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青春ゲーム!

天海愛米

2章 転校生がやってきた



さて。
状況を整理しよう。

まず、俺に何が起こっているかと言うと━━美少女と町中を歩いている。

おそらく、大抵の人は意味が分からないだろう。


━━時は遡る。


新学期の始まるあの日。

俺は、新しいクラスの書かれている紙を見つめていた。

(俺のクラスは……あ、あった)

無論、友達のいない俺には、他のクラスなど気にする必要が無いため、そのまま教室へと向かった。

廊下を歩いている俺の前に、誰かが走ってきた。
その姿には見覚えがなかった。……いや、いくら友達がいないとはいえ、流石に同級生の名前や姿くらい大体は分かる。

その人は俺に気付く間も無く、そのまま俺と衝突した。

「いってぇ!」
「きゃあ!」
「あ、す……すみません」
「い、いや、走ってた私が悪いの!ご、ごめんね!」
「は、はあ……」

ほんの一瞬の出来事。
だが、俺の美少女レーダーはそれを逃がさなかった。


━━あれは、誰もが認める美人だ!


「てか、誰だったんだ……?」
結局それについては知れなかったが、その後すぐに判明した。


「━━どうも、この春から転校してきた如月菜種きさらぎなたねです!」


あーはいはい。転校生ね。
なるほど、道理で分からない訳だ。

よく見ると、周りの男子達はなにやら騒いでいる。

「見ろよあれ……可愛い!」
「すげー美人だ!」
「ああ、めっちゃ綺麗!」

よくあるパターンだな。


教室へと戻った俺は、そこでさっきの転校生と会った。

「あ、さっきの人?あの時はごめんね!」
「ああ……気にしないでください」
「て言うか、あなたもこのクラスなの?」
「は、はい……」
「じゃあ一緒だね!」
「そ、そうですね」


なにこの子。すげえフレンドリー。


「えっと、転校生……なんですね」
「そうだよ!あと、敬語はいらないよ!」
「あ、ああ……」


なんだか話しづらい奴と関わってしまったな。



その日の夜。

俺はいつも通り帰宅後にゲームをしていた。

「ふぅ~、風呂でも入るか」

そう言ってドアノブに手を近づけた瞬間。


俺の顔にドゴンと何かがぶつかった音がした。

━━ドアと顔面が正面衝突してました。

「ぐあぁぁぁ顔痛えぇぇぇ!!」
と、その時。

開いたドアから1人の少女が顔を出した。

「おーっす。お兄ちゃん、お風呂あがったから入って良いよ」
「わ、分かったが妹よ……ドアを開ける際にはノックすることを請願するぞ……」
「あ、ごめん」

この無責任な少女は俺の妹、塩浦麗美しおうられみ(通称レミ)だ。

成績優秀、スポーツ万能、スタイルも抜群と、まさに完璧超人だが、少し抜けている所もある、俺とは似ても似つかない妹だ。


「またゲームやってんの?ちゃんと勉強もしなよ」
「分かってるよ」

俺の家は両親が仕事で居ないため、妹のレミが家事などをこなしている。


俺はゲームをしながら、あの転校生如月の事を思い浮かべていた。

「……何者なんだ、あいつ」




ある日の帰り道。

俺が歩いていると、後ろから誰かが近づいてきた。

「英治くん!」
「あ、如月……だったっけ」

新学期が始まって、如月がこの学校に来て以来、あいつはたまに、と言うかよく俺に話しかけてくる。

「今日、一緒に帰れる?」

ほら、こんな事も言ってくるんだぜ。
「━━えぇ!?」
「ど、どうしたの?」

知り合って間もない女の子と一緒に帰るウゥゥ!!?
それはもう、俺の人生ではありえない奇跡だぞ!?

「あ、ああ……何でもない」


━━10分後。


俺と如月は、とある店に来ていた。
そこには、数えきれない程のパッケージとゲーム機器の数々。━━つまり。

「わぁー、沢山あるねー!」

そう。ゲームの専門店である。

つい数分前。
「ねえ」
「はい」
「あなたに頼み事があるんだけど……」
「なんだ?」


「私と一緒にゲームを買いに行かない?」


「ちょっと意味が解らない」
「だから、あなたはゲームが好きでしょ?」
「ん~まあ、嫌いではないな」
実際は、授業中暇だからやってるだけなんだけどな。

「実は私もゲームが大好きでね!」
「ほう」
「で、最初はゲーム部でも創ろうと思ったんだけど、当然ダメだろうし、そもそも人数が足りなきゃ論外だからね。そこでまずは部員を探しているの!」

「……で、俺に言いたい事は?」
「私とゲーム部に入ろうよ!」
「いやです」

即断してやった。



そして今に至る。
「あ、こんなの部室に置いたら素敵じゃない?」
「そもそもゲーム部が素敵じゃない。て言うか部室なんてあるわけないだろ」
「もう、真面目に考えてよ!」
「真面目に考えた結果その結論に至ったんだが」


そんなこんなで時刻は夜19:00。
「じゃあ俺はそろそろ帰るけど……お前はどうするんだ?」
「もう少しいるかな。この街の事もっと知りたいし。親が仕事であまり帰ってこないから」
「それは俺も同じだな」

ずっと自分だけだと思っていたけど、案外そんな物なのかもな。
そんな事を考えていたその時。

「……英治くん」
「今度は何だ?」
「━━今日はありがとう。英治くんと過ごせて楽しかったよ」
「何だそれ、お前死ぬのか?」

俺はシリアス系は苦手だ。

話を反らすためのボケを、だが「ふふっ」
とはにかんで。

「それじゃあね。また明日」
「おう。気を付けろよ」

そんな二人の姿を。
木の陰から覗く者がいたなど知る由も無いだろう。

(え、ええぇぇぇぇ!!)

また面倒くさい事が起こりそうだ。

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コメント

  • 天海愛米

    コメント有り難うございます。今回、かなり急ぎで書いていたのもあって、内容が薄くなってしまった所もありましたが、楽しめて頂けて何よりです。
    次回も楽しみにしていただければ幸いです!

    1
  • とろろ

    うぽつです。
    今回もとても面白く、楽しめました。
    次回の展開がとても気になります。

    1
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