チート特典スキルは神より強い?
第58話 実家5
「エリーヌ、コーヒーを」
「かしこまりました」
今、アウルの側に立っている女性、二人の内の一人、エリーヌは頭をアウルに向けて下げ、コーヒーをとりに後方の部屋へ歩いて行った。彼女は、第2階層担当の栽培と保存を主にして作動しているアウルが作ったAIだ。だが、彼女には栽培と保存以外のシステムも勿論のこと搭載されてある。彼女に取り付けられている機能は栽培、保存、コミュニケーション、器用、戦闘能力と言った感じでその中でも一番優れているのは器用だ。彼女の器用さはこの研究所の中でも一段と能力が高い。料理、記録、作業の補助。彼女は指示された全ての事を完璧にこなす。それは彼女がAIだと忘れてしまうほどである。
そして未だアウルの側に立っている女性、エリーネ。彼女はエリーヌとほぼ同様の機能を持つ。だが、一つだけ出来ないことがある。それはコミュニケーションだ。彼女はいつも無表情であり、あまり喋らない。集団行動も苦手でその上、人の側に立つことすら嫌がる。何故、このようなAIを作ってしまったのかというと彼女には膨大な戦闘能力と知恵があるからだ。この施設で彼女の戦闘能力はトップ2だが、代償にコミュニケーションという能力が彼女にはほんの僅かしか備わっていない。
「エリーヌ、エリーネにもコーヒーを」
「かしこまりました」
そしてこの数年間、共に同じ施設、同じ階層で過ごしている同類のAI、エリーヌにも未だに話すことが出来ないでいる。エリーヌはエリーネに話しかけようと試みてはいるようだが、いつもそれは失敗に終わる。要はエリーネはこの数年間、彼女が俺のよって創り出された日以来ずっと独りぼっちなのだ。
それはともかく未だ俺はこのX線透視機の調整が出来ておらず、その理由は今俺が手に持っている四角いボックスのせいだ。X線透視機の中心部分であり、機械の全てを操作するコマンドの役割をする機械だ。だが作って以来、数年ほど倉庫に放置していたため地下からの魔力波動によってほぼ全ての機能が作動不可能になってしまっている。
「エリーヌ、コマンドブロックが壊れているようだ。道理でX線透視機が作動しなかったわけだ」
「では今すぐにコマンドブロックを―――」
「いや、その必要は無い」
「ではどうやって――」
その頃、ゼレシア達は
「しかし本当に何もすることが無いわね。地下は進入禁止、地上は夜!」
「そうだな。せめて暇つぶしになるものがあれば良かったのだが」
「上の階にランニングマシンというものならあります。あと筋トレをするなら隣の部屋に――」
「いや、そういうじゃない」
「失礼致しました」
「まあ、ちゃんとしたキッチンの完備と清潔な部屋があるだけましか…」
ジークが周りを見まわしても綺麗、豪華としか言いようの無い部屋の高級度。だがそれはとても詰まらないということにもなる。普段からこのような部屋で過ごしたことの無いような人は—――
「いや、でもこれは凄いですよ!!!」
「そう? あまり面白く無いような気がするけど」
「いえいえ、こんな所で寝泊まりが出来るなんて凄いですよ! 勿論アリスさんとジークさんの泊っていた宿屋やアウルさんが借りてくれた宿屋よりは少し部屋が小さいですが、それでもこれは私にとって物凄く良いと思います!!!」
「そう…?」
といった感じだ。普段から高級宿屋やそのような場所に訪れることの多いジークとアリスからすればこの部屋は少しも面白みが無いのだ。だが、暇だ、暇だと言っていた二人はその後、部屋に用意されていたベッドに転がると一瞬にして眠りに落ちた。そして二人が眠っている寝室から少し離れた場所でロリ長、ゼレシア、エイリが雑談をしていると数分前、用事があると言い部屋を出て行ったハイグレッドが戻って来た。
「客人の皆様、娯楽施設の進入をアウル様から頂いてきました」
「娯楽施設? この研究所にそんなものまで?」
ロリ長が少し嬉しそうだ。案外ロリ長もゲームやカジノなどの娯楽施設に行ったことがあるのだろうか? まあ、国の姫様だ。そういう場所に行くことも可能だろう。
「はい。アウル様は大のゲーム好きであり、よくその施設を利用されます。時には私達、アウル様に使える者共々ゲームをすることも御座います」
「アウルにそんな趣味があったなんて。私はてっきり本を読むことだけが好きなのかと思っていたけど…」
「いえ、正直言いますとアウル様は本を読むことは今でもあまり得意としていない様です。その上、アウル様が使える魔法はアウル様がまだ幼かった時にご両親から頂いたおこずかいでご購入された初級魔法の本で習得した初級魔法だけなのです」
「今はそれ以外の超級と国防級魔法なんて物も使えるようになったみたいだけどね」
「左様でございましたか。アウル様もやっと自分の魔法以外の魔法をご習得されたのですね。アウル様は創造といった感じですのでこの世界での魔法を習得なされるとは私も嬉しい限りです」
