異世界はチートなカードで乗り切ろう!?

田中 凪

50.自己紹介

クラス発表が終わると教室に案内され恒例の自己紹介が始まった。
「皆さんはじめまして。このクラスの担任のゾルダ・ウェリオットです。担当教科は歴史です」
ハルト達のクラスの担任は長身の明らかに今年入ってきたばかりだろうと誰もが思う若い好青年だったのだが
「みんなが僕を見て何を思っているのかはわかるけど学園で教師をしているのは今年で10年目のベテランだから不安がらないで欲しい」
思っていた以上に歳をとっていた。
「それでは首席から自己紹介をしてもらおう。内容は名前とあとは適当に、趣味とか魔道具とか当たり障りのないやつでいいよー」
「あっはい。ハルト・アルフォードです。趣味は読書です。一応空間魔法使えます。これからよろしくお願いします」
初っ端からとんでもないカミングアウトをされ表情が氷るクラスメイト達。しかし、続くシストリナは気にもせず自己紹介をした。
「シストリナ ・フレアよ。趣味は新しいものを知ることよ。皆さんこれからよろしく」
その後、動揺が収まりそうになかったので先生が休憩をいれた。
「なんて自己紹介をしてるんですの!!!」
「げふぅっ?!」
休憩にはいると同時にリナに飛び蹴りをくらった。ふむ、今日は白か…
「いきなり何をするんですか」
「あんな自己紹介して混乱させてどうするんですの?!」
「インパクトは大事だと何かに書いてあったので」
「度を越したインパクトはもはや爆弾ですわ!」
シストリナのツッコミは至極真っ当なものであり、クラスメイトはおろか担任のゾルダですら頷いていた。(爆弾の意味は分かっていないだろうが)
「善処します」
やらないとは言いませんが。と小さく付け加えたのをシストリナに聞かれ背中を小突かれた。
「やらないようにしてくださいね?」
目が笑ってなくて怖い…
「は、はひ」
その威圧感に耐えきれず、ハルトはコクコクと頷くだけだった。
その後、クラスのみんなの自己紹介が再開したがそこは割愛する。
授業初日はクラスでの決め事があるという訳でもないので、それぞれ雑談をして親交を深めあっている。なお、ハルトとシストリナの周りには誰もいない。クラスメイトからしてみれば、ハルトはいきなり爆弾落としてきたやべーやつ、シストリナはこの国の第三王女ということで近づきにくい、という見解である。妥当といえば妥当ではあるのだが、当人たちはものすごくショックを受けていた。
そして、まだ始まったばかりだから、まだこれからだからぁ!と心の中で叫んだとか叫ばなかったとか。


あけましておめでとうございます。(激遅)今年も本作品をよろしくお願いします。
機を見てクラスメイトの紹介はしていこうと思います。(多分忘れる)
お気に入り登録者様が227人、イイネが371件になりました。ありがとうございます。
これからは月2~3話ペースで頑張りたい…

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