いきなり世界救えって言われても

リノル

15.5 私の秘密

これは閑話的なものになりますが本編とも多少関連します


雅人がネオンとの話の最中のことである。
リアは宿についてから、雅人と部屋が分かれている。
「改めてみると、壮大な1日を送りましたね。今日は」
リアは今日1日のことについて振り返っていた。
「はぁ、まさかオークが出てきた時は流石に終わったと思いましたわ。そのせいで彼らは…。」
「…、帰ったら謝らないといけませんね…。」
一体誰に謝ることであろうか?通常冒険者となれば死と隣り合わせなのは必然であって本人達の責任である。なのにリアはどうして謝るのだろうか。自分だけ生き残ってしまったことについて、逝ってしまった彼らへの弔いなのだろうか。はたまた、誰かに謝るのだろうか?
だが、これを知るものはここには・・・・誰もいないのであった。
「それにしても、雅人に出会ったのは幸いですね。こうして、生き残れたのですから」
リアは顔を上げ、その情景を思い出していた。
「…しかし、彼は一体何者でしょうか?スキルのこともそうですが、戦い方や、一般常識が私達とはいささか異なる感じがあるのですが…」
そう、雅人は気づいていないが、元の世界《地球》と、この世界《アルブ》とは、意外と違うところがあるのだ。
「だって、宿の明かりについて知らなかったそうですし…。あの時は驚きましたわ」
そう、《地球》では科学の進歩により生まれた銃などこの《アルブ》には存在せず、逆に魔法文明に発達しているのが《アルブ》なのである。そのため宿の明かりも電気というよりも光魔法の結晶石けっしょうせきによって光源が保たれるのである。
「しかし、そう考えると彼は今まで野宿していたのかしら?そしたらあの実力も確かに頷けるようですけども…」
「まぁいいですわ。雅人とはここで縁を切ったら勿体ないですわね。さて、これからどうしましょうか」
「元々帰るつもりでしたし、所持金も少々心もとないですわね。あとは、お父様にどうやって伝えましょうか…。」
「それに、雅人と一緒にいるといつかボロ・・が出そうで怖いですね」
そんなことを考えながら、リアは夜を過ごした。


今回閑話で、出てきた結晶石けっしょうせきというのは魔法の効果を注入する一種の石です。比較的採掘しやすく見つかりやすいことから、街の明かりとして基本使われています。また、効力は使用する度石が削れていくので石がなくなり次第効力が消えます。またこれを攻撃用に特化させたのが魔剣となりますが、これはおいおい話します。
次回は本編を出します。

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