
ゲスい笑顔でヴィムスは笑いながら輝く糸をシェルアに向けた。
『アシェフ…。た、す、け、て…。』
シェルアは心の中で願った。届くはずもない願いだ。
『あぁ、私は結局、いつもアシェフに守られていて生きてこれただけだったんだ…。』
シェルアは朦朧としながら輝く糸を見つめていた。そしてヴィムスが糸を振り下ろしてきた時だった。シェルアの体がぐいっと持ち上げられた。シェルアは瞑りそうになった目を開けると誰かに担がれていた。後ろを見るとそれはシュランだった。
「お前…。なぜ…。」
「どんな奴であろうと女の子のヘルプにはきちんと答えないと行けないだろう。」
「おいおいシュラン、あの女の子とっ捕まえて頭でもぶつけたかぁ?」
シュランはふっと笑いシェルアを木の上へと連れていき、木の上に置いた。大きい木だったため落ち着いてシェルアは座れた。
「おいおいほんとにシュラン、どーゆーつもりだぁ?」
ヴィムスが呆れてシュランを見つめているとシュランがヴィムスの横に歩いていった。そしてヴィムスの肩を触って言った。
「しね。」
ヴィムスが驚いてシュランに体を向けるともう遅かった。ヴィムスの左の肩が石になり砕け落ちた。シェルアは目を丸めて驚いた。
「?!くっそ…。油断した。」
「誰だろうな。」
「はぁっ?!だぁーれだ。」
「この体はシュラン…?のものに間違いはないからこいつの体を傷つけたりするとこいつは死ぬ。」
「くそっ。」
「この体から俺が出ると当分こいつは気絶したままだ。」
「今日は引けってことか…。」
「ちゃんと分かるじゃん。」
「俺の腕は片方消えて、こいつは当分目覚めない…。引く。だからその体から出ろ。」
「シェルアを安全地帯に連れて行ってからな。」
そういいシュランはシェルアを木の上から下ろしおぶり、ヴィムスと共に森を出た。
「その能力は…、貴様…ルゴンだな…。なぜ…。」
「貴様が人間を殺さないことには迷惑していたが戦うメデューサ、俺は皆別に嫌いではない。仲間を助けるのは当然だしな。」
「助かっ…た。今度貴様の真の姿…見せてくれ…。」
「いいだろう。」
そういいシュランの体に入ったルゴンはシェルアを仲間に引き渡し、シュランの体から抜けた。倒れたシュランはヴィムスが片手で担ぎ連れていった。
「次会う時は殺す。」
ヴィムスが連れていく際にぼそっとそう言った。シェルアは仲間におぶられた背中の上で軽く手を挙げた。そしてふたりの戦いは終わった。
「こ、こんなところで何しているのっ!どうして避難していない…?!」
シェルアが女の子に近づき人間にバレないように小さな声で聞いた。
「ま、ママと…パパが…戦ってるの…。」
大きな目に涙を浮かべ女の子は答えた。
「でもこんなとこ、危ないじゃないっ、あなた、名前は?」
「クルフィ。」
「聞いたことないわね…。お父様とお母様はここから見える?」
「あそこ。」
クルフィが指さす方は男女でコンビを組み戦っているメデューサが目に入った。怪我をしているようで血が出ていたが周りは石の欠片ばかりだった。よほどの人数を石にしたのだろう。
「あの二人ならきっと大丈夫。ほら、戻って。あなたが死んでしまうわ。」
「でも…心配…。」
「私がいるからきっと…。」
シェルアがクルフィを撫でようとした時だった。
「みーつーけーたー。」
人間に気づかれた。
「しまった!」
クルフィはびっくりして目を丸めてその場に固まってしまった。シェルアは動けないクルフィを抱き走り出した。小さい女の子だったため、軽く運びやすかった。
「まだ逃げる気か!」
人間も後ろから追ってくる。時々攻撃をかましてくるが、クルフィが次はどんな攻撃だ、などと教えてくれるため走りながら避けることが出来た。
『能力…?』
シェルアは考えながら走っていた。そしてシェルアはメデューサの避難場所にクルフィを送り届けようとした。だが、もう体力の限界だった。そのためクルフィを下ろし、
「このまま走っていって。私がここで彼らを石にするから。」
「でもっ。」
「覚醒すれば一瞬よ。」
シェルアは今度こそクルフィを撫でた。そして人間の方へと走っていった。
「お姉ちゃんっ!」
クルフィは声を上げたがシェルアは振り向かずに走っていった。クルフィはシェルアの言葉を信じ、避難場所へと歩き出した。
「おやぁ?あの小さい子は逃がして正面戦闘かい?」
人間2人が仮面を外し、シェルアを見て気味の悪い顔で笑った。
「まぁ、子供に手を出すクソ野郎だとは思ってないからーね当然よねぇ?」
シェルアも対抗してゲスい笑顔で返した。そしてシェルアは2人を見てはっとした。1人の方はこの前の糸人間だった。
「まーたあなた…。よく会うわね。」
「そーだねぇ。覚えてもらえて光栄だよ。あの女の子、男の子、と殺ってきて今度は君かなぁ?」
「残念、男の子、アシェフは生きてるわよ。」
「おやおやそっかぁ。俺が殺りそびれるとは相当強いのかな?今日来てる?その子も俺が今度こそつ、ぶ、す。」
「残念今日は来てませぇぇーん。」
