異世界はチートなカードで乗り切ろう!?

田中 凪

30.帝都入場

その日の入場受付がそろそろ終わるという頃、子ども1、女が5の妙な1団がフルベスタ帝国、帝都東門にやって来ていた。
「ふむ、身なりからして貴族の子息と奴隷のようだが…」
「まあ、そんな感じですが、彼女たちはオークの村に連れ去られていたんですよ」
東門の門兵の最高責任者であるウェルトはどうするかの判断に迷っていた。
「うむむむ、この者達をこのまま入れて良いものか…」
「まあ、正当な手続きは行ったわけだし、通さない道理はないんじゃないか?」
「いや、まあ、そうなんだが…」
「何かあったのか?」
「あ、ああ、この子…いや、この方はフレア王国の辺境伯の子息だったんだよ」
「んなっ……!ほ、本当か?」
「ああ、本当だ…すみませんがもう一度見せてもらえますか?」
「ええ、何度でも構いませんよ」
ハルトはそう言ってもう一度王から貰った身分証を見せる。
「こ、これは失礼しました!」
今まで疑っていた門兵は腰を90度に曲げて謝罪してきた。
そして、慌てながら
「本当にどうするんだよ…他国の上級貴族の子息がお忍びで入国とか初めてだぞ…大臣辺りに報告しないとじゃねぇのか?」
と、ブツブツ言っていたがハルトは
「なるべく上の方には報告しないでもらいたいのですが…」
と言ってきた。
「本人がこう言ってるんだよ。とはいえ、上に報告しておかないと万が一、事件に巻き込まれたりでもしたらって考えるとな…」
ハルトは事件に巻き込まれたりでもしたらと聞いてそっと目をそらした。
(やっぱあの時に絶対フラグ立ってたんだよ…もーやだ……)
そして、しばらく考えたところで、 
「そういう事でしたら報告しても構いませんよ。なにか嫌な予感がするので…」
と言っておいた。その後、貴族用の書類に必要事項を記入し、無事に入場した。ちなみに、報告にはウェルトさんが行ったそうだ。重要なことほど、位の高い者が行くそうだ。ご苦労お掛けしてすいませんと心の中で謝っておいた。俺たちは(いろんな意味で)目立つ服装から街の人達が着ているような服に着替えた。(まあ、6歳の子どもと女性5人という時点で目立って入るのだが…)
「とりあえず、宿を取りましょうか。どこかおすすめはありますか?」
ミツキとフェスティリナに聞いてみると
「そうねぇ…」
「ちょっと高いけど、6人がまとめて泊まれる部屋がある宿屋なら知ってるわよ。それに、お風呂も使えるわ。この人数だしそっちの方が安く済むんじゃないかしら?」
「一応、僕は男なんで遠慮しとこうかなと…(またエロフプレス来られたら今度こそ死んじゃいそうだし、ここはどうにか切りn)」
などと考えていると、
「何言ってるのよ、ハルトはまだそんな歳じゃないでしょ。それに、どうせそういう歳でも襲おうとする覚悟はないでしょ?」
ミツキにグッと引き寄せられ、そんなことを言われる。そして、みんなが、うんうんと首を縦に振る。
(一応、心はもうその盛りの年齢なんだよなぁ…)
「そ、それにしても男女が同じ部屋で寝るって言うのは…」
「それは〜、昨日の時点で言わないと意味無いと思うんですけど〜」
どうにか口実を見出したと思ったハルトであったがソニアの口撃の前にあえなく敗退してしまうのであった。
「みんな酷い?!」
という訳で、ハルトは結局、6人が泊まれる宿に行くことになった。
『春風の宿』
と、書かれた看板の宿屋へ来た。受付の人は茶髪のツルペタお姉さんだった。
「6人部屋は1泊銀貨6枚です。夕食、朝食ありで銀貨9枚となっていますが、どうなさいますか?」
「そうね、夕食、朝食ありで1泊…いえ、2泊お願いしていいかしら?」
「わかりました、では銀貨18枚になります……金貨1枚ですので、銀貨2枚のお釣りとなります。夕食は7時以降からで、9時までとなっています。では、ごゆっくりどうぞ」
受付をしたのはもちろんフェスティリナである。俺がやるのも変だしね。夕食の時間になる前に明日の予定を決め、風呂に入り、夕食を食べて少ししたら寝た。なんか嫌な予感するんだよなぁ…
と、思いつつも俺もさっさと寝ることにした。今日は朝から(精神的に)疲れたしな…


日曜日初めて横須賀行きました!とても楽しかったです。(激レア状態横須賀港でしたw)
あ、お気に入り登録者様が131人になりました。ありがとうございます。これからも頑張って行きます。
(`・ω・´)ふんすっ!
それと、Apple Storeにノベルバが復活したので27話のあとがきで言ったことは忘れてください。ご迷惑おかけしました。
((*_ _)
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