異世界ライフ 〜異世界の自分を自分で救ってみました〜
トーラス学園⑥
2018/09/22 誤字修正
担任の先生? が闘技場の上にあがり、決闘の対象者を呼ぶ。
「両者、闘技場へ!」
ダブルが闘技場に上がろうとするとテッツが心配そうに声を掛けてきた。
「本当に大丈夫か、万が一負けたりしたら学園を辞めなきゃいけないんだぞ」
「大丈夫です! こう見えて僕はとっても強いんですよ」
テッツは初めて会った時のことを思い出す。
「ハハッ、それもそうだな。絶対勝てよ!!」
「もちろんです!!」
ダブルは闘技場に上がる。
「どうやら覚悟が決まったようだな、最後なんだいい思い出になるといいな」
「あなたこそ、僕を手伝う準備は終わってますか? 貴族と威張ってられるのも今日までですよ」
売り言葉に買い言葉が放たれ、担任の先生が割って入る。
「ではこれより、決闘を行う!  ルールはどちらかが負けを認めるか、私が続行不能と判断したら終了とする。学園の特別ルールとして、死に至る攻撃をしたものはその時点で敗北とみなします」
両者が頷き、構える。
「——始め!!」
まず動いたのは貴族の方だった。
「すぐに終わらせてやる〈土の針〉!!」
ダブルの足元が粘土質に変わり、鋭い針となって襲いかかる。
「そんな攻撃では当たりませんよ!」
ダブルは後ろに跳びのきその攻撃を躱そうとする。だが、その行動を見た貴族がニヤッと表情を変えた。
「——甘い!!」
「なっ!? いつの間に!!」
ダブルは拘束魔法で拘束されてしまう。
「フン! わざとわかりやすい攻撃を放ち、同時に無詠唱でバインドロックも放っていだことにも気付かないとは、所詮平民だな!」
ダブルは目の前の攻撃に意識し過ぎてしまったせいか拘束魔法に気付かなかったのだ。ということにしておいてあげるかと驚いたふりをしていた。
(あんなに分かりやすく魔力と属性力を出してたらバレバレだっての。テッツさんでも分かったんじゃないかな)
チラッとテッツさんを見ると、何やってるんだという表情をしている。
他の人たちを見ると「やるな」やら「あれでDクラスなのか」と気付いていなものばかりだったのだ。
(やっぱりテッツさん、相手の魔力と属性力を感じることができるんですね)
「さて、終わりとしようじゃないか。何か言い残すことはあるかね?」
「ん? どうしてでしょうか? 言い残すもなにも、まだ勝負は始まったばかりではないですか」
「なにをふざけたことを言っている。この状態で貴様になにができる!?」
(確かに拘束されてはいるけどアティの拘束魔法と比べるとだいぶ劣っているんだよな)
「この拘束魔法でしたら気にしないでください、すぐに外しますので」といいながら、風魔法を使い切断する。
「なっ! なにをした!?」
「見てわからなかったのですか? 魔法で切断しただけですけど……」
「そんなのは分かっている!! どんな魔法を使ったんだ!?」
なにが起きたかわからない貴族に焦りが出はじめていた。
「こっちも反撃といきましょうか。これはどう防ぎますか、〈衝撃波〉」
貴族に向かって衝撃波が放たれ、それを防ごうと貴族も土の壁を発動する。
だが、ダブルが放った衝撃波の威力は貴族の魔法の数段上をいっており、土の魔法ごと貴族を吹き飛ばした。
貴族はなんとか空中で体制を立て直していたが、結構なダメージを負っていた。そんな貴族は芋虫を噛み潰したような表情をしており、痛みと言うよりは平民に戦況を押されていることに顔を歪めているのだろう。
「この私が平民如きの魔法にっ!! この私が!!」
ダブルは怒り狂っている貴族から今までと桁の違う魔力を感じ取った。それを先生も察知したのか抑えにかかろうと動くが、ダブルはそれを止める。
「先生!! まだ勝負は終わっていないのに止めるのですか?」
「この状態で何を言っている!!」
先生はダブルの放った言葉にすぐさま反論する。そんな中、様子のおかしい貴族を見ていた周りの生徒が、先生に向かって叫ぶ、
