精霊たちと契約戦争
精霊契約①
「信じられね。でもいるもんな『精霊』。」
「いるね。」
藺草の独り言のような発言に、俺は思わず返事をしてしまった。『精霊』何てファンタジーの世界だけだと思っていた。
「なぁ、精霊。俺たちに夢の中で話しかけてきたのはお前なのか?」
俺の問に対して『精霊』は首をかしげて言った。
「それは私じゃないよ。たぶん別の子。」
「別の子って、お前みたいな精霊は、他にもいるのか?」
「いるよ。そして、周りよりずば抜けた才能の持ち主は精霊と契約することが出来る。」
「ねえねえ、精霊って、夢を見せる以外にもなにか出来るの?」
紅葉は俺達とは違い『精霊』のという生き物に少し興味を持っているようだった。
「出来るよ!」
「例えば何が出来るの?」
自信満々に答えるフーに今度はエマが問いかけた。
「あの障壁も、私たちの力で作ったものだよ。」
「障壁って、あの透明な壁の事か?」
「うん。まぁ、あの規模になると流石に1人では作れないけどね。」
(いやいや、そもそも人間に障壁なんてもの作れないし・・・。)
「それで、どうするの。戦う?」
「もし、俺たちが戦わない事になったら日本は、この国はどうなるんだ。」
「滅びるよ。そう遠くないうちにね。」
少し言葉が詰まった藺草の嫌な質問にフーはあっさりと答えた。
「当然だよ、精霊と契約出来る人間は限られてる、かと言ってただの人間では歯が立たない敵だっている。この国は今までとは全く違う。この国はもう『弱肉強食』の世界。」
「戦う、やってやろうじゃんか。」
「藺草!?」
「俺たちにしかできないならやるしかない、何もしなかったらどうせ死んじまうんだ。だったさ最後まで足掻いてやるよ!」
「「私も!」」
藺草の発言に続くように、エマと紅葉が言った。
「は!?お前らマジで言ってんのか、死ぬかもしれないんだぞ。」
「いぐさっちと同じ意見だよ。」
「私も、ただ守られるだけなんていや。」
    ・
    ・
    ・
「楓はどうするよ、別に俺たちが戦うからっていう理由でお前も戦う必要は無い。」
    ・
    ・
    ・
「はぁー、こんな問題児にこの国の運命任せる方が怖いよ。エマはしっかりしてるけど姉貴と藺草はやばいだろ。」
俺は笑いながら答えた。
この周りに合わせるような俺の軽い決断が最悪な結果へと導いてしまったのだろう。
「・・・よし、それじゃあ最初に制服を渡しておくよ。」
雪笹はそう言うとすぐにダンボるの箱を出した。中には黒がベースで赤いラインが入った服が4着、左腕には鷹のマーク、『エスポワール』のエンブレルだろう。サイズもぴったりだった。
「何で俺たちのサイズわかったんですか?」
「それは柚子くんが用意したからだよ。君たちならきっと戦うと言ってくれると思ったから、先に作ってしまった。」
制服に着替えた後俺たちは雪笹に連れられ更に地下へと向かった。そこからはエレベーターではなく階段を使い、その先には大きく頑丈そうな扉があった。雪笹は扉の前にあるパネルに手を置いた。
(ピー、ピピ。)
「指紋認証って、そんなに見られたら困るんですか。この先にあるものって。」
「まぁ、一応最高機密だ。この先は柚子くんも入ったことは無い。ここで君たちには精霊と契約してもらう。いつ奴らが来てもいいようにな。」
「精霊と契約、でもそれってそれだけの才能がないと出来ないんじゃ・・・」
「あぁ、そうだよ。」
「それじゃあ、俺たちには精霊と契約するだけの素質があるって言いたいんですか?」
「あぁ、その通りだ。」
その時の俺は少し嬉しいような、でもそんな素質がなければこの戦いにも巻き込まれずに済んだのかもしれないと思うとちょっと複雑な気持ちだった。
扉が開くとそこには地下だとは思えないほど綺麗で神秘的な光景が大きく広がっていた。
真ん中には大きな木、それを囲うように青く透き通った湖、その湖の周りには綺麗な岩や石、明かりは電気ではなく炎で部屋全体をしっかりと照らしている。空中にはこの世のものとは思えないほど、綺麗にキラキラと光る不思議な物が見える。
