なんでも【美少女化】するスキルでハーレム作ります ~人も魔物も無機物も俺も!?~
第8話 猿
クローバーの街の飲食店。
次の目的地に向かう前に、俺らはひとまず腹ごしらえをしていた。
「おお、食べ物も珍しいものがあるんじゃな」
「ごはん! ごはん! この体おもしろいぞ!」
ビュッフェ形式の食堂に神官様とフェンは大興奮だ。そんな2人を微笑ましく見つめつつ俺とマットは席取りがてら先に座っていた。
すると2人になったためかマットはこんな話を振ってきた。
「なあセイ、これからどうするんだ?」
「どうって? そりゃ魔術師に会うんだろ?」
「そうじゃなくてさ……ハーレムの話だよ。まさか諦めたわけじゃないだろ?」
「当たり前だ、俺の夢だぞ」
元に戻る方法探しに躍起になっていたが、俺の最終目的は夢の美少女ハーレムの設営だ。あくまでも元に戻るのは俺が男としてそのハーレムを作るため。
「実際問題さあ、ハーレムなんてどうやって作るんだ? そりゃあ前は男の夢だなんだ言って憧れてたけどさ、実際に作るとなると難しいなんてもんじゃないぞ? お前のスキルで美少女は用意できてもそれ以外の問題の方が多いだろ。どうするつもりなんだ?」
「なんだマット、そんなこと気にしてたのか? 安心しろ、俺だってそこのとこは考えてるよ」
「え、そうなのか?」
「ああ。元に戻る方法が見つかったら、ベナスの街に行こうと思う」
「ベナス……っていうと、冒険者ギルドがある街か!」
「そうだ、ギルドに登録して冒険者になるつもりだ。そうしてゆっくりとハーレムを築き上げていく計画だ」
冒険者ギルドでは様々な仕事や情報が舞い込み、うまく生き抜いていけば地位も財産も手に入れられる。この世界では憧れの場所だ。だが当然、冒険者になるにはそれにふさわしい力がいる。
「で、でもよ、冒険者になんてなれるのか? お前のスキルは強力だが……乱用してると絶対やばいぞ」
「大丈夫だって。俺には強い味方がいる、巨乳の美少女剣士がな」
「えっ、美少女剣士? しかも巨乳って……そんな奴お前の知り合いにいたか? いるなら紹介してくれよ」
「いるよ、目の前に」
マットは一瞬ぽかんと沈黙する。そしてやっと俺が言うのがマット自身のことだと気付いたらしい。
「お、俺かあ!? び、美少女はともかく、剣士ってのはなんのことだ」
「お前のスキル【剣聖】だろ」
「あ、忘れてた。で、でもよ、俺の体じゃ……」
「今は長身の美少女だろ。まあその胸のは邪魔かもしれないけどな、っと」
「んっ……つ、つつくなバカ!」
冗談はさておき、【剣聖】スキルを授かったマットは鍛えればちゃんとした剣士になれる。そもそもそのスキルが与えられた時点で逆説的にマットには剣士の才能があったということだ。
「でも実際神官様は僧侶系最上位職だし、フェンも狼の身のこなしとかあるだろ? 今の俺らがそのまま冒険者になってもなかなかのパーティだぞ? 足りないのは魔術師くらいで」
「たしかに……魔術師か……今から行く人が仲間になってくれればちょうどいいな」
「どうだろな、ゴズさんみたいな例もある、まあその点はおいおいだ。いずれにせよ一段落ついたら一旦帰らないとな、冒険者になるとなると父さん母さんにも何か言っておきたいし」
そうして俺らが話していた、その時だった。
「きゃーっ!?」
突然の悲鳴が店内に響く。驚いて声のした方を見ると、入り口の辺りが騒がしい。
なんと1匹の猿が店内に紛れ込んでいた。
『ウキャキャッ』
猿は驚く人々を尻目に店内を暴れまわった。テーブルの上を飛び回り、椅子は倒し、その上の料理をぶちまける。並べてあったビュッフェもことごとくぶちまけられてしまった。
「こいつッ!」
「待て!」
慌てて店員や客が捕まえようとする、一部の人間はスキルすら使っていた。
『キャッキャッ』
だが猿は素早い身のこなしでそれらを悉くかわし、天井に掴まりけらけら笑う。いつの間にかその手に店から盗んだ食べ物が握られていて、慌てる人間たちを見下ろしてうまそうに食べていた。
「さ、猿? なんだいきなり」
「エサを探して迷い込んじまったのか? しっかし素早い猿だな」
俺らも猿を見上げていると、猿がこちらを見た。かと思った次の瞬間、猿は俺らの方に飛び掛かってきた。
『ウキャー!』
「う、うわああっ!?」
「マット!?」
正確には猿はマットに飛び掛かったのだった。猿は俺らの机の上に飛び乗ると、あろうことかマットの胸に抱き着いた。メロンサイズのたわわなそれに体を埋めすりすりとする。
『ウキャ~~~』
「こ、この、エロ猿……ううんっ」