「先生っ!!」
ハッ、となり貴族の方を見ると、ダブルとやりとりしていた間に貴族は特大の岩の塊を作っていたのだ。魔力が暴走しているため、その岩の塊はどんどん巨大化していき、それを見ていた生徒と先生はその光景に気圧され動けなくなっていた。
女生徒の1人が泣きながら先生に助けを求めるがダブルはだけは知っていた、この担任の先生にそんな力がないことを、だからこそこの状況を作るために少しの時間先生が介入できないように足止したのだった。
そうダブルは、貴族が平民の自分やテッツさんにちょっかい出させないようにするには圧倒的な力を見せつけ、こいつには逆らっちゃいけないと認識させる必要があると考えていたからだ。
その時、テッツが闘技場に上がって来ようとする姿が目に入る、
「テッツさんこの程度で取り乱すなんてみっともないですよ」
「だけどあれは流石にダブルでも……」
他の生徒からは頭おかしい人を見る目でこちらを見てきていた。その視線の中には、この状況でさらに貴族の男を挑発するようなことを言っているダブルに対する怒りのものも含まれていた。
「さあ、貴族さん。決着です」
「舐めた口をきくな——!!!!」
巨大化が止まり、その岩がダブルに向かって飛んでいく。
「テッツさんよく見て感じてください!! これが本物の魔法です!!」
テッツか は感じていた。無駄のない魔力、それに綺麗に混ざっていく属性力の感じを……そして静寂に包まれた中ダブルの声が響いた。
「〈大地の十字跡〉——」
岩の塊を挟むように出現した大地の刃がクロスするように一閃した。岩の塊は一瞬で砂へと変わり、その光景を見ていた全員が唖然としていたのだ。
それもそのはず、先生でも対応できなかった攻撃を一瞬で砂へと返してしまったのだからだ。それはまさしく夢でも見ているかの光景であったのだろう。
そして貴族はというと、いつの間にか移動していたダブルに意識を狩られて床に倒れていた。どんな人から見ても圧倒的な勝利であった。
担任の先生? が闘技場の上にあがり、決闘の対象者を呼ぶ。
「両者、闘技場へ!」
ダブルが闘技場に上がろうとするとテッツが心配そうに声を掛けてきた。
「本当に大丈夫か、万が一負けたりしたら学園を辞めなきゃいけないんだぞ」
「大丈夫です! こう見えて僕はとっても強いんですよ」
テッツは初めて会った時のことを思い出す。
「ハハッ、それもそうだな。絶対勝てよ!!」
「もちろんです!!」
ダブルは闘技場に上がる。
「どうやら覚悟が決まったようだな、最後なんだいい思い出になるといいな」
「あなたこそ、僕を手伝う準備は終わってますか? 貴族と威張ってられるのも今日までですよ」
売り言葉に買い言葉が放たれ、担任の先生が割って入る。
「ではこれより、決闘を行う!  ルールはどちらかが負けを認めるか、私が続行不能と判断したら終了とする。学園の特別ルールとして、死に至る攻撃をしたものはその時点で敗北とみなします」
両者が頷き、構える。
「——始め!!」
まず動いたのは貴族の方だった。
「すぐに終わらせてやる〈土の針〉!!」
ダブルの足元が粘土質に変わり、鋭い針となって襲いかかる。
「そんな攻撃では当たりませんよ!」
ダブルは後ろに跳びのきその攻撃を躱そうとする。だが、その行動を見た貴族がニヤッと表情を変えた。
「——甘い!!」
「なっ!? いつの間に!!」
ダブルは拘束魔法で拘束されてしまう。
「フン! わざとわかりやすい攻撃を放ち、同時に無詠唱でバインドロックも放っていだことにも気付かないとは、所詮平民だな!」
ダブルは目の前の攻撃に意識し過ぎてしまったせいか拘束魔法に気付かなかったのだ。ということにしておいてあげるかと驚いたふりをしていた。
(あんなに分かりやすく魔力と属性力を出してたらバレバレだっての。テッツさんでも分かったんじゃないかな)
チラッとテッツさんを見ると、何やってるんだという表情をしている。
他の人たちを見ると「やるな」やら「あれでDクラスなのか」と気付いていなものばかりだったのだ。
