異世界ライフ 〜異世界の自分を自分で救ってみました〜

スーナ

プロローグ

 早く寝たい。
 
 重い足取りで家へと帰宅する。
 
 家に着いた僕は、そのままベッドにダイブし眠りについた。
 
 そういうわけで、僕は今夢の中にいるみたいだ。そして白い空間にお爺さんと二人っきりでいる。
 
「ねぇお爺さん、僕の夢から出て行ってくれないか?」
「ふぉっふぉっ、手厳しいのう。話くらいいいじゃろ」
「お爺さんと談笑している夢とか笑えないよ」
 
 明日も仕事なのにこんな夢を見てたら疲れが取れないじゃんかと思いながらも、一応お爺さんに要件を聞いた。
 
「とりあえずお爺さんの話ってのを聞かせてよ」
 
 お爺さんは話し始めた。
 
「実はのう。ある異世界のお主とお主の魂が繋がっておってな、その異世界のお主が死んでしまうと、もれなくお主も死んでしまうのじゃ」
「はあ……」
 
 何を言っているんだこのお爺さん、と思いながらも話を聞く。
 
「それでじゃ、異世界の自分を自分で救いに行ってほしいのじゃ」
「そんなことあるわけないじゃん!」
 
 笑いながら否定をすると、お爺さんは映像を映し出した。どうやって映しているかは不明だがその映像には自分そっくりな人物が誰かと戦っていた。
 

「ここに映っているのが異世界のお主じゃ」
「確かに似ているが、それだけじゃな---っ!?」
 
 急に脱力感に襲われたのだ。
 映像の中の自分を見ると意識を失っているのか、先ほどまで戦っていた者に介抱されていた。
 
「ねぇ、お爺さん……これってまさか」
「そのまさかじゃ。直接的なダメージはないじゃが、精神的にダメージは共有されるのじゃ。死んだら精神もないからの、どうなるかはお主でも予想がつくじゃろ」
「それシャレにならなくないか? そもそもなんであいつは剣なんて振り回してるの?」
「あの世界は死が身近に存在する世界だからじゃ。魔物は当然、邪神のような存在もいるかもしれんのう」
 
 ダメだ!  これが夢でないなら近いうちに僕は確実に死んでしまう…………
 
「お爺さん、さっき助けに行けと言ってたけど僕にそんな力はないんだけど……」
「そこは大丈夫じゃ、お主に力を与えてから転移してもらうつもりじゃ」
 
 お爺さんが光の玉を僕に向けて飛ばした。するとその光の玉はオレの身体に吸い込まれていった。
 
「力は授けた、時間もないしこれでお別れじゃ。向こうについたらステータスと頭の中で念じるだけで、能力がわかるからの。----健闘を祈る!」
 
 その言葉を聞いて僕の意識はブラックアウトしていった。

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