「かしこまりました」
今、アウルの側に立っている女性、二人の内の一人、エリーヌは頭をアウルに向けて下げ、コーヒーをとりに後方の部屋へ歩いて行った。彼女は、第2階層担当の栽培と保存を主にして作動しているアウルが作ったAIだ。だが、彼女には栽培と保存以外のシステムも勿論のこと搭載されてある。彼女に取り付けられている機能は栽培、保存、コミュニケーション、器用、戦闘能力と言った感じでその中でも一番優れているのは器用だ。彼女の器用さはこの研究所の中でも一段と能力が高い。料理、記録、作業の補助。彼女は指示された全ての事を完璧にこなす。それは彼女がAIだと忘れてしまうほどである。
そして未だアウルの側に立っている女性、エリーネ。彼女はエリーヌとほぼ同様の機能を持つ。だが、一つだけ出来ないことがある。それはコミュニケーションだ。彼女はいつも無表情であり、あまり喋らない。集団行動も苦手でその上、人の側に立つことすら嫌がる。何故、このようなAIを作ってしまったのかというと彼女には膨大な戦闘能力と知恵があるからだ。この施設で彼女の戦闘能力はトップ2だが、代償にコミュニケーションという能力が彼女にはほんの僅かしか備わっていない。
「エリーヌ、エリーネにもコーヒーを」
「かしこまりました」
そしてこの数年間、共に同じ施設、同じ階層で過ごしている同類のAI、エリーヌにも未だに話すことが出来ないでいる。エリーヌはエリーネに話しかけようと試みてはいるようだが、いつもそれは失敗に終わる。要はエリーネはこの数年間、彼女が俺のよって創り出された日以来ずっと独りぼっちなのだ。
それはともかく未だ俺はこのX線透視機の調整が出来ておらず、その理由は今俺が手に持っている四角いボックスのせいだ。X線透視機の中心部分であり、機械の全てを操作するコマンドの役割をする機械だ。だが作って以来、数年ほど倉庫に放置していたため地下からの魔力波動によってほぼ全ての機能が作動不可能になってしまっている。
「エリーヌ、コマンドブロックが壊れているようだ。道理でX線透視機が作動しなかったわけだ」
「では今すぐにコマンドブロックを―――」
「いや、その必要は無い」
「ではどうやって――」
その頃、ゼレシア達は
「しかし本当に何もすることが無いわね。地下は進入禁止、地上は夜!」
「そうだな。せめて暇つぶしになるものがあれば良かったのだが」
「上の階にランニングマシンというものならあります。あと筋トレをするなら隣の部屋に――」
「いや、そういうじゃない」
「失礼致しました」
「まあ、ちゃんとしたキッチンの完備と清潔な部屋があるだけましか…」
ジークが周りを見まわしても綺麗、豪華としか言いようの無い部屋の高級度。だがそれはとても詰まらないということにもなる。普段からこのような部屋で過ごしたことの無いような人は—――
「いや、でもこれは凄いですよ!!!」
「そう? あまり面白く無いような気がするけど」
「いえいえ、こんな所で寝泊まりが出来るなんて凄いですよ! 勿論アリスさんとジークさんの泊っていた宿屋やアウルさんが借りてくれた宿屋よりは少し部屋が小さいですが、それでもこれは私にとって物凄く良いと思います!!!」
「そう…?」
といった感じだ。普段から高級宿屋やそのような場所に訪れることの多いジークとアリスからすればこの部屋は少しも面白みが無いのだ。だが、暇だ、暇だと言っていた二人はその後、部屋に用意されていたベッドに転がると一瞬にして眠りに落ちた。そして二人が眠っている寝室から少し離れた場所でロリ長、ゼレシア、エイリが雑談をしていると数分前、用事があると言い部屋を出て行ったハイグレッドが戻って来た。
「客人の皆様、娯楽施設の進入をアウル様から頂いてきました」
「娯楽施設? この研究所にそんなものまで?」
ロリ長が少し嬉しそうだ。案外ロリ長もゲームやカジノなどの娯楽施設に行ったことがあるのだろうか? まあ、国の姫様だ。そういう場所に行くことも可能だろう。
「はい。アウル様は大のゲーム好きであり、よくその施設を利用されます。時には私達、アウル様に使える者共々ゲームをすることも御座います」
「アウルにそんな趣味があったなんて。私はてっきり本を読むことだけが好きなのかと思っていたけど…」
「いえ、正直言いますとアウル様は本を読むことは今でもあまり得意としていない様です。その上、アウル様が使える魔法はアウル様がまだ幼かった時にご両親から頂いたおこずかいでご購入された初級魔法の本で習得した初級魔法だけなのです」
「今はそれ以外の超級と国防級魔法なんて物も使えるようになったみたいだけどね」
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