異世界ライフ 〜異世界の自分を自分で救ってみました〜
出会い②
2017/11/6 修正しました
「んんっ…………ああ…………あのまま寝ちゃったんだっけ」
  意識を手放してから1日が経ち目を覚ました。自分の部屋ではなく、お爺さんに飛ばされた時と同じ部屋にいることから、現在も異世界にいることがわかる。
「やっぱり夢じゃないか…………、とりあえずこの世界の情報を収集しなきゃだね」
  ミズキは、死が近いこの世界で生きていくには情報を得る必要があると考えていた。 特に魔法だ。昨日、自分の目で見た通り、魔法が使えれば少女が大人にも簡単に勝つことができる代物だとわかったからだ。つまり、自分の身を守るためにもなるべく早く調べる必要があった。
そしてミズキは、早速行動に移そうと立ち上がると、扉が開く音が聞こえたのだ。
(なんか今、扉が開く音が聞こえたような……気のせいか?)
  そんな考えとは裏腹に、また何か聞こえてきたのだ。次はハッキリと聞こえる。だがそれは、扉の開く音ではなく女性の声だった。その声と足音は、なんの迷いもなくこの部屋に向かって来ていたのだ。
(ここの住人か?  でもこの声聞いたことあるような………)
  とりあえず何て言い訳をするか考える。ミズキは転移するなら、辺り一面が草原という勝手な想像していて、まさか誰かの家に転移するなど微塵も思ってなかったのだ。
「ダメだ〜何も思いつかない……面倒な人だったら逃げるぞ! 絶対逃げるぞ!」
  魔法という万能な力がある世界で、逃げきれるなど正直思ってなかったが、ミズキにはそれしか選択肢がなかった。
  そして、今まで聞こえていた声がミズキのいる部屋のドアの前で聞こえる。
「ここかしら昨日の部屋は…………」
「幽霊だったらどうしましょう」
「そんなのいるわけないでしょ!  アティは相変わらず弱虫ね!  私が開けるのでエスティ様は下がっててください」
  ………………。
(入ってこないのか!?  あーもういっそのことこっちから開けてやる)
ミズキはドアノブに手をかけた。
「せーので開けるわよ」
ドアの向こうの彼女もドアノブに手をかけた。
「せー!」
ガチャッ!!!!
「えっ!!!!」
 急に開くドアの勢いでドアノブに手をかけていた彼女がこちらに倒れ込んできた。そしてミズキは彼女を受け止めることができずに一緒に倒れてしまった。
「イテテテッ。----ん?  なんだこの感触は…………柔らかい」
  ふにふに、ふにふに。
  ふにふに、ふにふに。
柔らかくとても心地よい感触の正体を確認するため手元を見ると、そこには慎ましくもちょうどいいサイズの胸があった。
「--------っひ!!!!!!!!」
「や、やあ…………大丈夫かい?」
  ミズキは引きつった笑顔で言う。
「きゃああああ!!!!!!」
  バチィィン!!
  悲鳴の直後、平手打ちの音が部屋いっぱいに響いた。
「い、痛いじゃないですかっ!!   いきなり平手打ちとかどうかしてるよ!  事故じゃないか!!」
「そ、それでも触ったじゃない!! わ、わたしの胸を!!!! 」
「なかなか入って来ないから、こっちから開けてあげたのに!」
「別に頼んでないわ!」
  彼女は顔を真っ赤にさせ、涙目になりながら頬を膨らませていた。
「ススゥさん、大丈夫ですか!?」
「大丈夫なわけないでしょ!!  もうお嫁にいけないわ!!」
  ミズキは自分の上で騒いでいる彼女をよく見ると、昨日男たちに引っ張られていた女の子だということに気付く。
(この見ていると吸い込まれそうな紺碧の髪はもしかして、昨日の子か!!  かわいい……。っとそれより後ろの子は初めて見る子だ、誰なんだろう?)
