チート特典スキルは神より強い?
第43話 調査3
と、エイリは施設の場所を教えてくれた。その場所は俺達の予想通り、町の下水道に施設への入り口があるとの事だった。俺はエイリにちゃんとした服を買い、再び下水道から施設へと向かった。
「うっ…くさい」
「まあ、もうすぐ着くから頑張って」
「すみません、アリスさん。でもあと少しで着きますので」
「いえ、いいわ。もう少しなら…」
その数分後、アリスはやはり耐え切れず、再び気絶してジークに抱きかかえてもらっていた。そしてその後、エイリは足を止め、何やら壁に手を当てた。
「どうしたんだ?」
「ここから音がします。ここです。恐らくここが博士の施設です」
「えっと、ということはここを破壊すれば良いのか?」
「いやいやいや、扉とか無いのか?」
「いえ、私はその時必死になって逃げていたのであまりここを覚えていないんです。ですが、この壁の中から聞こえてくる音は確実に中で施設の監視をしているゴーレムです」
「なら破壊するね」
俺は拳を壁に当てて壁を破壊した。するとエイリの言う通り、中には数十ものゴーレムがおり、俺達に気づくと、ゴーレムの集団は重い足音をたててこちらへ向かってきた。俺はすぐに下水道と施設の間に空いた穴にブラックホールを埋めるように設置し、ゴーレムたちの足音が消えるのを待った。そして数分後、ブラックホールを消すと、そこにもうゴーレムの姿は一体とも無かった。
「凄いですね。あの魔法は一体何ですか? 初めて見ました」
「これは[ブラックホール]と言ってね。今はアウルしか使えない新魔法だよ」
「新魔法ですか…。アウルさんも博士と同じく魔法学者?」
「魔法学者では無いが、魔法を研究する人ではある」
「いや、それ魔法学者って言うのよ」
どうやら俺のような人は魔法学者と呼ばれるらしい。もし魔法を極め、研究する者が魔法学者と言うのならば、アリシアやハクなんかも魔法学者と言えるのではないだろうか? まあ、そんな事はどうでも良い。それよりもこのゴーレムたちが去った後の施設。かなりの本や資料が机や地面に散らかっており、その奥には何やら大量の青い液体が入っている試験管を逆さにしたような巨大な容器が並んでいた。近づけば近づくほどその試験管の巨大さがわかり、そしてその奥にも何千もの容器が並んでいることがわかった。
「不気味な場所ね」
「あれは生物を作り出す為の容器だな。確か何十年も前に製造を禁止されたようなはずだが」
「そういえば、お母さんが私の生まれる前には魔物や人を作り出す魔法があったって言っていたような気がする。でもその魔法は禁止され、今では禁術になっているって言っていた」
「ということは密売。どこかで誰かが違法にこの容器を作り、ここへ売っていたということか」
そう話しているうちに俺達は立ち並ぶ巨大な容器の側まで近づいていた。その容器、一つ一つには遠くからは見えなかったが、今ははっきりと人が入っていることがよくわかった。
「エイリがいっぱい…」
「ということはこれ全てエイリと同じように魂歳から作られた魂術人形なのか?」
「はい。博士はこの国やアキレア帝国以外から寿命の長いエルフなどから魂歳を集めていました。私の記憶ではこのような施設はここ以外にもあと二つ。ですが魂術人形が保管されているのはこの場所だけです」
「で、これどうする?」
「どうすると言われても僕たちには何もできないからね。とにかくまずは魔法学者たちがどこへ行ったのかを調べよう」
「ですね。エイリも他二つの施設があることは知っていてもそこがどこなのかは全く知らないようだし」
エイリによると毎回施設を移動する時は彼女の電源を切られていたらしい。もし彼女が知っていれば俺が二つ共確認しに行けたのだが、どうもそう簡単にはいかないようだ。
「見つけたわ」
「何を?」
「この地図よ。ほら、ここに赤の十印があるでしょ」
そこには数十か所の十印が地図上に書かれており、町中や山、穏やかな平原など色々な所に示されていた。
「もしかしてこのどこかに施設があるんじゃない?」
「いやいや、もしそうだとしたらそう簡単にはそこらに置いていないでしょ」
「いいえ、この地図はそこから見つけたのよ。あそこの机の下には地下へと続く階段があってその隠し部屋にある巨大で頑丈そうな金庫の中にこれ、たった一枚が金庫の真ん中に置いてあったのよ」
「いやいや、それトラップって可能性も…」
「そもそもその頑丈な金庫はどうやって開けたんだ?」
するとアリスは地下を指さした。自分で見に行った方が早いということか。階段を下りるとアリスの言う通り、そこには隠し部屋があったのだが、その部屋の壁横には人が通れるほどの大きさの穴が空いていた。そう、アリスは壁に穴を開けて金庫の横まで掘り進め、そしてそのまま金庫の中まで侵入したということなのだ。なんか裏攻略方みたいなことしているけど、本当に科学者たちはここへそんな大事な物を保管したのだろうか?
