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青春ゲーム!

天海愛米

4章 二人の決意



時刻は朝6時。
最近いろんな奴のせいでなかなかゲームする時間が無かったからな。一段落着いた今しかない。

「全然やって無いからなー。ランキング抜かされてるんじゃねえのか?」

そう言って昨日の夜7時にはネトゲを始め、11時間ぶっ通しでやっている。

「そろそろ支度するか」

俺はいつも通り準備をして、制服の袖に腕を通して家を出る。


学校に着いたら早々面倒くさい事が起こった。
「英治くん、おはよう」
「ああ、おはよう」
「ちょっと来て」

如月に連れられやって来たのは、小さな1つの部屋だった。

「何だここ」
「紹介するね」
如月はコホンと咳払いをして、

「ここが、私達ゲーム部の部室よ!」


「そうですか」
「何その反応!?」
別に部室なんかどうだって良いのだが。

「それで、ゲーム部最初の活動!」
「何をするんだ?」

もう何を言われても驚かないぞ。それなりの覚悟は出来ている。

「━━部員を集めよう」
「は?」

「だから、今ゲーム部は私達以外にいないでしょ?」
「それはまあ、そうだろ」
「だから、直接勧誘するの!」
「……それを俺もやれと」

今日も1日ダルくなりそうだ。



その後、小一時間ほど校舎内を歩き回ったが、1人もイエスとは言わなかった。

「なあ如月。これ俺らじゃ無理なんじゃ……」
「そんな事無い!次だよ!」

根性だけはあるな、あいつは。
だが、目の前であっさり断られてるあいつを見てると、なんだか可哀想に見えてくるな。


「ダメよ」
「いや、一人二人で良いんだ。頼む」
「それはできないよ」

立花は指でХマークを作り、俺の頼みを一蹴した。
「俺見たいなヒキコミュ障ニートじゃ話にならないんだよ。まずみんな耳を傾けてくれない」
「だからって私を使うのはダメだよ」
「……やっぱダメか」

落ち込んでいる様子の俺を見て、立花が話を持ち掛けて来た。

「なら、こういうのはどう?」


「なるほど、ポスターね。さすが霞純ちゃん」

立花が言った、『こういうの』とは。
つまり、宣伝である。

「他にチラシも配ったりして、部員を集めるぞ」
「何だか英治くん、今日はやる気だね」

「━━まあな」

お前の姿と熱意に免じて仕方無くだ。
なんてのは俺の口からは言えないがな。

「さあ、勧誘を始めるよ!」
「……おぉー」

それから約2時間後。

「はぁ、はぁー……。こんなに走ったの始めてだぞ……」
「だ、だって、英治くんは引きこもりのニート、だもんね……」
「今のはいらない」

さりげなく馬鹿にされてる気がした。いや、気がしたじゃなくてされてた。

「で、どうだ?そっちは」
「えーっとね、宣伝を始めて30分ぐらいして、考えとくって言う人達が沢山いたよ」

それはあまり期待できないな。

「英治くんの方は?」
「うん、まあそんな感じだ。……ただ、1人だけ入りたがってた様な素振りを見せてたぞ」
「そっか、来てくれると嬉しいね」
「ああ」

そう言って俺らは、勧誘を再開した。

それを遠くから見守る立花は、どこか寂しげな表情を浮かべていた。

「頑張ってね、二人とも」


「あぁー、全然来ねぇ!」
俺は精神が崩壊しかけていた。

「大丈夫?英治くん」
そう言う如月も、まだ1人も上手く行っていない。

「……もうこれ、二手に別れた方が良くないか?」
「そうだね。じゃあ5時に部室に集合ね!」




「どうですか?ゲーム部に入ってみませんか?」
「いや、ゲーム部ってただ遊んでるだけでしょ?」
「違います!ちゃんとゲームで……」
「もう良いよ。何かそう言うの、陰キャラ扱いされて、友達居なくなりそう」
「……そうですか」