  後から部屋に入ってきた紅色の長い髪をしている少し垂れ目で大人しそうな印象の女の子だった。             
  そして、その子はミズキと目が合うと、固まってしまった。
「えっ…………エスティ様!?」
「なにを言っているのアティ?」
    どうやら今僕に馬乗りしている女の子は『ススゥ』という名前で、この紅色の髪の女の子は『アティ』というらしい。
  そしてそのアティが言っていることがわからず、ミズキは頭の上にクエスチョンマークを作っていた。
「アティさん?  でいいのかな、エスティ様って誰なんだい?」
  ミズキが言った言葉に反応してススゥはこちらを向きながら言ってくる、
「あんたこの町に住みながらっ…………!!」
  ススゥはミズキを視界に入れた瞬間、目を見開いて驚く。
  だが、ススゥの表情は直ぐに戻り声のトーンを変えて言ってきた、
「エスティ様がここにいるはずながい!  お前は誰だ!!」
(本当のこと言っても…………大丈夫な訳ないか)
彼女からは明らかな敵意を感じ、ミズキはどうするかを迷うことなく決める。
  ----よし、逃げよう。
だがそれよりも早く、ススゥが行動に移していた。
「アティ!  拘束して!」
「は、はい!  <石の錠>」
突如出現した土の枷で床に拘束されてしまう。ミズキは力尽くで外そうと暴れるがビクともしない。
「これも魔法か!?  くそっ!  離せー!」
「無駄よ!  あなた如きじゃアティの魔法を破ることはできないわ。大人しく全てを話しなさい」
  
「わかった! 言うから! 僕はミズキだ!」
  ………………。
「それだけ?」
「それだけだよ!  名前以外なにも覚えていないんだ!」
もちろん、嘘である。異世界から来たなど言える訳がない。例え言ったとしても頭のおかしな奴と見られるだけで、信じてもらえないからだ。少しの間疑いの目を向けられるが、なんとか嘘が通ったのか拘束魔法を解除してくれる。
「アティ、魔法を解除してあげて」
「は、はい!」
(2人ともすごく可愛いけど乱暴な女の子のはゴメンだ………)
だが、言葉とは裏腹に、ミズキはススゥを見ると先ほどの胸の感触が蘇ってくる。
(胸……やわらかかったな…………。ダメだダメだ!  今は色々聞けるチャンスなんだ)
拘束されてた箇所をさすりながら質問する。
「ここはどこで、君たちは何者なんだ?」
「はぁ…………本当に記憶喪失みたいね。アティ説明してあげて」
「全部アティさん任せなんですね…………」
「なんか文句あるの!?」
「ありません……」
さっきビンタされた箇所をさすりながら、ミズキは嫌味っぽく言ったが、ススゥに睨み返されその後は何も言えなかった。
(ぐぬぬっ、いつか絶対ギャフンと言わせてやる)
「私はアティと申します。アティとお呼びください。そしてこちらはススゥさんです」
「私の事も呼び捨てでいいわ!」
「アティとススゥね、よろしくね」
アティはそのまま説明を続ける。
「ここはトーラス大陸の辺境の地にある、ラバーズの町です。私たちはこの町の領主様の娘であるエスティ様の侍女をさせて頂いております」
(今はトーラス大陸のラバーズの町ってところにいるのか、この調子で情報が手に入れば今後の行動が決めれるな)
「なるほど、2人ともさっき言ってたエスティ様って人の侍女だったんですね。アティありがとうございます」
ニカッと笑いながら、説明をしてくれたお礼を言うと、アティは顔を真っ赤にして下を向いてしまった。
「ちょっとアティ!  なに顔を赤くしてるのよ!  こいつは似てるけど、エスティ様じゃないのよ!」
「わ、わかってます…………」
普段エスティがしないような表情で、ほぼ同一人物と言える容姿の持ち主からお礼をされたら、当然の反応である。
  そして2人と会話していてミズキは確信した。先程から出てきているエスティ様って名前の人がもう1人の自分なのだと。
  そういえばと、ススゥは真剣な表情になる。
「ねぇ、あなた、昨日もここにいたわよね?」
「うん、いたよ。 それがどうかしたのかな?  あと名乗ったんだから名前で呼んでくれると嬉しいのだけど」
「わかったわ。それじゃあミズキ。昨日ここで魔法使ったわよね?  なんの魔法を使ったの?」
(昨日使った魔法か、イメージしたらたまたま使うことができだけだしなぁ。それに僕って魔法のことなにも知らないし、なんて答えるかな)
「魔法の名前とかわからないけど、昨日ススゥを助けようともう1人が使った魔法かな」
「それって……雷槍のこと」
「さっきも言ったけど、名前は知らない。けど、雷の槍みたいなのだよ」
それを聞いていたアティが突然口を開いたのだ。
「それはありえません!  全大陸で雷属性の魔法を使えるのは、エスティ様とゾォディアックのリオ・ライアン様だけです!」
(ゾォディアック?  リオ・ライアン?  なにを言っているのかわからない……)
「アティ落ち着いて。そろそろ戻りましょう。色々話を聞けてよかったわ。………あとそのエスティ様に似せた外見で問題を起こしたら私があなたを殺すから」
ススゥはそう言い残しボロ屋敷を出て行った。まるで台風が通り過ぎたみたいだった。
「まだ情報が少なすぎるから、とりあえず外に出てみるようかな」
ミズキは初めて外に出ることを決める。
「んんっ…………ああ…………あのまま寝ちゃったんだっけ」
  意識を手放してから1日が経ち目を覚ました。自分の部屋ではなく、お爺さんに飛ばされた時と同じ部屋にいることから、現在も異世界にいることがわかる。
「やっぱり夢じゃないか…………、とりあえずこの世界の情報を収集しなきゃだね」
  ミズキは、死が近いこの世界で生きていくには情報を得る必要があると考えていた。 特に魔法だ。昨日、自分の目で見た通り、魔法が使えれば少女が大人にも簡単に勝つことができる代物だとわかったからだ。つまり、自分の身を守るためにもなるべく早く調べる必要があった。
そしてミズキは、早速行動に移そうと立ち上がると、扉が開く音が聞こえたのだ。
(なんか今、扉が開く音が聞こえたような……気のせいか?)
