俺が出会ったメデューサはなんか他の奴とは違うようです
第17話 〜メデューサVS人間3〜
「奏真さんっ!殺さないでっ!」
サンシアが声を上げた。書斎中にその声は響いた。
「おうおう、ナイスフォロー。」
倒れていたメデューサが立ち上がりサンシアを褒めた。
「サンシア…。どういう…。」
「今の奏真さんの目は人殺しの目だった。お願いっ。殺すのはやめてっ。」
「おいお前、そこをどけ。」
メデューサがサンシアに指示をする。サンシアはばっとメデューサの方へと歩いていった。
「あなたもこの人は殺さないでっ!!」
サンシアが両腕をバッと広げた。
「ばーか言うんじゃねーよ。」
メデューサはサンシアを突き飛ばした。
「きゃっ!」
サンシアは突き飛ばされた拍子に書斎の棚に頭をぶつけた。血が垂れてきていた。
「サンシアッ!!!」
奏真は慌ててサンシアに駆け寄ろうとした、その時だった。
「ばんっ!」
奏真の首をがしっと掴んでメデューサが奏真を壁に叩きつけた。奏真はサンシアの怪我に取り乱し油断していた。
「うぐっ!!」
「そ、奏真さんっ…!」
「おい、戦いの途中に舐め腐ったことすんじゃねーよ。敵を見ろ。敵を。」
「く、苦しっ…。」
奏真が震える腕を前に出しメデューサを凍らせようとしたが腕を石にされた。
「残念だったな。十分に弱らせてから石にすることにしよう。」
「手が使えなくなろうと…、戦える限り、意識がある限り、生きている限り…、俺は戦うっ…。」
奏真がかすかに目を開きながら声を出した。だが、メデューサは奏真を殴り、腹を何度も伸びる髪で刺した。血が飛ぶ。石にされるよりよっぽど苦しい。サンシアが手を出そうとするも、メデューサがメデューサを石にすることなんてできないし、風魔法は奏真にも影響が出るため使えない。サンシアはイノに助けを求めようとした。雲魔法が使えるイノならばきっとどうにかしてくれる。そう思った。そして血が滴る頭を抑え書斎を出て走り出そうとしてはっとした。奏真にもらったネックレスがある。サンシアはそのネックレスにイノ、イノ、と話しかけるもなんの反応もなかった。
「イノ…ちゃん…。」
サンシアはがっくりと床にしゃがみこんだ。だが、奏真の言葉が頭をよぎった。
『戦える限り、意識がある限り、生きている限り俺は戦う。私はまだ余裕で戦う元気がある。意識もはっきりしている。生きている。』
サンシアは息を飲み涙目の目を擦り立ち上がった。  そして、落ちていたガラスに手を伸ばした。そのガラスを持ち、メデューサにゆらりゆらりと近づいた。
「ふぅっ…。ふぅっ…。」
呼吸を整え目をぱっちりと開ける。そして一気にメデューサにガラスを突き立てた。
「うああああああっ!!!!」
大きな声を出しながら。メデューサがびっくりしてサンシアの方を見るももう遅い。背中にガラスが突き刺さった。
「なっ…?!」
「サンッ…シアッ…。」
「奏真さんっ…!私は、あなたが好きですっ!」
そういいサンシアはにひっとわらい勢いをつけ足で思い切りメデューサの顔を蹴った。メデューサはバタッと倒れた。奏真も地面に尻餅をつく。
「ぐはっ…。げほっげほっ!!」
そして苦しそうに喉の部分を抑え、数秒むせてばたりと倒れた。お腹から血がぼたぼたと垂れていた。前の刺された怪我の傷が開いたのだった。
「そ、奏真さんっ!!!!!!!」
サンシアが駆け寄り声をかける。反応はもちろん無い。まだ微かに息はしていた。
「わ、私のせいでっ!!」
奏真の傷だらけの体を見てサンシアが泣きじゃくっていたその時だった。泣きじゃくるサンシアの綺麗な顔を奏真が手でそっと撫でた。
「サンシア、俺も、好きだ。」
サンシアはその言葉に鳥肌が立った。だが数秒後、我に帰った。
「でも、無理ですね…。」
「なんで。」
「私はもうただのメデューサです。奏真さんは人間。無理なことは奏真さんも分かるはずです。 」
「俺には…わかんねーな、ははっ。」
「奏真さんっ…。好きなのに、好きなのに、辛い。胸が苦しい…。」
「泣くなよ、サンシ…ァッ…。」