「……またダメかー!」

部員の勧誘を始めてからおよそ9時間。

今までに何度と無く断られて来たが、あんな態度をされたのは初めてだった。

誰もが簡単に口にする。
けれど、私には一切縁の無い言葉。



━━友達、か。




そして約束の5時。
ゲーム部の部室にて、今日の成果を教え合った。

「……結局、1人も来なかったね……」
「……ああ」


「……如月はさ」

「どうしてゲーム部なんて創ろうと思ったんだ?」

長い沈黙に耐えきれず、俺はそう問いだした。

「……それはね」
そして帰って来た答えは、予想だにしないものだった。



「私ね、昔━━いじめられてたの」



「そ、そうなのか……?」

嘘だろ。こんな美少女がいじめられたりするのかよ。

「親の仕事の都合でしょっちゅう引っ越して━━その度に転校して、馴染めないうちにまた転校━━。そんなの、友達なんて出来るわけ無いよね」

「せっかく仲よくなれそうな子とも別れて、友達が出来たと思ったらあっという間に独りぼっち。……もう人生が嫌になったよ」

「……………」

「でも、そんな時私を救ってくれたのが━━ゲームだった」


現実世界こっちでは友達もいなくて何もできない私だけど……仮想世界ゲームの中でなら、何でもできる」

「私は、私の思い描いた自分になりたかった。それがゲームであれ、何であれ……。だからずっと、ゲームの中で生きてきた感じ。」

「……………」
俺は返す言葉が見つからない。

「……まあ、現実の方も捨てた訳じゃ無いけどね!」

重い空気を和ませようとする如月。

「次は私の番だよ。……英治くんは、どうしてゲームをするの?」

━━何の為にゲームをするのか。
それは、おそらくゲーマーにとっての永遠のテーマであると俺は考えている。

かくいう俺も、何の為にゲームをするのかは、定まってはいないのだが。


だから、今言える事は一つだけである。

「……俺が何故ゲームをするのかなんて、自分でも分からない」

「ただ一つ言える事は、俺はゲームが無きゃ生きていけないって事だ」

そして、今まで言いたかった事が━━。
何年もの間抑えていた気持ちが、溢れ出す。

「ゲーム自体そんなに特別好きって訳じゃ無いけど、ゲームが無ければ俺は何もできなくて、ゲームが無ければ俺はどうしようもない社会不適合者のクソニートで……、ゲームが無ければ、俺という存在は無くなっているかも知れない」

そう、捲し立てた。

「……まあ、俺にとってゲームは、俺が初めて夢中になった物で、お前の言った通り、仮想世界ゲームの中で生きて行こうと思えるんなら━━」



「友達なんて、恋愛なんて━━必要無いだろ」



━━そう、力強く、言い切った。

「……それ、は…」
「…けどまあ、お前の意見は間違っていないと思うし、そのままの考えで良いと思う」
「……違う」

その時の如月は、とても表現できない様な表情を浮かべていた。


憤怒、心配、不安……。
そのどれともとれない感情を抱いているのが分かる。

「……英治くんは、間違ってるよ…」
「……………」
「確かに私は言った。ゲームの中で生きていたいと。…だけど、人として生きていく上で、友達も、恋愛も、そのどれも必要なんだよ……。ゲームしかできないから友達なんて要らないなんて、そんなの、ただの言い訳でしか無いよ!」

「如月……」

「今からでも人生をやり直せるんなら。辛い現実でも、誰かとなら正面から向き合えると言うんなら」

如月は僅かに目に涙を浮かべて、言った。

「同級生として、同じ部員として、そして━━友達として」
「一緒に、歩んで行こうよ」

何に向かってかは、明言していないが。
ああ。共に歩いていこう。俺らだけの道を。


「……そうだな」
「…そういえば、英治くんシリアスモードは嫌いだったよね」
「よく知ってるな。ぶっちゃけ今回耐えきれるか心配だった」

「今日は新入部員ゼロだったけど、明日から頑張ろうね」
「あー…、そうだった」


その時、不意にドアを叩く音がした。
「……?どうぞ」
「あ、あのー」


「ゲーム部って、ここで合ってますか?」



ぐぅぁあああああ!!!!!つっかれたぁああああ!!!
いやもう、何がって、ラストシーンですよ、ラストシーン!!
シリアスな展開が嫌いって言うのは、実際英治くんではなく僕の意見です。だから書くの遠慮したんですけど、それじゃつまらないから書きましたよ、はい。

さて、『青春ゲーム!』も早くも4章が終わり、次は5章ですよ、ゴショウ!
なんだか異常に投稿ペースが早すぎて読者様から『こいつ適当に書いてやがるな』とか思われてそうで怖いです。これでも自分なりにちゃんと書いてるつもりですからね!

えーっとですね……。次回から、一章一章が長くなります(投稿ペースを遅くするためry)。より読みやすく、面白くなればと思っております。

では、今後とも応援よろしくお願いします。

P,S
フォロー数10超えました。皆さん有り難うございます。

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コメント

  • 天海愛米

    返信遅れました。頂いて何よりです!

    1
  • とろろ

    うぽつです。
    今回はあらすじのセリフが出ましたね!
    部室勧誘からシリアス展開への移動
    とても楽しませていただきました

    1
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