青春ゲーム!
3章 俺が嫉妬なんてされるわけがない
▼
「………どういう事?」
「いや、それはだな……」
穏やかな過ごしやすい気温と天気が続く4月下旬。
まだ新しいクラスにはあまり馴染めていないが、たまに話しかけてくれる人もいる。
転校生の如月とは、なんやかんやで良い関係を築いている。
少し前の俺からしたら考えられない事だ。
そんな平和な日々をぶち壊してくる奴が1人、いた。
「あの時のはどういう事なの?」
立花霞純。
俺とは去年、今年と同じクラスであり、我が校の優等生である。
学業、運動、そして人間性どれをとっても完璧であり、この学園の大半の者から支持を集めている。
「だーかーら!俺は如月に誘われて一緒に街を歩いてただけ!決して怪しい関係じゃ無い!」
「……本当に?」
「お前どこまで疑うんだよ……本当だ」
「うーん……」
なんで俺そんなに責められてんの?
どうやら立花は俺と如月が付き合っていると思っているらしい。
普段は優しくて頼り甲斐のある奴なんだけどな……。
「あのな立花。お前は色々と勘違いしている」
「どの辺で?」
いや、どの辺っつーか、もう最初から違うんだよな……。
ひとまず俺は全てを話した。
「えーっと、ゲーム部ってまず何?」
「それは俺にも分からん」
「そんな部を創ろうとしているの?」
「いや多分、ただ遊ぶだけじゃなくちゃんと大会にも出て、互いに競い合う素晴らしい部だ」
こんな大嘘を吐いて大丈夫だろうか?
「……それなら納得」
納得したらしい。
「ならその件は解決だな。……次は」
「本題に移るよ」
また始まる。何がって拷問が。
(もういっそ本人呼ぶか?いや、そしたら余計ややこしくなる……)
と、その時。
「英治くん!ゲーム部の事なんだけど……」
「あ」
「……………」
なんでこんな時に来るんだよコイツぅうう!!
「……それで、英治くん、如月さん」
「「はい」」
「あなた達はすばり、その、そういう関係なの?」
「違う」
「違いますよ」
即答してやった。
「お、俺達はそんな関係じゃないよな?なあ如月くん」
「そ、そうよね英治くん。べ別に恋人同士とかそそそんな訳無いよね!」
「……………」
どんだけ緊張してんだコイツは。かえって怪しまれるわ。
「……………」
「「……………」」
「そうなんだ。ごめんね、疑ったりして」
「ああ、俺らは大丈夫だ」
なんとかやり切った様だな。
「所でゲーム部って何?」
はい来た確信に迫る質問ー!!
なに?さっき納得してなかったっけ?
「日頃の練習の中で鍛えたお互いの持てる力を大会にて出しきり戦う。それにより協力する事と努力の大切さを知ることができ、更なる高みを目指して切磋琢磨する事もできる。私はそんな意図を持って、このゲーム部と言う物を創りました」
コイツはコイツで何言ってんの?変な所で無駄な才能発揮しなくて良いから!
「それは分かったわ……ゲーム部は何の為にあるの?」
さっきと同じ意味だろうが!話が一歩たりとも進展してねえよ!
「ゲームとは遊びでは無いのです……。1つの競技、すなわち己を鍛える物なのです」
何言ってんだよお前は!ゲームはゲーム!1つの娯楽用具なんだよ!
「ゲーム部を創って何をするの?」
「…己を鍛える為の活動に没頭します」
「それは具体的に言うと?」
「……ゲームです」
もうお前適当じゃねえか!ゲームで何を鍛えるんだよ!引きこもりにしかならねぇよ!!