奏真がサンシアの顔から手を離し目を閉じた。
「奏真さんっ、奏真さんっ?!」
胸元に耳を当てるとまだ心臓は音を立てていた。どうにかしなければとサンシアが奏真の手を握りしめた時だった。
「哀れ。」
ばっと声のするほうを見るとイノが赤いマントを靡かせ立っていた。
「イノ…ちゃんっ…!!」
「奏真は変わった。大きく変わった訳では無いけれど。」
「どういうこと…。」
「カシアはあなたを守る人を探していた。でも本当はそれだけではない。あなたがいつもカシアの後ろでおどおどしていてなにも自分で決めないから、サンシアの背中を押す人を探していた。奏真ももう少しあなたにビシバシいうかと思ったけれど、案外何も言わなかった。最初は人選を誤ったと思っていた。でも違った。あなたに気づかせるためだった。でもあなたは気づいた?自分がどれだけ弱く他人の意見ばかりを聞いていたか。」
「き、気づかなかった…です…。」
「今言ったんだからもう分かったでしょ。昔から何でもほかの人に決めてもらってきたあなた。まぁ、奏真やシェルアと出会いあなたは少しずつ変わってきて、自分で決めることも増えてきた。今回人間側に奏真をつかせたのはそのため。私の言葉に脳が覚醒した。あなたは結局どうしたい。メデューサを守っておきながら奏真がやられたことに後悔。今の世の中でいつまでも中立でいられるなんてあまい考え捨てた方がいい。」
『今の世の中で。』
サンシアはその言葉にはっとした。
「なら、…を…しまえばいいん…。」
「?」
「この世の中を変えてしまえばいいんだっ!」
サンシアの目付きが変わった。それをみてイノがふっと笑った。
「この状況、どうするの。きちんと未来を決めれた今、もう奏真はいらない?」
「いる。だから、連れていく。助けます!」
「…はぁ、その怪我を見て分からない?助からない。」
「でもっ。」
「そうなんども助けられる思わない方がいい。」
「どうすればっ。」
「今日で最後。」
「へ?」
イノがマントを脱いでサンシアに渡した。とてもいい匂いがした。そして、いつもマントを着ていて分からなかったがイノは思っていたより小さかった。靴のヒールがとても高かった。
「マント、あげる。」
「えっ…?」
「私…赤いマント着てたの、自分の血がついても敵の血がついても目立たないようにするため。今度はあなたがそれを着てほしい。」
「それってつまり…。」
「この世界が変わるまでは戦いから逃げ、拒んではならない。私は今回奏真を助ける代わり、天に帰る。」
「へっ?!」
「何かを得るためには何かを捨てなければならない。」
「そんな…。イノちゃん…。」
イノが奏真の横に座り何かをしだした。髪の毛がふよふよと浮き奏真の傷などが光り始めた。それと同時にイノはどんどん体が透けてきた。
「!!!」
奏真の傷がだいぶ治るとイノは透ける体で倒れた。
「イノちゃんっ!!」
サンシアがイノを抱いた。
「ふっ。また、どうにかして会いに来る。その時はぜひ、イノと呼んで。」
「会いに来る…?」
「必ず会いに来る。今の2人をほおっておくのは不安でしかない。」
「次会いに来る時は、赤いマントなんて、だめですからね…?赤い服なんて着なくても、もうあなたに血はつかない。私が守るから。私がすべて受け止める。」
「頼もしくなったこと。次会う時、楽しみにしてる…。」
イノの実体が消えてしまった。だがサンシアは気分が落ち込みはしなかった。なぜか、前向きになれた。上を向き、泣くのをこらえ笑った。そしてまだ意識は戻らない奏真を抱え、移動し出した。サンシアは今何をすべきか考えながら歩き、決めた。
『停戦を要求しよう。』
サンシアは奏真を引きずりながら建物を出た。赤いマントを靡かせながら戦闘しているメデューサや人間の間を突っ切った。マントで髪を隠し、メデューサか人間か、バレないようにした。そのお陰で、誰も攻撃をしてこなかった。そして、戦場の真ん中らへんと思われる場所にたどり着くと、奏真を地面に寝転がせ大きく息を吸って口を開けた。
