俺が出会ったメデューサはなんか他の奴とは違うようです
第12話 〜白い羽〜
数日後、奏真はケロリと回復した。そして城を出る準備をした。
「いやー、数日も置いてもらってすまなかったなー。」
「奏真くんはこれからどうするの?」
シェルアが聞いた。
「サンシアに合わせれる限り合わせる。」
「奏真さんっ、自分で決めてくれていいんですよっ。」
「なんか最近お前俺と距離置いてないか?」
「敬語で話す方が落ち着くので…。」
「そーか?ならいいが。で、サンシアはどうするんだ?」
「せっかくメデューサの街に来たんですもん!ネルちゃんに会いに行きます。」
「そーか。なら俺も付き添う。ネルには世話になったしな。」
「ネルに会った後はどうするの?」
「俺はもう一人の空想上の能力を使えるやつに会いに行きてぇな。」
「なら奏真さん、別行動しましょう。」
「サンシアを1人にできねぇよ。」
「私だってひとりで行動できるようにならないと!」
「お前に何かあったらおれカシアに顔が立たない。」
「お姉ちゃんのことは気にしないで。」
「サンシアちゃんには私が付くわ。」
「俺は自分の城に戻って仕事がある。」
「サンシアちゃんがネルちゃんに会えたらTHまで送り届けるわ。安心なさい。」
「シェルア、頼んだぞ。」
「…。サンシア、奏真、おれから一言失礼する。この世界に生きる以上周りの人間はたくさん死ぬだろう。時にお前ら二人のどちらかが死に至ることもあるかもしれない。だが、それでいちいち落ち込んでたらキリがない。……あまり言いたくはないが、慣れないと…いけない。」
「私はTHにいる時から心得てるから大丈夫でっす!」
サンシアがへらりと笑った。
「俺も多分大丈夫。世話になったな。アシェフ。」
「こちらこそ、色々ありがとう。」
2人が握手を交わした。そして、アシェフ、サンシアシェルア、奏真は別れた。奏真は人間界のTHへと向かった。ケリスに貰った薬などが入った大きなカバンを背負って。
「まずは、パールさんに話を聞かないとな。」
何度も通った山の道を通りTHへと帰るとTHは賑やかだった。修行をしていたようだった。奏真はパールのいそうなところを片っ端から探し、とうとう見つけた。ゴーメルの研究室だった。
「パールさん、お話があります。」
奏真はいきなりそう言い、研究室の扉を閉めた。
「サンシアとカシアは…?」
「先にこっちの話を聞いてくださいパールさん。」
「…。いいわよ。」
「パールさんは何をどこまで知ってるんですか。」
奏真が聞いた。
「その質問だと私が何か知っていることをあなたは知っているのね。あなたは何をどこまで知ってるの?」
「パールさん、あなたの弱味は俺が握っているんで俺が今から話すことは誰にも言わないで欲しいです。」
「サンシアがメデューサな事はもう知っているわよ。」
奏真は耳を疑った。
「ゴーメルさんは元々計画していたんですか。サンシアをメデューサにすることを。」
「いいえ。この前あなた、サンシアに石にされかけたでしょう。防犯カメラに映ってたの。私はそれを見た。それに、いつも髪を下ろしていたサンシアが急に髪を結ぶのも私からすればすごい不自然だったしね。」
「…。カシアはゴーメルさんによって殺されました。」
「……!!」
「ゴーメルさんに直接殺されたかは分かりませんが殺されました。」
「か、カシアが…死んだ…?!」
「俺とサンシアはココ最近メデューサの街に行っていました。そこで王家のシェルアとアシェフというふたりに出会いました。」
「シェルア…とアシェフ…。元気にしているのね。」
「サンシアに自分の過去の話をしたそうです。俺はサンシアに聞いたので詳しいことはよく知りませんが。とりあえずシェルアもアシェフも元気でしたよ。サンシアはいまシェルアと行動しています。」
「そう…。」
「あなたは実際何なんですか。何をどう隠しているんですか。」
「ゴーメルは…私が釣ったの。きっと向こうも私を釣ったつもりだったでしょうね。」
「釣った…?」
「研究の事が知りたくてね…。メデューサ反乱軍のリーダーと仲良くなればメデューサに殺される心配はないしね。まぁいつの間にか恋に落ちていたけれど。」
「パールさんは人間側と取ってよろしいんですか?」
「ええ。THに戻ってきてから私は決めていたわ。私は人間側。」
「サンシアはこれからどうなるんでしょうか。」
「私の娘のような子。私は皆にサンシアがメデューサだということを公表することはないと思うわ。一ヶ月後、メデューサと人間の戦争が始まるわ。そのために今全力で人を育てている。」
