The Blind's man

ぱんだ

episode1


2002.10.14.pm14:00 柳瀬翔哉side
 
 
いつもと変わらない平日の午後。

学校をサボり部屋に引きこもり、マンガに半ば埋もれながら小さなテレビでもう3周目になるアニメの鑑賞をしていた柳瀬翔哉の耳に玄関のチャイムの音が届いた。

しかし二次オタコミュ症ヒキニートになって早2年の柳瀬の脳みそからはチャイム=応答という公式はズッポリと抜け落ちていて、あろうことか早く玄関前から去ってくれないかと逆ギレさえする始末である。

そんな家に荷物を届けに来ることになってしまった不運な宅配業者は、2階に電気がついているという決定的証拠がありながらも居留守を決め込む住人に眉をひそめながらも、渋々と不在届を書き次の配達先に向かう…

 
………………かと思われたが。

(そろそろ行ったかな…??)
そういえば先月から2期の放送が始まっていた自分のお気に入りのアニメのグッズを一昨日大量に競り落としたことを思い出した柳瀬は、やっとの思いで自分を囲んでいたマンガの山から抜け出し、日に2、3度しか開かない部屋のドアを開けて、さらに週に1、2度しか開かない玄関のドアも開けて、既に息も絶え絶えな状態でポストまで辿り着いた。

しかしそんなに大量のグッズが平々凡々な家庭のポストに入るわけはなく、入っているのは不在届である。

 
 
 

………はずであったが。

 

「あれ?」

何も入っていないのだ。紙切れの一つも。

宅配ではないとするとこんな親もいない時間帯に誰がなんの用できたのか、疑問は残るが観ていたアニメの続きに部屋を出てから終始後ろ髪を引かれていた柳瀬は詮索もそこそこに家に戻ろうとしたが………

「っっ…………!!」

ドアを開けようとしたその瞬間、後頭部に鈍い痛みが走る。
あまりの事の急さになすすべ無く地面にうつ伏せに倒れ、そのまま何者かの肩に担がれた柳瀬であったが、それでも薄れ行く視界の端には大ッ嫌いな金髪とピアスが映り込み、殺意やら焦りやらで脳内を埋め尽くされながら意識をとばした。
 
 
 
――――――――――――――――――――――――――
 
 
『………………ゲームサンカシャガツイカサレマシタ。
      ゲンザイノゲームサンカシャハイチメイ。
           ウチワケ…………オトコイチメイ』



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