異世界ライフ 〜異世界の自分を自分で救ってみました〜
トーラス学園①
2018/09/22 誤字修正しました
「すごい人の数ね、確か今日って一般入学の試験日だったわね」
わざわざ同じ日にしなくてもいいじゃない、と思ってしまうがそれもそのはずだった。入試にしては明らかに多過ぎる人数だったからだ。
「エスティ様! こっちです!!」
ぴょんぴょん跳ねながら叫んでいる子がいた。
「まったくあの子は……」
やれやれとした態度でススゥの元へ向かった。
「書類提出はあそこでするそうです」
ススゥが指を指している方を見ると、その先をフードを深く被った人物が横切った。
エスティは一瞬時が止まったように感じた……
「——待って!!」
だがその人物はそのまま入試会場へと入っていった。エスティは追いかけて中へ入ろうとすると、当然ながらその場にいた講師に止められる。
「君っ!! ここは一般の入試会場だよ! 受験者しか入れないよ!」
「放してください!」
「いいんじゃないかい入れてあげても」
そう言って近づいてきた人物は、漆黒の髪と瞳、高い身長、整った顔、それに程よくついた筋肉、完璧な見た目の人物だった。
その人物の後にはススゥとアティがいた。
「だってその子、特待生ですから、見るだけならば問題ないと思いますよ」
「あ、あなた様は!!」
講師は思わず跪いてしまう。するとその人物は急に態度が変わった。
「今すぐやめたまえ、この学園内では跪くなと何度言ったらわかる……」
講師はやってしまったという顔をしながら大量の汗をかいている。
殺気を向けられていないエスティも冷や汗き、防衛本能から剣のつかに手をかけていた。
(——この人、只者じゃない)
「あの、貴方は……?」
「これは失礼しました。私は『トーラス・マール・ミャル』と申します。この学園では副会長をしていますよ」
(トーラス? まだこの大陸の新しいゾディアックは発表されていないはず。そうなると、王族?)
「その通りだよ。エスティ・ノワールさん」
「私の名前を!? どうして!?」
「君は自分が思っている以上に有名なのさ。世界に2人しかいない雷使いだしね。それじゃ一緒に試験見にいこうか」
だがエスティは固まったまま動かなかった。
「ん? 見に行かないのかい?」
「い、行きます!!」
「侍女のお二人もどうぞ」
4人で試験会場の中へと入っていった。
観客席には在校生だろうか、私達以外にちらほら試験を見に来ている者がいた。
「適当に座ろうか」
エスティはフードを被った人物を探すが人が多過ぎて見つけることができない。
「探している人はみつかったかい?」
「いえ、ここからじゃちょっと……」
「まぁ、貴方が探すほどの人であれば、この試験中にすぐ見つかると思いますよ」
するといつ現れたのか闘技場の上には女の子が立っていた。
「初めまして、皆さん。私は『ユリア・アーレス』この学園の生徒会長をやらせていただいています。」
「おっ、これは珍しい。ユリアさん今日は張り切ってますね」
「そうなんですか? 普通に喋ってる風にしか見えませんが」
「あれでも、結構感情出してる方なんですよ、ハハッ……」
会長はそんなこと気にもせずに説明を始めた。
「なるほど、100人ずつのバトルロワイアルですか。確かにこの内容なら私の探している人でしたら、絶対に勝ちますね」
「ほぉ……それは是非とも見て見たいですね。この入試にいることを願いましょうか」
こうして一般の入学試験が始まった。
試験が開始してから2時間がたったがまだ5組目だ。
「エスティさんが探している様な人はいないですね。一般の入試だけあってちょっと物足りなさを感じてしまいます」
だがエスティにはその声は聞こえておらず、試合中も終始フードを被った人物を探していた。
(確かにいた。あれは間違いなく……どこにいるの……)
ススゥはそんなエスティを不思議そうに見ていた。
(そんな顔でこっちを見ないでちょうだい、なんだか居た堪れないわ……)
エスティはダブルさんの様な人物を見かけたことをススゥに言えないでいた。下手に期待をさせて違った場合、また傷つけてしまうかもしれないと思ったからだ。
「エスティ様、一緒に探しましょうか? どの様な人でしょうか?」
「それはですね、フーっ!!」