  そんな考えとは裏腹に、また何か聞こえてきたのだ。次はハッキリと聞こえる。だがそれは、扉の開く音ではなく女性の声だった。その声と足音は、なんの迷いもなくこの部屋に向かって来ていたのだ。
(ここの住人か?  でもこの声聞いたことあるような………)
  とりあえず何て言い訳をするか考える。ミズキは転移するなら、辺り一面が草原という勝手な想像していて、まさか誰かの家に転移するなど微塵も思ってなかったのだ。
「ダメだ〜何も思いつかない……面倒な人だったら逃げるぞ! 絶対逃げるぞ!」
  魔法という万能な力がある世界で、逃げきれるなど正直思ってなかったが、ミズキにはそれしか選択肢がなかった。
  そして、今まで聞こえていた声がミズキのいる部屋のドアの前で聞こえる。
「ここかしら昨日の部屋は…………」
「幽霊だったらどうしましょう」
「そんなのいるわけないでしょ!  アティは相変わらず弱虫ね!  私が開けるのでエスティ様は下がっててください」
  ………………。
(入ってこないのか!?  あーもういっそのことこっちから開けてやる)
ミズキはドアノブに手をかけた。
「せーので開けるわよ」
ドアの向こうの彼女もドアノブに手をかけた。
「せー!」
ガチャッ!!!!
「えっ!!!!」
 急に開くドアの勢いでドアノブに手をかけていた彼女がこちらに倒れ込んできた。そしてミズキは彼女を受け止めることができずに一緒に倒れてしまった。
「イテテテッ。----ん?  なんだこの感触は…………柔らかい」
  ふにふに、ふにふに。
  ふにふに、ふにふに。
柔らかくとても心地よい感触の正体を確認するため手元を見ると、そこには慎ましくもちょうどいいサイズの胸があった。
「--------っひ!!!!!!!!」
「や、やあ…………大丈夫かい?」
  ミズキは引きつった笑顔で言う。
「きゃああああ!!!!!!」
  バチィィン!!
  悲鳴の直後、平手打ちの音が部屋いっぱいに響いた。
「い、痛いじゃないですかっ!!   いきなり平手打ちとかどうかしてるよ!  事故じゃないか!!」
「そ、それでも触ったじゃない!! わ、わたしの胸を!!!! 」
「なかなか入って来ないから、こっちから開けてあげたのに!」
「別に頼んでないわ!」
  彼女は顔を真っ赤にさせ、涙目になりながら頬を膨らませていた。
「ススゥさん、大丈夫ですか!?」
「大丈夫なわけないでしょ!!  もうお嫁にいけないわ!!」
  ミズキは自分の上で騒いでいる彼女をよく見ると、昨日男たちに引っ張られていた女の子だということに気付く。
(この見ていると吸い込まれそうな紺碧の髪はもしかして、昨日の子か!!  かわいい……。っとそれより後ろの子は初めて見る子だ、誰なんだろう?)