「地下にこんな場所が・・・。ここは?」
エマは自分の事を疑うように目をこすりながら言った。恐らくここは『オプスキュリテ』が現れる前よりも美しい。
「ここには多くの精霊がいる。楓くんはきっと見えているんじゃないか、『精霊』が。」
周りを見渡すがフーのような精霊はいなかったが、空中にある綺麗な光を見で俺はハッ
とした。
「もしかして、このキラキラしてるのが?」
「なんだよそれ、そんなもん見えねーぞ。」
「え!?あるだろ、空中にキラキラ光って浮いてるのが。」
「俺にはそんなの見えないぞ。」
藺草の発言に対してその後でエマの紅葉が首を縦に降った。俺はその3人の反応を見て自分がおかしくなったと思い、椿の方を見た。
「だ 大丈夫です、私も 見えてます・・・。」
「安心したまえ楓くん、君はおかしくなんかない。契約前の精霊を見れるのは本当に限られた人間だけだ。」
「限られた人間ってどういう事ですか?」
「精霊と契約するには精霊との適正値が50%必要だ、そしてその適正値が80%を超えると契約前の精霊も見ることが出来る。」
「なるほどー、つまり楓と椿ちゃんは周りに比べてもずば抜けた素質を持ってるってことかー。なんか悔しいなー。」
紅葉は少しいじけた様に、横目で俺を見ながら言った。すると椿は俺の服の袖を軽く引っ張って言った。
「パパも見えるんですよ。」
「へー、そうなんだー。」
「そういやー、椿のお父さんってどこにいるんだ?」
「え、そこに いますよ。」
そう言いながら椿は指を指した。
そこには・・・。
「「「「え、えーーーーー!」」」」
思わず俺たち4人は驚きの声をあげてしまった。
「し、司令って椿のお父さんだったんですか!」
「あぁ、言ってなかったかなー。」
「聞いてませんでしたよー!」
そんなにいい状況ではないのに、とても美しく綺麗な空間でそんな話をしているのは、なんだか楽しく少し居心地のいい時間だった。
「いるね。」
藺草の独り言のような発言に、俺は思わず返事をしてしまった。『精霊』何てファンタジーの世界だけだと思っていた。
「なぁ、精霊。俺たちに夢の中で話しかけてきたのはお前なのか?」
俺の問に対して『精霊』は首をかしげて言った。
「それは私じゃないよ。たぶん別の子。」
「別の子って、お前みたいな精霊は、他にもいるのか?」
「いるよ。そして、周りよりずば抜けた才能の持ち主は精霊と契約することが出来る。」
「ねえねえ、精霊って、夢を見せる以外にもなにか出来るの?」
紅葉は俺達とは違い『精霊』のという生き物に少し興味を持っているようだった。
「出来るよ!」
「例えば何が出来るの?」
自信満々に答えるフーに今度はエマが問いかけた。
「あの障壁も、私たちの力で作ったものだよ。」
「障壁って、あの透明な壁の事か?」
「うん。まぁ、あの規模になると流石に1人では作れないけどね。」
(いやいや、そもそも人間に障壁なんてもの作れないし・・・。)
「それで、どうするの。戦う?」
「もし、俺たちが戦わない事になったら日本は、この国はどうなるんだ。」
「滅びるよ。そう遠くないうちにね。」
少し言葉が詰まった藺草の嫌な質問にフーはあっさりと答えた。
「当然だよ、精霊と契約出来る人間は限られてる、かと言ってただの人間では歯が立たない敵だっている。この国は今までとは全く違う。この国はもう『弱肉強食』の世界。」
「戦う、やってやろうじゃんか。」
「藺草!?」
「俺たちにしかできないならやるしかない、何もしなかったらどうせ死んじまうんだ。だったさ最後まで足掻いてやるよ!」
「「私も!」」
藺草の発言に続くように、エマと紅葉が言った。
「は!?お前らマジで言ってんのか、死ぬかもしれないんだぞ。」
「いぐさっちと同じ意見だよ。」
「私も、ただ守られるだけなんていや。」
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「楓はどうするよ、別に俺たちが戦うからっていう理由でお前も戦う必要は無い。」