━━その後、二人の謎の討論は二時間ほど続き、やがて二人は疲れきった様にその場に倒れこんだ。
「はぁ、はぁ……なかなかやるわね」
「き、如月さんこそ、やるじゃない」
……何だこの永遠のライバルと巡り会ったみたいなシチュエーションは。
「……良いわよ。ゲーム部の創部、許可してあげる」
「やったね英治くん!……あれ?けど、まだ先生達の許可が……」
「如月。教えてやろう。この立花霞純はな……」
━━そう。
彼女は、この国のでは有名で、国会の理事長を務める政治家、立花都澪の1人娘━━立花霞純なのだ。
つまり。
彼女に逆らうという事は、この国を敵に回すという事なのだ。
「へー、そうなんだ………って、ぇえ!?」
「ふふーん。だから、私が言えば何でもしてくれるよ。……悪い事には使わないけど」
立花は鼻高々にそう言い放った。
「……改めて言うわね。あなた達は、今日からゲーム部の一員。まあ色々頑張ってね」
「ありがとう、立花さん!」
「霞純で良いよ」
「ちょっと待って、俺も入ることになってんの?」
「当たり前でしょ!」
「頑張って、英治くん」
「え、何で意見が逆転してんの?さっきまでお前、過剰に反対してたよな?」
色々と付いて行けてないぞ。
「行くよ、英治くん!」
「あーもう、やるしかないのかよ!」
こうして、俺の青春ゲームが、幕を開けた。
どうも、天海です。
今回、丸1日掛けて書くことができました。
そのせいか、恐ろしく早い投稿ペースと、恐ろしい内容の薄さが所々見られます。
「如月ってこんなキャラだっけ?」
と思った方も少なくないと思います。
元々如月菜種というキャラクターは、清楚な振る舞いで、それでいて大胆な所もあるという感じにしたのですが、今回は僕の手違いで完全なるボケに回ってしまいました。大変お詫び申し上げます。
長くなってすみません。
次回からは、投稿ペースも考え、皆様が楽しんで頂ける展開を用意して参りますので、どうか楽しみにしていただければ幸いです!
それでは!
「………どういう事?」
「いや、それはだな……」
穏やかな過ごしやすい気温と天気が続く4月下旬。
まだ新しいクラスにはあまり馴染めていないが、たまに話しかけてくれる人もいる。
転校生の如月とは、なんやかんやで良い関係を築いている。
少し前の俺からしたら考えられない事だ。
そんな平和な日々をぶち壊してくる奴が1人、いた。
「あの時のはどういう事なの?」
立花霞純。
俺とは去年、今年と同じクラスであり、我が校の優等生である。
学業、運動、そして人間性どれをとっても完璧であり、この学園の大半の者から支持を集めている。
「だーかーら!俺は如月に誘われて一緒に街を歩いてただけ!決して怪しい関係じゃ無い!」
「……本当に?」
「お前どこまで疑うんだよ……本当だ」
「うーん……」
なんで俺そんなに責められてんの?
どうやら立花は俺と如月が付き合っていると思っているらしい。
普段は優しくて頼り甲斐のある奴なんだけどな……。
「あのな立花。お前は色々と勘違いしている」
「どの辺で?」
いや、どの辺っつーか、もう最初から違うんだよな……。
ひとまず俺は全てを話した。
「えーっと、ゲーム部ってまず何?」
「それは俺にも分からん」
「そんな部を創ろうとしているの?」
「いや多分、ただ遊ぶだけじゃなくちゃんと大会にも出て、互いに競い合う素晴らしい部だ」
こんな大嘘を吐いて大丈夫だろうか?
「……それなら納得」
納得したらしい。
「ならその件は解決だな。……次は」
「本題に移るよ」
また始まる。何がって拷問が。
(もういっそ本人呼ぶか?いや、そしたら余計ややこしくなる……)
と、その時。
「英治くん!ゲーム部の事なんだけど……」
「あ」
「……………」
なんでこんな時に来るんだよコイツぅうう!!