「うっ…くさい」
「まあ、もうすぐ着くから頑張って」
「すみません、アリスさん。でもあと少しで着きますので」
「いえ、いいわ。もう少しなら…」
その数分後、アリスはやはり耐え切れず、再び気絶してジークに抱きかかえてもらっていた。そしてその後、エイリは足を止め、何やら壁に手を当てた。
「どうしたんだ?」
「ここから音がします。ここです。恐らくここが博士の施設です」
「えっと、ということはここを破壊すれば良いのか?」
「いやいやいや、扉とか無いのか?」
「いえ、私はその時必死になって逃げていたのであまりここを覚えていないんです。ですが、この壁の中から聞こえてくる音は確実に中で施設の監視をしているゴーレムです」
「なら破壊するね」
俺は拳を壁に当てて壁を破壊した。するとエイリの言う通り、中には数十ものゴーレムがおり、俺達に気づくと、ゴーレムの集団は重い足音をたててこちらへ向かってきた。俺はすぐに下水道と施設の間に空いた穴にブラックホールを埋めるように設置し、ゴーレムたちの足音が消えるのを待った。そして数分後、ブラックホールを消すと、そこにもうゴーレムの姿は一体とも無かった。
「凄いですね。あの魔法は一体何ですか? 初めて見ました」
「これは[ブラックホール]と言ってね。今はアウルしか使えない新魔法だよ」
「新魔法ですか…。アウルさんも博士と同じく魔法学者?」
「魔法学者では無いが、魔法を研究する人ではある」
「いや、それ魔法学者って言うのよ」
どうやら俺のような人は魔法学者と呼ばれるらしい。もし魔法を極め、研究する者が魔法学者と言うのならば、アリシアやハクなんかも魔法学者と言えるのではないだろうか? まあ、そんな事はどうでも良い。それよりもこのゴーレムたちが去った後の施設。かなりの本や資料が机や地面に散らかっており、その奥には何やら大量の青い液体が入っている試験管を逆さにしたような巨大な容器が並んでいた。近づけば近づくほどその試験管の巨大さがわかり、そしてその奥にも何千もの容器が並んでいることがわかった。
「不気味な場所ね」
「あれは生物を作り出す為の容器だな。確か何十年も前に製造を禁止されたようなはずだが」
「そういえば、お母さんが私の生まれる前には魔物や人を作り出す魔法があったって言っていたような気がする。でもその魔法は禁止され、今では禁術になっているって言っていた」
「ということは密売。どこかで誰かが違法にこの容器を作り、ここへ売っていたということか」
そう話しているうちに俺達は立ち並ぶ巨大な容器の側まで近づいていた。その容器、一つ一つには遠くからは見えなかったが、今ははっきりと人が入っていることがよくわかった。
「エイリがいっぱい…」
「ということはこれ全てエイリと同じように魂歳から作られた魂術人形なのか?」
「はい。博士はこの国やアキレア帝国以外から寿命の長いエルフなどから魂歳を集めていました。私の記憶ではこのような施設はここ以外にもあと二つ。ですが魂術人形が保管されているのはこの場所だけです」
「で、これどうする?」
「どうすると言われても僕たちには何もできないからね。とにかくまずは魔法学者たちがどこへ行ったのかを調べよう」
「ですね。エイリも他二つの施設があることは知っていてもそこがどこなのかは全く知らないようだし」
エイリによると毎回施設を移動する時は彼女の電源を切られていたらしい。もし彼女が知っていれば俺が二つ共確認しに行けたのだが、どうもそう簡単にはいかないようだ。
「見つけたわ」
「何を?」
「この地図よ。ほら、ここに赤の十印があるでしょ」
そこには数十か所の十印が地図上に書かれており、町中や山、穏やかな平原など色々な所に示されていた。
「もしかしてこのどこかに施設があるんじゃない?」
「いやいや、もしそうだとしたらそう簡単にはそこらに置いていないでしょ」
「いいえ、この地図はそこから見つけたのよ。あそこの机の下には地下へと続く階段があってその隠し部屋にある巨大で頑丈そうな金庫の中にこれ、たった一枚が金庫の真ん中に置いてあったのよ」
「いやいや、それトラップって可能性も…」
「そもそもその頑丈な金庫はどうやって開けたんだ?」
するとアリスは地下を指さした。自分で見に行った方が早いということか。階段を下りるとアリスの言う通り、そこには隠し部屋があったのだが、その部屋の壁横には人が通れるほどの大きさの穴が空いていた。そう、アリスは壁に穴を開けて金庫の横まで掘り進め、そしてそのまま金庫の中まで侵入したということなのだ。なんか裏攻略方みたいなことしているけど、本当に科学者たちはここへそんな大事な物を保管したのだろうか?
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