「俺はある人に会いたいんですけど、いいですか、ここで練習に励まなくても。」
「ある人…?誰に会いたいの?その人はTHにいる?」
「詳しいことは分かりませんが俺の他に空想上の能力を使えるやつがいるとメデューサの街で聞きました。なのでその人に会いたいんです。」
「空想上の能力を使える子…。それは雲を操る能力…?」
「そうっす。俺はその人に出会ってみたいんですけどご存知なんですか。」
「ええ。ここの屋上にいると思うわ。」
「まじですか?!」
「上がってみなさい。綺麗な女の子よ。人見知りだから最初はあまり喋らないと思うわ。」
「ありがとうございます!」
奏真は嬉しくなり運動がてら階段で屋上までかけあがった。屋上の一階下までついたとき1人の女とすれ違った。赤いマントが屋上から吹いてくる風によって靡いていた。奏真はなにかを感じた。鳥肌が立った。
「…?」
振り返ると白髪の女がマントのフードをとりこちらを見ていた。素敵な透き通るような瞳だった。奏真は一瞬幽霊かと思ってしまった。だが自然と口が開いた。
「あのっ!」
急に大きな声を出したがその女はびくともせずじっと奏真を見ていた。
「雲を操れる人…ですか。」
そう聞くとこくりと女は頷いた。
「俺は氷を操れる能力を持ってるんだけれどお話伺ってもいいですか。」
またこくりと頷いた。すると女は屋上へと歩き出した。奏真はついて行った。屋上へと出ると青い空が広がっていた。その青い空に見とれていると女が屋上にあった椅子に座りぽんぽんと隣のスペースを優しく叩いた。奏真は隣に座った。
「あの、お名前は…?」
「…。イノ。またの名はレウコテア。」
「えっ、っとあのっ…。」
「私、この世界の人間じゃない。」
「俺のこと知ってるんですか?」
「…。タメ語でいい。知ってる。あなたをこの世界に連れてきたの私。」
「…?!」
「きっと今から話すこと…あなたは信じないと思う。」
「この世界に来てからありえないこと続きだからもう何でも信じれそうな気がするから話してみてよ。」
「私は元々、生きてない。天国に仕えるもの、女神。カシアとサンシアは神に選ばれた王家の子。カシアの人生最大の願いを聞き入れた。彼女の願いは妹を守る人が現れてほしいという事だった。ちょうどあなたが死んだ。だからあなたをこの世界に召喚した。あなたは人一倍まだ人間の世界に未練があった。死ぬには早かった。だからあなたをこの世界に。」
「えっ…。な、なるほど…?」
「あなたに簡単に死なれては困る。だからあなたは空想上の能力と言われている氷魔法が使えるようにした。カシアとサンシアと出会うようにし向けた。全てが上手くいくようにした。分かった?」
「えーっ、うんまぁ分かった。」
「そう、なら良かった。何かわからないことがあるなら聞いて。」
「んー…。」
「あ、あなたは基本死なない。治療してもらえないと意識は戻らないけれど。ただサンシアが死んだらあなたは死ぬ。そしてサンシアはあなたを殺す権利がある。逆に言うと、サンシアしかあなたを殺すことはできないということ。」
「サンシアに殴られて痛かったのに謎の者に刺された時は痛くなかったのはそのせい?」
「そう。召喚したのに簡単に死なれては意味がまったくもってないから。」
「俺はそんなに最強な体になっていいのか…?」
「勘違いされては困る。最強ではない。サンシアはあなたを殺せるということは誰かがサンシアを利用すればあなたも殺せるということ。サンシアもあなたも辛い思いをする。」
「なるほど。」
「俺は最強だ、といい振り回しあなたを殺したがる人たちを敵に回したりするとあなたはサンシアによって殺される。」
「気をつける。」
「私が女神だ、特殊能力を使える、ということを誰かに言うとサンシアを使って私があなたを殺す。これをあなたにあげる。何かあった時はこれで私を呼ぶといい。なにか助けになるかもしれない。私がこの世界に降りてきたのはあなたの観察もあるから。」
そういいイノはキラキラと輝く宝石のネックレスの様なものを綺麗な白い手から差し出した。
「綺麗…。」
「サンシアの目の色。私が持っているのはカシアの目の色。」
「確かにサンシアの色だ。カシアの色ってことは水色か?」
こくりと頷き首元のネックレスを見せた。カシアの目の色だった。奏真はそれを見て少し泣きそうになった。
「奏真、カシアは選ばれた子。そのカシアの願い。私と共に叶え通そう。一ヶ月後のメデューサ対人間の戦争、絶対にサンシアを死なせるな。」
「あぁ。約束だ。」