「……それで、英治くん、如月さん」
「「はい」」
「あなた達はすばり、その、そういう関係なの?」
「違う」
「違いますよ」
即答してやった。
「お、俺達はそんな関係じゃないよな?なあ如月くん」
「そ、そうよね英治くん。べ別に恋人同士とかそそそんな訳無いよね!」
「……………」
どんだけ緊張してんだコイツは。かえって怪しまれるわ。
「……………」
「「……………」」
「そうなんだ。ごめんね、疑ったりして」
「ああ、俺らは大丈夫だ」
なんとかやり切った様だな。
「所でゲーム部って何?」
はい来た確信に迫る質問ー!!
なに?さっき納得してなかったっけ?
「日頃の練習の中で鍛えたお互いの持てる力を大会にて出しきり戦う。それにより協力する事と努力の大切さを知ることができ、更なる高みを目指して切磋琢磨する事もできる。私はそんな意図を持って、このゲーム部と言う物を創りました」
コイツはコイツで何言ってんの?変な所で無駄な才能発揮しなくて良いから!
「それは分かったわ……ゲーム部は何の為にあるの?」
さっきと同じ意味だろうが!話が一歩たりとも進展してねえよ!
「ゲームとは遊びでは無いのです……。1つの競技、すなわち己を鍛える物なのです」
何言ってんだよお前は!ゲームはゲーム!1つの娯楽用具なんだよ!
「ゲーム部を創って何をするの?」
「…己を鍛える為の活動に没頭します」
「それは具体的に言うと?」
「……ゲームです」
もうお前適当じゃねえか!ゲームで何を鍛えるんだよ!引きこもりにしかならねぇよ!!
━━その後、二人の謎の討論は二時間ほど続き、やがて二人は疲れきった様にその場に倒れこんだ。
「はぁ、はぁ……なかなかやるわね」
「き、如月さんこそ、やるじゃない」
……何だこの永遠のライバルと巡り会ったみたいなシチュエーションは。
「……良いわよ。ゲーム部の創部、許可してあげる」
「やったね英治くん!……あれ?けど、まだ先生達の許可が……」
「如月。教えてやろう。この立花霞純はな……」
━━そう。
彼女は、この国のでは有名で、国会の理事長を務める政治家、立花都澪の1人娘━━立花霞純なのだ。
つまり。
彼女に逆らうという事は、この国を敵に回すという事なのだ。
「へー、そうなんだ………って、ぇえ!?」
「ふふーん。だから、私が言えば何でもしてくれるよ。……悪い事には使わないけど」
立花は鼻高々にそう言い放った。
「……改めて言うわね。あなた達は、今日からゲーム部の一員。まあ色々頑張ってね」
「ありがとう、立花さん!」
「霞純で良いよ」
「ちょっと待って、俺も入ることになってんの?」
「当たり前でしょ!」
「頑張って、英治くん」
「え、何で意見が逆転してんの?さっきまでお前、過剰に反対してたよな?」
色々と付いて行けてないぞ。
「行くよ、英治くん!」
「あーもう、やるしかないのかよ!」
こうして、俺の青春ゲームが、幕を開けた。
どうも、天海です。
今回、丸1日掛けて書くことができました。
そのせいか、恐ろしく早い投稿ペースと、恐ろしい内容の薄さが所々見られます。
「如月ってこんなキャラだっけ?」
と思った方も少なくないと思います。
元々如月菜種というキャラクターは、清楚な振る舞いで、それでいて大胆な所もあるという感じにしたのですが、今回は僕の手違いで完全なるボケに回ってしまいました。大変お詫び申し上げます。
長くなってすみません。
次回からは、投稿ペースも考え、皆様が楽しんで頂ける展開を用意して参りますので、どうか楽しみにしていただければ幸いです!
それでは!
コメント
天海愛米
いつもコメント有り難うございます!自分の作品を読んでいただいている読者様からのコメントで励まされています。頑張りますとも!投稿も執筆も!
あ、画像変えました。可愛らしいトカゲちゃんからキレイな画像へ。ググったら出てきたんでそれ使いました。
とろろ
うぽつです。
今回も楽しませていただきました。
新しいキャラが出てきてこれからの青春ゲームが楽しみです。
投稿は主さんのペースで頑張ってください。