なんでも【美少女化】するスキルでハーレム作ります ~人も魔物も無機物も俺も!?~
第26話 いざ大聖堂へ
セントヘレンズ大聖堂、その大正門。
一般人には立ち入ることすら許されない大聖堂と俗世を区分する唯一の口は重厚な鋼鉄製、常に2人の衛兵により守られている。その向こうの聖域へと立ち入りを許されるのは大聖堂をしきるイスフィール教団の幹部クラス以上か、教団へ十分な寄与を行った者などごく限られた存在のみ。
そこに近づく俺ら6人。衛兵たちは大正門にぞろぞろとやってくる少女6人組を見て観光客と思ったのか特に警戒を見せなかった。
だがその内の1人、マグナムがぐいぐい前に出て観光が許される場所を越えようとするとさすがに反応した。
「こら君、大正門の観光は制限区域の外で行いなさい」
「それ以上近づくと相応の対応をとるよ」
槍で門を守るように構える衛兵。マグナムはそれを見て楽しそうに笑っていた。
「精が出るねえ衛兵諸君、お勤めご苦労! 通してくれないかな」
突然なれなれしい口調で偉そうに通せとのたまう少女、当然衛兵は困惑するか鼻で笑うかだった。
だがその時、正門に向かう道の両端を流れる水路から、水がふわりと浮き上がった。マグナムのスキルだ。衛兵の顔に驚きが浮かぶ。
「この格好じゃあわからねえよな……俺はこういうもんだ」
マグナムは得意顔で水を操る。水は細く長く伸びていき、きらきらと輝きながら空中に留まり始め、描いていったのは文字だった。
やがてマグナムの背後に見事な水文字が現れる。長めの文章は水でできているにも関わらずしっかりと空間に固定され輝く。
その文章はマグナム・アトランティスがセントヘレンズ大聖堂の危機を救ったことに感謝し全面的な特権を与える、という意味のものだった。その内容そのものというよりは、ここまで複雑で長い文章を水だけで描くという離れ業に衛兵たちは悟ったようだ。
「ま、まさかあなたは……」
「あ、アトランティス様!?」
マグナムはその反応を見て実に楽しそうだった。
「ま、ひとまずは上の奴呼んでくれや。証明する方法は色々あるしな……あのメガネ小僧がいい、呼んできな」
「め、メガネ……?」
「ほらお前らのお頭だよ」
「あっ……す、すぐに!」
衛兵の1人が慌てて正門横の通用口から中に入っていった。なにはともあれ中へ通してくれそうだ。
「すごいですねマグナムさん、姿が完全に変わってるのに……」
「まっ、伊達に水の称号をもらっちゃいねえってこった」
これで普通は入れない大聖堂内に俺らは入ることができる。その先に待つ相手に俺らは合わねばならない……嫌な予感がするのだ。
セントヘレンズ大聖堂、深部にて。
その男は水晶を通しその少女の……いや、男の姿を認める。そして呟いた。
「ついに来たか……憎き神の力め」
まるで怒りに任せるように水晶を握りつぶし粉々に砕く。だが直後、男が両手で水晶を覆うと何事もなかったかのように元に戻った。
これは男のスキルではない。神に与えられた力ではなく……もっと邪悪で、忌まわしき力の一端。
「ここで必ずや滅ぼす。そしてその時こそ」
男は静かに歩き出す。そして誰にも聞こえない声でごちた。
「人類の最期だ」
大聖堂の中、男は闇に消えていった。
一般人には立ち入ることすら許されない大聖堂と俗世を区分する唯一の口は重厚な鋼鉄製、常に2人の衛兵により守られている。その向こうの聖域へと立ち入りを許されるのは大聖堂をしきるイスフィール教団の幹部クラス以上か、教団へ十分な寄与を行った者などごく限られた存在のみ。
そこに近づく俺ら6人。衛兵たちは大正門にぞろぞろとやってくる少女6人組を見て観光客と思ったのか特に警戒を見せなかった。
だがその内の1人、マグナムがぐいぐい前に出て観光が許される場所を越えようとするとさすがに反応した。
「こら君、大正門の観光は制限区域の外で行いなさい」
「それ以上近づくと相応の対応をとるよ」
槍で門を守るように構える衛兵。マグナムはそれを見て楽しそうに笑っていた。
「精が出るねえ衛兵諸君、お勤めご苦労! 通してくれないかな」
突然なれなれしい口調で偉そうに通せとのたまう少女、当然衛兵は困惑するか鼻で笑うかだった。
だがその時、正門に向かう道の両端を流れる水路から、水がふわりと浮き上がった。マグナムのスキルだ。衛兵の顔に驚きが浮かぶ。
「この格好じゃあわからねえよな……俺はこういうもんだ」
マグナムは得意顔で水を操る。水は細く長く伸びていき、きらきらと輝きながら空中に留まり始め、描いていったのは文字だった。
やがてマグナムの背後に見事な水文字が現れる。長めの文章は水でできているにも関わらずしっかりと空間に固定され輝く。
その文章はマグナム・アトランティスがセントヘレンズ大聖堂の危機を救ったことに感謝し全面的な特権を与える、という意味のものだった。その内容そのものというよりは、ここまで複雑で長い文章を水だけで描くという離れ業に衛兵たちは悟ったようだ。
「ま、まさかあなたは……」
「あ、アトランティス様!?」
マグナムはその反応を見て実に楽しそうだった。
「ま、ひとまずは上の奴呼んでくれや。証明する方法は色々あるしな……あのメガネ小僧がいい、呼んできな」
「め、メガネ……?」
「ほらお前らのお頭だよ」
「あっ……す、すぐに!」
衛兵の1人が慌てて正門横の通用口から中に入っていった。なにはともあれ中へ通してくれそうだ。
「すごいですねマグナムさん、姿が完全に変わってるのに……」
「まっ、伊達に水の称号をもらっちゃいねえってこった」
これで普通は入れない大聖堂内に俺らは入ることができる。その先に待つ相手に俺らは合わねばならない……嫌な予感がするのだ。
セントヘレンズ大聖堂、深部にて。
その男は水晶を通しその少女の……いや、男の姿を認める。そして呟いた。
「ついに来たか……憎き神の力め」
まるで怒りに任せるように水晶を握りつぶし粉々に砕く。だが直後、男が両手で水晶を覆うと何事もなかったかのように元に戻った。
これは男のスキルではない。神に与えられた力ではなく……もっと邪悪で、忌まわしき力の一端。
「ここで必ずや滅ぼす。そしてその時こそ」
男は静かに歩き出す。そして誰にも聞こえない声でごちた。
「人類の最期だ」
大聖堂の中、男は闇に消えていった。
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