サンシアが声を上げた。書斎中にその声は響いた。
「おうおう、ナイスフォロー。」
倒れていたメデューサが立ち上がりサンシアを褒めた。
「サンシア…。どういう…。」
「今の奏真さんの目は人殺しの目だった。お願いっ。殺すのはやめてっ。」
「おいお前、そこをどけ。」
メデューサがサンシアに指示をする。サンシアはばっとメデューサの方へと歩いていった。
「あなたもこの人は殺さないでっ!!」
サンシアが両腕をバッと広げた。
「ばーか言うんじゃねーよ。」
メデューサはサンシアを突き飛ばした。
「きゃっ!」
サンシアは突き飛ばされた拍子に書斎の棚に頭をぶつけた。血が垂れてきていた。
「サンシアッ!!!」
奏真は慌ててサンシアに駆け寄ろうとした、その時だった。
「ばんっ!」
奏真の首をがしっと掴んでメデューサが奏真を壁に叩きつけた。奏真はサンシアの怪我に取り乱し油断していた。
「うぐっ!!」
「そ、奏真さんっ…!」
「おい、戦いの途中に舐め腐ったことすんじゃねーよ。敵を見ろ。敵を。」
「く、苦しっ…。」
奏真が震える腕を前に出しメデューサを凍らせようとしたが腕を石にされた。
「残念だったな。十分に弱らせてから石にすることにしよう。」
「手が使えなくなろうと…、戦える限り、意識がある限り、生きている限り…、俺は戦うっ…。」
奏真がかすかに目を開きながら声を出した。だが、メデューサは奏真を殴り、腹を何度も伸びる髪で刺した。血が飛ぶ。石にされるよりよっぽど苦しい。サンシアが手を出そうとするも、メデューサがメデューサを石にすることなんてできないし、風魔法は奏真にも影響が出るため使えない。サンシアはイノに助けを求めようとした。雲魔法が使えるイノならばきっとどうにかしてくれる。そう思った。そして血が滴る頭を抑え書斎を出て走り出そうとしてはっとした。奏真にもらったネックレスがある。サンシアはそのネックレスにイノ、イノ、と話しかけるもなんの反応もなかった。
「イノ…ちゃん…。」
サンシアはがっくりと床にしゃがみこんだ。だが、奏真の言葉が頭をよぎった。
『戦える限り、意識がある限り、生きている限り俺は戦う。私はまだ余裕で戦う元気がある。意識もはっきりしている。生きている。』
サンシアは息を飲み涙目の目を擦り立ち上がった。  そして、落ちていたガラスに手を伸ばした。そのガラスを持ち、メデューサにゆらりゆらりと近づいた。
「ふぅっ…。ふぅっ…。」
呼吸を整え目をぱっちりと開ける。そして一気にメデューサにガラスを突き立てた。
「うああああああっ!!!!」
大きな声を出しながら。メデューサがびっくりしてサンシアの方を見るももう遅い。背中にガラスが突き刺さった。
「なっ…?!」
「サンッ…シアッ…。」
「奏真さんっ…!私は、あなたが好きですっ!」
そういいサンシアはにひっとわらい勢いをつけ足で思い切りメデューサの顔を蹴った。メデューサはバタッと倒れた。奏真も地面に尻餅をつく。
「ぐはっ…。げほっげほっ!!」
そして苦しそうに喉の部分を抑え、数秒むせてばたりと倒れた。お腹から血がぼたぼたと垂れていた。前の刺された怪我の傷が開いたのだった。
「そ、奏真さんっ!!!!!!!」
サンシアが駆け寄り声をかける。反応はもちろん無い。まだ微かに息はしていた。
「わ、私のせいでっ!!」
奏真の傷だらけの体を見てサンシアが泣きじゃくっていたその時だった。泣きじゃくるサンシアの綺麗な顔を奏真が手でそっと撫でた。
「サンシア、俺も、好きだ。」
サンシアはその言葉に鳥肌が立った。だが数秒後、我に帰った。
「でも、無理ですね…。」
「なんで。」
「私はもうただのメデューサです。奏真さんは人間。無理なことは奏真さんも分かるはずです。 」
「俺には…わかんねーな、ははっ。」
「奏真さんっ…。好きなのに、好きなのに、辛い。胸が苦しい…。」
「泣くなよ、サンシ…ァッ…。」
奏真がサンシアの顔から手を離し目を閉じた。
「奏真さんっ、奏真さんっ?!」