どんな人物か説明しようとしたミャルさんの口を、エスティは咄嗟に塞いでいた。
「あははー、大丈夫よススゥ、いたら間違いなく勝つから。最後まで見てましょ」
「んーっ! んーっ!」
「ミャル様、このことはススゥにだけは言わないでください」
ミャルが頷いたのを確認して塞いでいた手をどけた。
「無礼を行いました。罰はいかほどにでも受けます」
「ハハハッ。エスティ! 君、本当にいいよ! 王族の僕に対して遠慮してこないところが」
  ススゥは驚愕する。
「えっ!? この人が王族!? 見えない!!」
「君たちは本当にいいね、僕の友人になってくれないか? もちろん今のまま接してくれると嬉しい」
そしてそれに対しススゥは、無い胸を張りながら恐れ知らずの言葉を投げた。
「私の王はススゥ様ですから。まぁそれを踏まえた上で友達になりたいってのならなってあげるわ」
エスティは横で青ざめるが、ミャルは正反対で声をあげながら笑っていた。
「あぁ、それで構わないさ。よろしく頼むよ」
そんなこんなで気付くと、5組目も決着したようだった。
「残り2組か…………」
だが、6組目にして目を引いた人物がいた。
その人物は闘技場に上がるといきなり叫ぶ、
「私の名は『ターボ・ベトワル』!! 推薦で私を取らなかったことを学園に後悔させるために来た!!」
「もしかして、彼がそう……?」
エスティは全否定した。
「違います。あんなに弱くはないです」
この中じゃ1番強いと思ったが、ミャルは何も言わなかった。
「勝者! ターボ・ベトワル!」
6組目の試験も終わった。
第7組闘技場へ!!  
「これで最後の組みの様だね。探している人はどうやらきてなかったみたいですね……」
闘技場にいる人物の中を探すがフードを被った人物は見つからなかった。エスティは極端に落ち込み下を向く。
「ここにいる筈がないですよね…………」
エスティは込み上がってくる涙をグッと堪える
その時、会場が騒がしくなってきた。
「おい、なんだあの汚い格好!」
「場違いにも程があるだろ!」
「フードに仮面って、怪しすぎんだろ……」
「えっ!?」
エスティは一瞬自分の耳を疑った。
「エスティさん!! あの彼が探している人物じゃないですか?」
顔を上げると確かに闘技場の上にフードを被った人物がいた。
エスティ、ススゥ、アティは立ち上がり闘技場にいるフードを被った人物を見ながら固まっていた。
7組目始め——!!
「すごい人の数ね、確か今日って一般入学の試験日だったわね」
わざわざ同じ日にしなくてもいいじゃない、と思ってしまうがそれもそのはずだった。入試にしては明らかに多過ぎる人数だったからだ。
「エスティ様! こっちです!!」
ぴょんぴょん跳ねながら叫んでいる子がいた。
「まったくあの子は……」
やれやれとした態度でススゥの元へ向かった。
「書類提出はあそこでするそうです」
ススゥが指を指している方を見ると、その先をフードを深く被った人物が横切った。
エスティは一瞬時が止まったように感じた……
「——待って!!」
だがその人物はそのまま入試会場へと入っていった。エスティは追いかけて中へ入ろうとすると、当然ながらその場にいた講師に止められる。
「君っ!! ここは一般の入試会場だよ! 受験者しか入れないよ!」
「放してください!」
「いいんじゃないかい入れてあげても」
そう言って近づいてきた人物は、漆黒の髪と瞳、高い身長、整った顔、それに程よくついた筋肉、完璧な見た目の人物だった。
その人物の後にはススゥとアティがいた。
「だってその子、特待生ですから、見るだけならば問題ないと思いますよ」
「あ、あなた様は!!」
講師は思わず跪いてしまう。するとその人物は急に態度が変わった。
「今すぐやめたまえ、この学園内では跪くなと何度言ったらわかる……」
講師はやってしまったという顔をしながら大量の汗をかいている。
殺気を向けられていないエスティも冷や汗き、防衛本能から剣のつかに手をかけていた。
(——この人、只者じゃない)
「あの、貴方は……?」
「これは失礼しました。私は『トーラス・マール・ミャル』と申します。この学園では副会長をしていますよ」
(トーラス? まだこの大陸の新しいゾディアックは発表されていないはず。そうなると、王族?)
