異世界ライフ 〜異世界の自分を自分で救ってみました〜

スーナ

〜ススゥside〜

ミズキの知らない夜のお話です。


  なんであんなこと言っちゃうのよ私は!  せっかく話せるチャンスだったのに……いいえ!  過ぎた事を悔やんでも仕方ないわね!

  仮面とフードだったかしら、フードに関しては私が前に使っていたものでいいわね。問題は仮面の方かしら……お店はやってなさそうですし、作るしかないわね。

  ススゥは外に出る。
  どんな感じの物を作るか考えていると、そこへエスティがやってきた。

「ススゥ?  こんな時間になにをしているの?」
「少し、夜風にあたりにきました。 エスティ様こそこんな所へ、どうされたんですか?」
「ススゥの姿が見えたから、声を掛けただけよ。なにか考え事があるのかしら?」

(ミズキの事が気になるなんて、死んでも言えないわ)

「その……友人にプレゼントをあげようと思っているのですが、どういったものが好みか、全くわからないのです」
「そうね……ススゥらしい物をあげたらいいんじゃないのかしら。それに好きな人からのプレゼントだったら、それだけで嬉しいわよ」
「ありがとうございます。私らしい物をプレゼントしてみます。」

  ススゥは頭を下げる。

「ところでススゥ……」
  はいっ!  と頭をあげるとエスティが質問してくる。

「そのお相手って……女性?  それとも男性?」
「その……」
「男性なのね。私はまだススゥの男性友達に会った事ないのよね、今度紹介してちょうだいね」

  エスティの顔は笑っているはいるが、笑っている風には見えなかった。

「えっと、その……はい……」
「ふふっ、楽しみにしてるわね」

  エスティは屋敷に戻っていった。

  時間もないし作りましょ、エスティは魔法を発動する。
  「--オペラントマテリアル」

  土がうねうねと動き、仮面の形へと象っていく。
  こんなものかしら。ススゥは出来上がった仮面を手に取る。

  喜んでくれるかな……

  つぶやいた言葉は虚空へと消えていった。

コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品