2人は握手を交わした。
「いやー、数日も置いてもらってすまなかったなー。」
「奏真くんはこれからどうするの?」
シェルアが聞いた。
「サンシアに合わせれる限り合わせる。」
「奏真さんっ、自分で決めてくれていいんですよっ。」
「なんか最近お前俺と距離置いてないか?」
「敬語で話す方が落ち着くので…。」
「そーか?ならいいが。で、サンシアはどうするんだ?」
「せっかくメデューサの街に来たんですもん!ネルちゃんに会いに行きます。」
「そーか。なら俺も付き添う。ネルには世話になったしな。」
「ネルに会った後はどうするの?」
「俺はもう一人の空想上の能力を使えるやつに会いに行きてぇな。」
「なら奏真さん、別行動しましょう。」
「サンシアを1人にできねぇよ。」
「私だってひとりで行動できるようにならないと!」
「お前に何かあったらおれカシアに顔が立たない。」
「お姉ちゃんのことは気にしないで。」
「サンシアちゃんには私が付くわ。」
「俺は自分の城に戻って仕事がある。」
「サンシアちゃんがネルちゃんに会えたらTHまで送り届けるわ。安心なさい。」
「シェルア、頼んだぞ。」
「…。サンシア、奏真、おれから一言失礼する。この世界に生きる以上周りの人間はたくさん死ぬだろう。時にお前ら二人のどちらかが死に至ることもあるかもしれない。だが、それでいちいち落ち込んでたらキリがない。……あまり言いたくはないが、慣れないと…いけない。」
「私はTHにいる時から心得てるから大丈夫でっす!」
サンシアがへらりと笑った。
「俺も多分大丈夫。世話になったな。アシェフ。」
「こちらこそ、色々ありがとう。」
2人が握手を交わした。そして、アシェフ、サンシアシェルア、奏真は別れた。奏真は人間界のTHへと向かった。ケリスに貰った薬などが入った大きなカバンを背負って。
「まずは、パールさんに話を聞かないとな。」
何度も通った山の道を通りTHへと帰るとTHは賑やかだった。修行をしていたようだった。奏真はパールのいそうなところを片っ端から探し、とうとう見つけた。ゴーメルの研究室だった。
「パールさん、お話があります。」
奏真はいきなりそう言い、研究室の扉を閉めた。
「サンシアとカシアは…?」
「先にこっちの話を聞いてくださいパールさん。」
「…。いいわよ。」
「パールさんは何をどこまで知ってるんですか。」
奏真が聞いた。
「その質問だと私が何か知っていることをあなたは知っているのね。あなたは何をどこまで知ってるの?」
「パールさん、あなたの弱味は俺が握っているんで俺が今から話すことは誰にも言わないで欲しいです。」
「サンシアがメデューサな事はもう知っているわよ。」
奏真は耳を疑った。
「ゴーメルさんは元々計画していたんですか。サンシアをメデューサにすることを。」
「いいえ。この前あなた、サンシアに石にされかけたでしょう。防犯カメラに映ってたの。私はそれを見た。それに、いつも髪を下ろしていたサンシアが急に髪を結ぶのも私からすればすごい不自然だったしね。」
「…。カシアはゴーメルさんによって殺されました。」
「……!!」
「ゴーメルさんに直接殺されたかは分かりませんが殺されました。」
「か、カシアが…死んだ…?!」
「俺とサンシアはココ最近メデューサの街に行っていました。そこで王家のシェルアとアシェフというふたりに出会いました。」
「シェルア…とアシェフ…。元気にしているのね。」
「サンシアに自分の過去の話をしたそうです。俺はサンシアに聞いたので詳しいことはよく知りませんが。とりあえずシェルアもアシェフも元気でしたよ。サンシアはいまシェルアと行動しています。」
「そう…。」
「あなたは実際何なんですか。何をどう隠しているんですか。」
「ゴーメルは…私が釣ったの。きっと向こうも私を釣ったつもりだったでしょうね。」
「釣った…?」
「研究の事が知りたくてね…。メデューサ反乱軍のリーダーと仲良くなればメデューサに殺される心配はないしね。まぁいつの間にか恋に落ちていたけれど。」
「パールさんは人間側と取ってよろしいんですか?」
「ええ。THに戻ってきてから私は決めていたわ。私は人間側。」
「サンシアはこれからどうなるんでしょうか。」
「私の娘のような子。私は皆にサンシアがメデューサだということを公表することはないと思うわ。一ヶ月後、メデューサと人間の戦争が始まるわ。そのために今全力で人を育てている。」
「俺はある人に会いたいんですけど、いいですか、ここで練習に励まなくても。」