(やっぱりテッツさん、相手の魔力と属性力を感じることができるんですね)
「さて、終わりとしようじゃないか。何か言い残すことはあるかね?」
「ん? どうしてでしょうか? 言い残すもなにも、まだ勝負は始まったばかりではないですか」
「なにをふざけたことを言っている。この状態で貴様になにができる!?」
(確かに拘束されてはいるけどアティの拘束魔法と比べるとだいぶ劣っているんだよな)
「この拘束魔法でしたら気にしないでください、すぐに外しますので」といいながら、風魔法を使い切断する。
「なっ! なにをした!?」
「見てわからなかったのですか? 魔法で切断しただけですけど……」
「そんなのは分かっている!! どんな魔法を使ったんだ!?」
なにが起きたかわからない貴族に焦りが出はじめていた。
「こっちも反撃といきましょうか。これはどう防ぎますか、〈衝撃波〉」
貴族に向かって衝撃波が放たれ、それを防ごうと貴族も土の壁を発動する。
だが、ダブルが放った衝撃波の威力は貴族の魔法の数段上をいっており、土の魔法ごと貴族を吹き飛ばした。
貴族はなんとか空中で体制を立て直していたが、結構なダメージを負っていた。そんな貴族は芋虫を噛み潰したような表情をしており、痛みと言うよりは平民に戦況を押されていることに顔を歪めているのだろう。
「この私が平民如きの魔法にっ!! この私が!!」
ダブルは怒り狂っている貴族から今までと桁の違う魔力を感じ取った。それを先生も察知したのか抑えにかかろうと動くが、ダブルはそれを止める。
「先生!! まだ勝負は終わっていないのに止めるのですか?」
「この状態で何を言っている!!」
先生はダブルの放った言葉にすぐさま反論する。そんな中、様子のおかしい貴族を見ていた周りの生徒が、先生に向かって叫ぶ、
「先生っ!!」
ハッ、となり貴族の方を見ると、ダブルとやりとりしていた間に貴族は特大の岩の塊を作っていたのだ。魔力が暴走しているため、その岩の塊はどんどん巨大化していき、それを見ていた生徒と先生はその光景に気圧され動けなくなっていた。
女生徒の1人が泣きながら先生に助けを求めるがダブルはだけは知っていた、この担任の先生にそんな力がないことを、だからこそこの状況を作るために少しの時間先生が介入できないように足止したのだった。
そうダブルは、貴族が平民の自分やテッツさんにちょっかい出させないようにするには圧倒的な力を見せつけ、こいつには逆らっちゃいけないと認識させる必要があると考えていたからだ。
その時、テッツが闘技場に上がって来ようとする姿が目に入る、
「テッツさんこの程度で取り乱すなんてみっともないですよ」
「だけどあれは流石にダブルでも……」
他の生徒からは頭おかしい人を見る目でこちらを見てきていた。その視線の中には、この状況でさらに貴族の男を挑発するようなことを言っているダブルに対する怒りのものも含まれていた。
「さあ、貴族さん。決着です」
「舐めた口をきくな——!!!!」
巨大化が止まり、その岩がダブルに向かって飛んでいく。
「テッツさんよく見て感じてください!! これが本物の魔法です!!」
テッツか は感じていた。無駄のない魔力、それに綺麗に混ざっていく属性力の感じを……そして静寂に包まれた中ダブルの声が響いた。
「〈大地の十字跡〉——」
岩の塊を挟むように出現した大地の刃がクロスするように一閃した。岩の塊は一瞬で砂へと変わり、その光景を見ていた全員が唖然としていたのだ。
それもそのはず、先生でも対応できなかった攻撃を一瞬で砂へと返してしまったのだからだ。それはまさしく夢でも見ているかの光景であったのだろう。
そして貴族はというと、いつの間にか移動していたダブルに意識を狩られて床に倒れていた。どんな人から見ても圧倒的な勝利であった。
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