ここが知らない場所だったから

うーん。

数分くらいたったのだろうか。

すっかり寝すぎてしまった。きっと予鈴ももうなっている。

あぁ俺としたことが、お昼休みの屋上で昼寝なんて気持ちよすぎてもう一回二度寝するしかないじゃないか。

なんてくだらないことを思いながら一度開けた目をもう一度ゆっくり閉じた。

ん？んん？

俺は眉をしかめた。

何かが違う。

寝る前に見た空は今寝ぼけて見た空と同じ。体に感じるそよ風も同じように心地いい。

だが背中に感じる地面違う。寝る前は太陽の光を浴びて屋上のコンクリートは温かかったはずだ。なのに今はなぜかその温かさ感じられず逆に冷たいのだ。

そしてどうやら土っぽいのだ。いや草だ。目をつぶっていてもわかる。

俺はゆっくり目を開き体をおこした。

そこに広がっていた光景は遠くの方に朱色の中国系のお城とその周りに質素な街があり、そのほかは何もないのにただの山々とどこまでも続きそうな青い空だった。

どうやら俺は崖のギリギリ落ちそうで落ちないところでねてたらしい。

崖の下を見てみると高さ30メートルくらいあり身ぶるいしてしまった。

俺は目をつぶってみた。

少し状況が頭の中で整理されるかもと思った。

しかし考えれば考えるだけ訳が分からなくなった。

俺は仕方なく考えるのをやめて目を開けもう一度あの光景を目にした。

すると視界がぼやけた。俺は何故だかホロホロと涙をこぼしていた。

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