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「はぁー、こんな問題児にこの国の運命任せる方が怖いよ。エマはしっかりしてるけど姉貴と藺草はやばいだろ。」
俺は笑いながら答えた。
この周りに合わせるような俺の軽い決断が最悪な結果へと導いてしまったのだろう。
「・・・よし、それじゃあ最初に制服を渡しておくよ。」
雪笹はそう言うとすぐにダンボるの箱を出した。中には黒がベースで赤いラインが入った服が4着、左腕には鷹のマーク、『エスポワール』のエンブレルだろう。サイズもぴったりだった。
「何で俺たちのサイズわかったんですか?」
「それは柚子くんが用意したからだよ。君たちならきっと戦うと言ってくれると思ったから、先に作ってしまった。」
制服に着替えた後俺たちは雪笹に連れられ更に地下へと向かった。そこからはエレベーターではなく階段を使い、その先には大きく頑丈そうな扉があった。雪笹は扉の前にあるパネルに手を置いた。
(ピー、ピピ。)
「指紋認証って、そんなに見られたら困るんですか。この先にあるものって。」
「まぁ、一応最高機密だ。この先は柚子くんも入ったことは無い。ここで君たちには精霊と契約してもらう。いつ奴らが来てもいいようにな。」
「精霊と契約、でもそれってそれだけの才能がないと出来ないんじゃ・・・」
「あぁ、そうだよ。」
「それじゃあ、俺たちには精霊と契約するだけの素質があるって言いたいんですか?」
「あぁ、その通りだ。」
その時の俺は少し嬉しいような、でもそんな素質がなければこの戦いにも巻き込まれずに済んだのかもしれないと思うとちょっと複雑な気持ちだった。
扉が開くとそこには地下だとは思えないほど綺麗で神秘的な光景が大きく広がっていた。
真ん中には大きな木、それを囲うように青く透き通った湖、その湖の周りには綺麗な岩や石、明かりは電気ではなく炎で部屋全体をしっかりと照らしている。空中にはこの世のものとは思えないほど、綺麗にキラキラと光る不思議な物が見える。
「地下にこんな場所が・・・。ここは?」
エマは自分の事を疑うように目をこすりながら言った。恐らくここは『オプスキュリテ』が現れる前よりも美しい。
「ここには多くの精霊がいる。楓くんはきっと見えているんじゃないか、『精霊』が。」
周りを見渡すがフーのような精霊はいなかったが、空中にある綺麗な光を見で俺はハッ
とした。
「もしかして、このキラキラしてるのが?」
「なんだよそれ、そんなもん見えねーぞ。」
「え!?あるだろ、空中にキラキラ光って浮いてるのが。」
「俺にはそんなの見えないぞ。」
藺草の発言に対してその後でエマの紅葉が首を縦に降った。俺はその3人の反応を見て自分がおかしくなったと思い、椿の方を見た。
「だ 大丈夫です、私も 見えてます・・・。」
「安心したまえ楓くん、君はおかしくなんかない。契約前の精霊を見れるのは本当に限られた人間だけだ。」
「限られた人間ってどういう事ですか?」
「精霊と契約するには精霊との適正値が50%必要だ、そしてその適正値が80%を超えると契約前の精霊も見ることが出来る。」
「なるほどー、つまり楓と椿ちゃんは周りに比べてもずば抜けた素質を持ってるってことかー。なんか悔しいなー。」
紅葉は少しいじけた様に、横目で俺を見ながら言った。すると椿は俺の服の袖を軽く引っ張って言った。
「パパも見えるんですよ。」
「へー、そうなんだー。」
「そういやー、椿のお父さんってどこにいるんだ?」
「え、そこに いますよ。」
そう言いながら椿は指を指した。
そこには・・・。
「「「「え、えーーーーー!」」」」
思わず俺たち4人は驚きの声をあげてしまった。
「し、司令って椿のお父さんだったんですか!」
「あぁ、言ってなかったかなー。」
「聞いてませんでしたよー!」
そんなにいい状況ではないのに、とても美しく綺麗な空間でそんな話をしているのは、なんだか楽しく少し居心地のいい時間だった。
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