猿は細い指でむにむにと胸をいじりマットは頬を赤くして動けない。俺も思わず見入ってしまった。
「セ、セイ! 見てないで助けてくれよ!」
「あ、わ、わかった」
我に返り猿をなんとかしようとする俺だが、あの身のこなしでは俺には捕まえられそうにない。ならもう奥の手だ。
「えいっ!」
「うわっ!?」
俺はスキルを使った。猿の体が光に包まれて、重量が増したためかマットがそのまま後ろに倒れる。
やがて光が晴れた時、そこにいたのはマットの巨乳を嬉しそうに鷲づかみした、ツインテールの少女だった。ブラウンの髪で服は簡素なもの。長い尻尾がくるくる動いていた。
「きゃっきゃ~……う? あれ?」
「こ、この野郎っ!」
「うきゃー!?」
体が大きくなったためにちょこまか動くことはできず、困惑もあって猿はマットに捕らえられた。やれやれと店内から安堵の声が漏れる。
とその時、何者かが店内に駆け込んできた。
「す、すみません! ここに猿が来ませんでした!? 茶色くてしばしっこい……」
駆けこんできたのは少女だった。店内の惨状を見て何かを察したのかあちゃーという顔をする。黒い髪のポニーテールで、年齢も背も俺(美少女化した俺)と同じくらい。魔術師らしいローブに身を包み、手には木の杖を持っていた。
俺はその姿を見てあっと声を出す。その風体を、実は聞かされていたからだ。
「その……もしかして、魔術師のルナルさん?」
俺が尋ねると、魔術師の少女……ルナルは頷いた。
そう、実はこの少女が俺らが訪ねる予定だった魔術師なのだ。まだ16歳の少女だが実力は優秀とゴズさんの太鼓判だ。
「そ、そうですけど……その、実は私の相棒のモンチーが逃げ出しちゃって、探してたんですけど、ここに来たみたいですね。今はもう他に行っちゃったんですか?」
「えーと、そのー……」
俺が説明に困っていると。
「あっ、ルナル!」
マットに抑えられてた元猿の少女、十中八九モンチーがルナルを見て声を上げる。そしてマットの腕を振り払うと彼女に駆け寄った。
「ルナル、見ろよこれ! オレ女になってるぞ! うきゃきゃっ」
「え? え? ど、どういうこと?」
「あー、そのですね、それも含めて説明したいことがあってですね……」
俺は実に厄介なことになったと思いながら、事の次第をルナルに説明するのだった。
次の目的地に向かう前に、俺らはひとまず腹ごしらえをしていた。
「おお、食べ物も珍しいものがあるんじゃな」
「ごはん! ごはん! この体おもしろいぞ!」
ビュッフェ形式の食堂に神官様とフェンは大興奮だ。そんな2人を微笑ましく見つめつつ俺とマットは席取りがてら先に座っていた。
すると2人になったためかマットはこんな話を振ってきた。
「なあセイ、これからどうするんだ?」
「どうって? そりゃ魔術師に会うんだろ?」
「そうじゃなくてさ……ハーレムの話だよ。まさか諦めたわけじゃないだろ?」
「当たり前だ、俺の夢だぞ」
元に戻る方法探しに躍起になっていたが、俺の最終目的は夢の美少女ハーレムの設営だ。あくまでも元に戻るのは俺が男としてそのハーレムを作るため。
「実際問題さあ、ハーレムなんてどうやって作るんだ? そりゃあ前は男の夢だなんだ言って憧れてたけどさ、実際に作るとなると難しいなんてもんじゃないぞ? お前のスキルで美少女は用意できてもそれ以外の問題の方が多いだろ。どうするつもりなんだ?」
「なんだマット、そんなこと気にしてたのか? 安心しろ、俺だってそこのとこは考えてるよ」
「え、そうなのか?」
「ああ。元に戻る方法が見つかったら、ベナスの街に行こうと思う」
「ベナス……っていうと、冒険者ギルドがある街か!」
「そうだ、ギルドに登録して冒険者になるつもりだ。そうしてゆっくりとハーレムを築き上げていく計画だ」
冒険者ギルドでは様々な仕事や情報が舞い込み、うまく生き抜いていけば地位も財産も手に入れられる。この世界では憧れの場所だ。だが当然、冒険者になるにはそれにふさわしい力がいる。
「で、でもよ、冒険者になんてなれるのか? お前のスキルは強力だが……乱用してると絶対やばいぞ」
「大丈夫だって。俺には強い味方がいる、巨乳の美少女剣士がな」
「えっ、美少女剣士? しかも巨乳って……そんな奴お前の知り合いにいたか? いるなら紹介してくれよ」
「いるよ、目の前に」
マットは一瞬ぽかんと沈黙する。そしてやっと俺が言うのがマット自身のことだと気付いたらしい。
「お、俺かあ!? び、美少女はともかく、剣士ってのはなんのことだ」
「お前のスキル【剣聖】だろ」