  後から部屋に入ってきた紅色の長い髪をしている少し垂れ目で大人しそうな印象の女の子だった。             
  そして、その子はミズキと目が合うと、固まってしまった。
「えっ…………エスティ様!?」
「なにを言っているのアティ?」
    どうやら今僕に馬乗りしている女の子は『ススゥ』という名前で、この紅色の髪の女の子は『アティ』というらしい。
  そしてそのアティが言っていることがわからず、ミズキは頭の上にクエスチョンマークを作っていた。
「アティさん?  でいいのかな、エスティ様って誰なんだい?」
  ミズキが言った言葉に反応してススゥはこちらを向きながら言ってくる、
「あんたこの町に住みながらっ…………!!」
  ススゥはミズキを視界に入れた瞬間、目を見開いて驚く。
  だが、ススゥの表情は直ぐに戻り声のトーンを変えて言ってきた、
「エスティ様がここにいるはずながい!  お前は誰だ!!」
(本当のこと言っても…………大丈夫な訳ないか)
彼女からは明らかな敵意を感じ、ミズキはどうするかを迷うことなく決める。
  ----よし、逃げよう。
だがそれよりも早く、ススゥが行動に移していた。
「アティ!  拘束して!」
「は、はい!  <石の錠>」
突如出現した土の枷で床に拘束されてしまう。ミズキは力尽くで外そうと暴れるがビクともしない。
「これも魔法か!?  くそっ!  離せー!」
「無駄よ!  あなた如きじゃアティの魔法を破ることはできないわ。大人しく全てを話しなさい」
  
「わかった! 言うから! 僕はミズキだ!」
  ………………。
「それだけ?」
「それだけだよ!  名前以外なにも覚えていないんだ!」
もちろん、嘘である。異世界から来たなど言える訳がない。例え言ったとしても頭のおかしな奴と見られるだけで、信じてもらえないからだ。少しの間疑いの目を向けられるが、なんとか嘘が通ったのか拘束魔法を解除してくれる。
「アティ、魔法を解除してあげて」
「は、はい!」
(2人ともすごく可愛いけど乱暴な女の子のはゴメンだ………)
だが、言葉とは裏腹に、ミズキはススゥを見ると先ほどの胸の感触が蘇ってくる。
(胸……やわらかかったな…………。ダメだダメだ!  今は色々聞けるチャンスなんだ)
拘束されてた箇所をさすりながら質問する。
「ここはどこで、君たちは何者なんだ?」
「はぁ…………本当に記憶喪失みたいね。アティ説明してあげて」
「全部アティさん任せなんですね…………」
「なんか文句あるの!?」
「ありません……」
さっきビンタされた箇所をさすりながら、ミズキは嫌味っぽく言ったが、ススゥに睨み返されその後は何も言えなかった。
(ぐぬぬっ、いつか絶対ギャフンと言わせてやる)
「私はアティと申します。アティとお呼びください。そしてこちらはススゥさんです」
「私の事も呼び捨てでいいわ!」
「アティとススゥね、よろしくね」
アティはそのまま説明を続ける。
「ここはトーラス大陸の辺境の地にある、ラバーズの町です。私たちはこの町の領主様の娘であるエスティ様の侍女をさせて頂いております」
(今はトーラス大陸のラバーズの町ってところにいるのか、この調子で情報が手に入れば今後の行動が決めれるな)
「なるほど、2人ともさっき言ってたエスティ様って人の侍女だったんですね。アティありがとうございます」
ニカッと笑いながら、説明をしてくれたお礼を言うと、アティは顔を真っ赤にして下を向いてしまった。
「ちょっとアティ!  なに顔を赤くしてるのよ!  こいつは似てるけど、エスティ様じゃないのよ!」
「わ、わかってます…………」
普段エスティがしないような表情で、ほぼ同一人物と言える容姿の持ち主からお礼をされたら、当然の反応である。
  そして2人と会話していてミズキは確信した。先程から出てきているエスティ様って名前の人がもう1人の自分なのだと。
  そういえばと、ススゥは真剣な表情になる。
「ねぇ、あなた、昨日もここにいたわよね?」
「うん、いたよ。 それがどうかしたのかな?  あと名乗ったんだから名前で呼んでくれると嬉しいのだけど」
「わかったわ。それじゃあミズキ。昨日ここで魔法使ったわよね?  なんの魔法を使ったの?」
(昨日使った魔法か、イメージしたらたまたま使うことができだけだしなぁ。それに僕って魔法のことなにも知らないし、なんて答えるかな)
「魔法の名前とかわからないけど、昨日ススゥを助けようともう1人が使った魔法かな」
「それって……雷槍のこと」
「さっきも言ったけど、名前は知らない。けど、雷の槍みたいなのだよ」
それを聞いていたアティが突然口を開いたのだ。
「それはありえません!  全大陸で雷属性の魔法を使えるのは、エスティ様とゾォディアックのリオ・ライアン様だけです!」
(ゾォディアック?  リオ・ライアン?  なにを言っているのかわからない……)
「アティ落ち着いて。そろそろ戻りましょう。色々話を聞けてよかったわ。………あとそのエスティ様に似せた外見で問題を起こしたら私があなたを殺すから」
ススゥはそう言い残しボロ屋敷を出て行った。まるで台風が通り過ぎたみたいだった。
「まだ情報が少なすぎるから、とりあえず外に出てみるようかな」
ミズキは初めて外に出ることを決める。
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