胸元に耳を当てるとまだ心臓は音を立てていた。どうにかしなければとサンシアが奏真の手を握りしめた時だった。
「哀れ。」
ばっと声のするほうを見るとイノが赤いマントを靡かせ立っていた。
「イノ…ちゃんっ…!!」
「奏真は変わった。大きく変わった訳では無いけれど。」
「どういうこと…。」
「カシアはあなたを守る人を探していた。でも本当はそれだけではない。あなたがいつもカシアの後ろでおどおどしていてなにも自分で決めないから、サンシアの背中を押す人を探していた。奏真ももう少しあなたにビシバシいうかと思ったけれど、案外何も言わなかった。最初は人選を誤ったと思っていた。でも違った。あなたに気づかせるためだった。でもあなたは気づいた?自分がどれだけ弱く他人の意見ばかりを聞いていたか。」
「き、気づかなかった…です…。」
「今言ったんだからもう分かったでしょ。昔から何でもほかの人に決めてもらってきたあなた。まぁ、奏真やシェルアと出会いあなたは少しずつ変わってきて、自分で決めることも増えてきた。今回人間側に奏真をつかせたのはそのため。私の言葉に脳が覚醒した。あなたは結局どうしたい。メデューサを守っておきながら奏真がやられたことに後悔。今の世の中でいつまでも中立でいられるなんてあまい考え捨てた方がいい。」
『今の世の中で。』
サンシアはその言葉にはっとした。
「なら、…を…しまえばいいん…。」
「?」
「この世の中を変えてしまえばいいんだっ!」
サンシアの目付きが変わった。それをみてイノがふっと笑った。
「この状況、どうするの。きちんと未来を決めれた今、もう奏真はいらない?」
「いる。だから、連れていく。助けます!」
「…はぁ、その怪我を見て分からない?助からない。」
「でもっ。」
「そうなんども助けられる思わない方がいい。」
「どうすればっ。」
「今日で最後。」
「へ?」
イノがマントを脱いでサンシアに渡した。とてもいい匂いがした。そして、いつもマントを着ていて分からなかったがイノは思っていたより小さかった。靴のヒールがとても高かった。
「マント、あげる。」
「えっ…?」
「私…赤いマント着てたの、自分の血がついても敵の血がついても目立たないようにするため。今度はあなたがそれを着てほしい。」
「それってつまり…。」
「この世界が変わるまでは戦いから逃げ、拒んではならない。私は今回奏真を助ける代わり、天に帰る。」
「へっ?!」
「何かを得るためには何かを捨てなければならない。」
「そんな…。イノちゃん…。」
イノが奏真の横に座り何かをしだした。髪の毛がふよふよと浮き奏真の傷などが光り始めた。それと同時にイノはどんどん体が透けてきた。
「!!!」
奏真の傷がだいぶ治るとイノは透ける体で倒れた。
「イノちゃんっ!!」
サンシアがイノを抱いた。
「ふっ。また、どうにかして会いに来る。その時はぜひ、イノと呼んで。」
「会いに来る…?」
「必ず会いに来る。今の2人をほおっておくのは不安でしかない。」
「次会いに来る時は、赤いマントなんて、だめですからね…?赤い服なんて着なくても、もうあなたに血はつかない。私が守るから。私がすべて受け止める。」
「頼もしくなったこと。次会う時、楽しみにしてる…。」
イノの実体が消えてしまった。だがサンシアは気分が落ち込みはしなかった。なぜか、前向きになれた。上を向き、泣くのをこらえ笑った。そしてまだ意識は戻らない奏真を抱え、移動し出した。サンシアは今何をすべきか考えながら歩き、決めた。
『停戦を要求しよう。』
サンシアは奏真を引きずりながら建物を出た。赤いマントを靡かせながら戦闘しているメデューサや人間の間を突っ切った。マントで髪を隠し、メデューサか人間か、バレないようにした。そのお陰で、誰も攻撃をしてこなかった。そして、戦場の真ん中らへんと思われる場所にたどり着くと、奏真を地面に寝転がせ大きく息を吸って口を開けた。
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