「あ、忘れてた。で、でもよ、俺の体じゃ……」
「今は長身の美少女だろ。まあその胸のは邪魔かもしれないけどな、っと」
「んっ……つ、つつくなバカ!」
冗談はさておき、【剣聖】スキルを授かったマットは鍛えればちゃんとした剣士になれる。そもそもそのスキルが与えられた時点で逆説的にマットには剣士の才能があったということだ。
「でも実際神官様は僧侶系最上位職だし、フェンも狼の身のこなしとかあるだろ? 今の俺らがそのまま冒険者になってもなかなかのパーティだぞ? 足りないのは魔術師くらいで」
「たしかに……魔術師か……今から行く人が仲間になってくれればちょうどいいな」
「どうだろな、ゴズさんみたいな例もある、まあその点はおいおいだ。いずれにせよ一段落ついたら一旦帰らないとな、冒険者になるとなると父さん母さんにも何か言っておきたいし」
そうして俺らが話していた、その時だった。
「きゃーっ!?」
突然の悲鳴が店内に響く。驚いて声のした方を見ると、入り口の辺りが騒がしい。
なんと1匹の猿が店内に紛れ込んでいた。
『ウキャキャッ』
猿は驚く人々を尻目に店内を暴れまわった。テーブルの上を飛び回り、椅子は倒し、その上の料理をぶちまける。並べてあったビュッフェもことごとくぶちまけられてしまった。
「こいつッ!」
「待て!」
慌てて店員や客が捕まえようとする、一部の人間はスキルすら使っていた。
『キャッキャッ』
だが猿は素早い身のこなしでそれらを悉くかわし、天井に掴まりけらけら笑う。いつの間にかその手に店から盗んだ食べ物が握られていて、慌てる人間たちを見下ろしてうまそうに食べていた。
「さ、猿? なんだいきなり」
「エサを探して迷い込んじまったのか? しっかし素早い猿だな」
俺らも猿を見上げていると、猿がこちらを見た。かと思った次の瞬間、猿は俺らの方に飛び掛かってきた。
『ウキャー!』
「う、うわああっ!?」
「マット!?」
正確には猿はマットに飛び掛かったのだった。猿は俺らの机の上に飛び乗ると、あろうことかマットの胸に抱き着いた。メロンサイズのたわわなそれに体を埋めすりすりとする。
『ウキャ~~~』
「こ、この、エロ猿……ううんっ」
猿は細い指でむにむにと胸をいじりマットは頬を赤くして動けない。俺も思わず見入ってしまった。
「セ、セイ! 見てないで助けてくれよ!」
「あ、わ、わかった」
我に返り猿をなんとかしようとする俺だが、あの身のこなしでは俺には捕まえられそうにない。ならもう奥の手だ。
「えいっ!」
「うわっ!?」
俺はスキルを使った。猿の体が光に包まれて、重量が増したためかマットがそのまま後ろに倒れる。
やがて光が晴れた時、そこにいたのはマットの巨乳を嬉しそうに鷲づかみした、ツインテールの少女だった。ブラウンの髪で服は簡素なもの。長い尻尾がくるくる動いていた。
「きゃっきゃ~……う? あれ?」
「こ、この野郎っ!」
「うきゃー!?」
体が大きくなったためにちょこまか動くことはできず、困惑もあって猿はマットに捕らえられた。やれやれと店内から安堵の声が漏れる。
とその時、何者かが店内に駆け込んできた。
「す、すみません! ここに猿が来ませんでした!? 茶色くてしばしっこい……」
駆けこんできたのは少女だった。店内の惨状を見て何かを察したのかあちゃーという顔をする。黒い髪のポニーテールで、年齢も背も俺(美少女化した俺)と同じくらい。魔術師らしいローブに身を包み、手には木の杖を持っていた。
俺はその姿を見てあっと声を出す。その風体を、実は聞かされていたからだ。
「その……もしかして、魔術師のルナルさん?」
俺が尋ねると、魔術師の少女……ルナルは頷いた。
そう、実はこの少女が俺らが訪ねる予定だった魔術師なのだ。まだ16歳の少女だが実力は優秀とゴズさんの太鼓判だ。
「そ、そうですけど……その、実は私の相棒のモンチーが逃げ出しちゃって、探してたんですけど、ここに来たみたいですね。今はもう他に行っちゃったんですか?」
「えーと、そのー……」
俺が説明に困っていると。
「あっ、ルナル!」
マットに抑えられてた元猿の少女、十中八九モンチーがルナルを見て声を上げる。そしてマットの腕を振り払うと彼女に駆け寄った。
「ルナル、見ろよこれ! オレ女になってるぞ! うきゃきゃっ」
「え? え? ど、どういうこと?」
「あー、そのですね、それも含めて説明したいことがあってですね……」
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