「ほんとざんねーん。じゃあ今日は君だけやって…。」
ペロリと唇を舐めて手をクネクネさせた。糸を張っているのだろう。
『透視でどこに糸を張るか分かればさっさと終わるのになぁ。』
シェルアは呆れながら神経を尖らせ、深呼吸をした。覚醒だ。パッと目を開け2人を見ようとした。すると2人は居なくなっていた。
「?!」
「後ろだよ。」
糸人間じゃない方だった。後ろから耳元で呟いた。すかさず後ろを振り向き髪の毛で相手に触れようとした。だが、髪が一瞬でしばられていた。ほどこうとしたが隙を与えてくれなかった。殴りを避け、とりあえず殴りかかった。だが一瞬でまた移動して後ろから頭に蹴りを入れてきた。少しふらついたが下から足を蹴った。すると今度は顔を殴られた。
「かはっ!!」
尻餅をついて、口を手で抑えると、口を切ったようで血が出てきた。手についた血を見て口を噛み締め手を握りしめ、立ち上がった。すると柔らかめの糸が張ってあったようで頭がぐいっとぶつかりまた倒れた。幸い、柔らかめの糸だったため、見えない糸を感覚で蹴り切った。
「顔に傷がついては…と思って柔らかめの糸にしてみたけどまさか蹴り切るとはねぇ。でももうそんな体じゃ戦えないよねぇ?」
人間が油断をしていた。そのすきにシェルアは髪を結ばれた糸を手で引きちぎった。細い糸だったようで手が血まみれになった。だが無事、糸を切ることができた。
「ま、まだまだっ!」
にやけて堂々とたった。
「あんま女の子の体傷つけたくないよ僕…。」
なんの能力を扱っているのかイマイチ分からない方の男が呆れながら呟いた。
「シュラン、わがままいうな。いい敵が目の前にいるんだぁ。やらない以外の選択肢はないだろう。」
どうやらシュランというらしい。
「ヴィムスが殺れば?俺はさっきの女の子捕まえるからさぁ?」
糸人間はヴィムスという名前らしい。
「そ、そうはさせない…。」
シェルアが腕を広げて道を塞いだ。だが、しゅんっと一瞬でシュランはシェルアの横を通り過ぎ、クルフィの後ろへと行った。
「瞬間移動の能力かっ?!」
「せーかーい。」
ヴィムスがニコッと笑いながらシェルアのお腹に太い糸をぶっ刺した。
「ぐはっ!!!!!」
シェルアは口から血を吐いた。
「あー、内臓壊れたねぇ。もう立てないよねぇ。」
シェルアは地面に四つん這いになり悶えた。
「じゃあ、長々と悶えて死ぬよりさっさと死ぬほうが楽でいいよねぇ。とどめさしちゃうねぇ。」
ゲスい笑顔でヴィムスは笑いながら輝く糸をシェルアに向けた。
『アシェフ…。た、す、け、て…。』
シェルアは心の中で願った。届くはずもない願いだ。
『あぁ、私は結局、いつもアシェフに守られていて生きてこれただけだったんだ…。』
シェルアは朦朧としながら輝く糸を見つめていた。そしてヴィムスが糸を振り下ろしてきた時だった。シェルアの体がぐいっと持ち上げられた。シェルアは瞑りそうになった目を開けると誰かに担がれていた。後ろを見るとそれはシュランだった。
「お前…。なぜ…。」
「どんな奴であろうと女の子のヘルプにはきちんと答えないと行けないだろう。」
「おいおいシュラン、あの女の子とっ捕まえて頭でもぶつけたかぁ?」
シュランはふっと笑いシェルアを木の上へと連れていき、木の上に置いた。大きい木だったため落ち着いてシェルアは座れた。
「おいおいほんとにシュラン、どーゆーつもりだぁ?」
ヴィムスが呆れてシュランを見つめているとシュランがヴィムスの横に歩いていった。そしてヴィムスの肩を触って言った。
「しね。」
ヴィムスが驚いてシュランに体を向けるともう遅かった。ヴィムスの左の肩が石になり砕け落ちた。シェルアは目を丸めて驚いた。
「?!くっそ…。油断した。」
「誰だろうな。」
「はぁっ?!だぁーれだ。」
「この体はシュラン…?のものに間違いはないからこいつの体を傷つけたりするとこいつは死ぬ。」
「くそっ。」
「この体から俺が出ると当分こいつは気絶したままだ。」
「今日は引けってことか…。」
「ちゃんと分かるじゃん。」
「俺の腕は片方消えて、こいつは当分目覚めない…。引く。だからその体から出ろ。」
「シェルアを安全地帯に連れて行ってからな。」
そういいシュランはシェルアを木の上から下ろしおぶり、ヴィムスと共に森を出た。
「その能力は…、貴様…ルゴンだな…。なぜ…。」
「貴様が人間を殺さないことには迷惑していたが戦うメデューサ、俺は皆別に嫌いではない。仲間を助けるのは当然だしな。」
「助かっ…た。今度貴様の真の姿…見せてくれ…。」
「いいだろう。」
そういいシュランの体に入ったルゴンはシェルアを仲間に引き渡し、シュランの体から抜けた。倒れたシュランはヴィムスが片手で担ぎ連れていった。
「次会う時は殺す。」
ヴィムスが連れていく際にぼそっとそう言った。シェルアは仲間におぶられた背中の上で軽く手を挙げた。そしてふたりの戦いは終わった。
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