「ある人…?誰に会いたいの?その人はTHにいる?」
「詳しいことは分かりませんが俺の他に空想上の能力を使えるやつがいるとメデューサの街で聞きました。なのでその人に会いたいんです。」
「空想上の能力を使える子…。それは雲を操る能力…?」
「そうっす。俺はその人に出会ってみたいんですけどご存知なんですか。」
「ええ。ここの屋上にいると思うわ。」
「まじですか?!」
「上がってみなさい。綺麗な女の子よ。人見知りだから最初はあまり喋らないと思うわ。」
「ありがとうございます!」
奏真は嬉しくなり運動がてら階段で屋上までかけあがった。屋上の一階下までついたとき1人の女とすれ違った。赤いマントが屋上から吹いてくる風によって靡いていた。奏真はなにかを感じた。鳥肌が立った。
「…?」
振り返ると白髪の女がマントのフードをとりこちらを見ていた。素敵な透き通るような瞳だった。奏真は一瞬幽霊かと思ってしまった。だが自然と口が開いた。
「あのっ!」
急に大きな声を出したがその女はびくともせずじっと奏真を見ていた。
「雲を操れる人…ですか。」
そう聞くとこくりと女は頷いた。
「俺は氷を操れる能力を持ってるんだけれどお話伺ってもいいですか。」
またこくりと頷いた。すると女は屋上へと歩き出した。奏真はついて行った。屋上へと出ると青い空が広がっていた。その青い空に見とれていると女が屋上にあった椅子に座りぽんぽんと隣のスペースを優しく叩いた。奏真は隣に座った。
「あの、お名前は…?」
「…。イノ。またの名はレウコテア。」
「えっ、っとあのっ…。」
「私、この世界の人間じゃない。」
「俺のこと知ってるんですか?」
「…。タメ語でいい。知ってる。あなたをこの世界に連れてきたの私。」
「…?!」
「きっと今から話すこと…あなたは信じないと思う。」
「この世界に来てからありえないこと続きだからもう何でも信じれそうな気がするから話してみてよ。」
「私は元々、生きてない。天国に仕えるもの、女神。カシアとサンシアは神に選ばれた王家の子。カシアの人生最大の願いを聞き入れた。彼女の願いは妹を守る人が現れてほしいという事だった。ちょうどあなたが死んだ。だからあなたをこの世界に召喚した。あなたは人一倍まだ人間の世界に未練があった。死ぬには早かった。だからあなたをこの世界に。」
「えっ…。な、なるほど…?」
「あなたに簡単に死なれては困る。だからあなたは空想上の能力と言われている氷魔法が使えるようにした。カシアとサンシアと出会うようにし向けた。全てが上手くいくようにした。分かった?」
「えーっ、うんまぁ分かった。」
「そう、なら良かった。何かわからないことがあるなら聞いて。」
「んー…。」
「あ、あなたは基本死なない。治療してもらえないと意識は戻らないけれど。ただサンシアが死んだらあなたは死ぬ。そしてサンシアはあなたを殺す権利がある。逆に言うと、サンシアしかあなたを殺すことはできないということ。」
「サンシアに殴られて痛かったのに謎の者に刺された時は痛くなかったのはそのせい?」
「そう。召喚したのに簡単に死なれては意味がまったくもってないから。」
「俺はそんなに最強な体になっていいのか…?」
「勘違いされては困る。最強ではない。サンシアはあなたを殺せるということは誰かがサンシアを利用すればあなたも殺せるということ。サンシアもあなたも辛い思いをする。」
「なるほど。」
「俺は最強だ、といい振り回しあなたを殺したがる人たちを敵に回したりするとあなたはサンシアによって殺される。」
「気をつける。」
「私が女神だ、特殊能力を使える、ということを誰かに言うとサンシアを使って私があなたを殺す。これをあなたにあげる。何かあった時はこれで私を呼ぶといい。なにか助けになるかもしれない。私がこの世界に降りてきたのはあなたの観察もあるから。」
そういいイノはキラキラと輝く宝石のネックレスの様なものを綺麗な白い手から差し出した。
「綺麗…。」
「サンシアの目の色。私が持っているのはカシアの目の色。」
「確かにサンシアの色だ。カシアの色ってことは水色か?」
こくりと頷き首元のネックレスを見せた。カシアの目の色だった。奏真はそれを見て少し泣きそうになった。
「奏真、カシアは選ばれた子。そのカシアの願い。私と共に叶え通そう。一ヶ月後のメデューサ対人間の戦争、絶対にサンシアを死なせるな。」
「あぁ。約束だ。」
2人は握手を交わした。
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