「その通りだよ。エスティ・ノワールさん」
「私の名前を!? どうして!?」
「君は自分が思っている以上に有名なのさ。世界に2人しかいない雷使いだしね。それじゃ一緒に試験見にいこうか」
だがエスティは固まったまま動かなかった。
「ん? 見に行かないのかい?」
「い、行きます!!」
「侍女のお二人もどうぞ」
4人で試験会場の中へと入っていった。
観客席には在校生だろうか、私達以外にちらほら試験を見に来ている者がいた。
「適当に座ろうか」
エスティはフードを被った人物を探すが人が多過ぎて見つけることができない。
「探している人はみつかったかい?」
「いえ、ここからじゃちょっと……」
「まぁ、貴方が探すほどの人であれば、この試験中にすぐ見つかると思いますよ」
するといつ現れたのか闘技場の上には女の子が立っていた。
「初めまして、皆さん。私は『ユリア・アーレス』この学園の生徒会長をやらせていただいています。」
「おっ、これは珍しい。ユリアさん今日は張り切ってますね」
「そうなんですか? 普通に喋ってる風にしか見えませんが」
「あれでも、結構感情出してる方なんですよ、ハハッ……」
会長はそんなこと気にもせずに説明を始めた。
「なるほど、100人ずつのバトルロワイアルですか。確かにこの内容なら私の探している人でしたら、絶対に勝ちますね」
「ほぉ……それは是非とも見て見たいですね。この入試にいることを願いましょうか」
こうして一般の入学試験が始まった。
試験が開始してから2時間がたったがまだ5組目だ。
「エスティさんが探している様な人はいないですね。一般の入試だけあってちょっと物足りなさを感じてしまいます」
だがエスティにはその声は聞こえておらず、試合中も終始フードを被った人物を探していた。
(確かにいた。あれは間違いなく……どこにいるの……)
ススゥはそんなエスティを不思議そうに見ていた。
(そんな顔でこっちを見ないでちょうだい、なんだか居た堪れないわ……)
エスティはダブルさんの様な人物を見かけたことをススゥに言えないでいた。下手に期待をさせて違った場合、また傷つけてしまうかもしれないと思ったからだ。
「エスティ様、一緒に探しましょうか? どの様な人でしょうか?」
「それはですね、フーっ!!」
どんな人物か説明しようとしたミャルさんの口を、エスティは咄嗟に塞いでいた。
「あははー、大丈夫よススゥ、いたら間違いなく勝つから。最後まで見てましょ」
「んーっ! んーっ!」
「ミャル様、このことはススゥにだけは言わないでください」
ミャルが頷いたのを確認して塞いでいた手をどけた。
「無礼を行いました。罰はいかほどにでも受けます」
「ハハハッ。エスティ! 君、本当にいいよ! 王族の僕に対して遠慮してこないところが」
  ススゥは驚愕する。
「えっ!? この人が王族!? 見えない!!」
「君たちは本当にいいね、僕の友人になってくれないか? もちろん今のまま接してくれると嬉しい」
そしてそれに対しススゥは、無い胸を張りながら恐れ知らずの言葉を投げた。
「私の王はススゥ様ですから。まぁそれを踏まえた上で友達になりたいってのならなってあげるわ」
エスティは横で青ざめるが、ミャルは正反対で声をあげながら笑っていた。
「あぁ、それで構わないさ。よろしく頼むよ」
そんなこんなで気付くと、5組目も決着したようだった。
「残り2組か…………」
だが、6組目にして目を引いた人物がいた。
その人物は闘技場に上がるといきなり叫ぶ、
「私の名は『ターボ・ベトワル』!! 推薦で私を取らなかったことを学園に後悔させるために来た!!」
「もしかして、彼がそう……?」
エスティは全否定した。
「違います。あんなに弱くはないです」
この中じゃ1番強いと思ったが、ミャルは何も言わなかった。
「勝者! ターボ・ベトワル!」
6組目の試験も終わった。
第7組闘技場へ!!  
「これで最後の組みの様だね。探している人はどうやらきてなかったみたいですね……」
闘技場にいる人物の中を探すがフードを被った人物は見つからなかった。エスティは極端に落ち込み下を向く。
「ここにいる筈がないですよね…………」
エスティは込み上がってくる涙をグッと堪える
その時、会場が騒がしくなってきた。
「おい、なんだあの汚い格好!」
「場違いにも程があるだろ!」
「フードに仮面って、怪しすぎんだろ……」
「えっ!?」
エスティは一瞬自分の耳を疑った。
「エスティさん!! あの彼が探している人物じゃないですか?」
顔を上げると確かに闘技場の上にフードを被った人物がいた。
エスティ、ススゥ、アティは立ち上がり闘技場にいるフードを被った人物を見ながら固まっていた。
7組目始め——!!
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