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ときどき、ホットミルクが飲みたくなる人生

極大級マイソン

第44話「【気】とは何か」

 これで彼奴は弱体化したはず。攻めるなら今だ!
 俺は駆け出し、人間の状態のまま峰長に近づく。怯んでいるこの隙に一気に距離を詰める作戦だ。『腕力を5倍にする能力』を使い、全力の拳を叩きつける!

「折り畳み傘!」
「はぁ!?」

 拳が肉体を貫通する。峰長の身体はバラバラに砕け散った。
 …………訳ではなく、峰長は肉体を砂糖に変えて俺の攻撃を回避したのだ。拳はただの砂糖に当たっただけ。その砂糖は、一度バラけるも、再び一箇所に集まり元の峰長の姿に戻る。

「ふふふ、自分の弱点の対策くらいしておくのは当然でしょう?」
「……ただの砂糖キチガイの馬鹿だと思っていたが。まあいい、そうでなくちゃ楽しくねえ」

 峰長のさした折り畳み傘に、サァァァとスプリンクラーの雨が降り注ぐ。峰長の身体は傘に遮られ、ほとんど濡れていない。だが、少なくとも片手がふさがった事で動きは鈍くなったはずだ!

「傘でも防ぎきれないくらい、バラバラに吹き飛ばしてやる!」

 俺の新たな能力、発動! 
『気弾を生み出す能力』。この能力は、自分の『気』を消費する事で、炸裂の光球を作り出すというものだ。この球を喰らった対象は、激しい衝撃を受け、大ダメージを負う!

「光の球で吹き飛ばしてやるぜ!」

 そう意を決心し、俺は右手で気弾を生み出そうとする。
 この戦いを終わらせる最強の一手を!

「…………あれ?」

 と、俺は能力で気弾を作ろうとしたところで、何か手に違和感があることに気づいた。
 ふと自分の右手を見ると、そこがミイラ化していた。
 右手がミイラ化していた。

「な、何ィィィィィィィィィィィィ!!?!」
「さっき砂糖を殴った際に、水分を吸い取ってやったのよ。これで貴方の右手は使い物にならないわ」

 峰長は髪をかきあげて言う。どうやら奴め、完全に俺を掌の上で踊らせている気でいるらしい。
 歯を痛いくらい強く噛みしめる。くそっ、こんな屈辱はここ1ヶ月くらいで初めての経験だぜ!!

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