異世界で旅を〜異世界チートは必須でしょ?〜

ちゃまたん

本城敢と聖女様?

 どうも皆さん初めまして、勇者です。
 本名は、本城ほんじょういさみと言います。17歳です。こんな名前ですが一応女なんです。
 お父さんは頭が固いうえに変に偏っていて、何にでも挑戦を出来る様な強い子に育って欲しいという願いから、この名前をつけると決めていたようです。だからって女の子にこの名前はちょっと首をひねりたくなります。

 私の生まれの方は初めて日本にペリーさんが来日した場所の近くで、夏になると祭なんかで少し騒がしくはなりますが、いたって長閑のどかな海街です。

 そんな前置きはさておき、私が今いるのはその長閑な田舎の海街……ではなく、そもそも日本ではありません。更に、話を聞くところによると地球でも無いようです。では、ここは一体どこなのかというと、【アディラ】という世界の【レギアナ王国】その隣に位置する【ニドリアス聖国】というらしいです。

 そして私、本城ほんじょういさみはこの国、【二ドリアス聖国】の人達に勇者としてお呼ばれしたみたいです。とは言っても、私には勇者というのがどういう物なのか分かりません。なので、私を喚びだしたと思しき女の人に聞いてみたのですが、なんでもこの世界の平和のために、再びこの世界に誕生した魔王や悪い人達を倒すのがお仕事みたいです。ですが、私は力のないただの人間なのでそんな事は出来ません。それを伝えると、その女の人はとてもいい笑顔で、

「召喚された勇者様は女神アーク様の寵愛を受けておりますので、心配はございません」

 との事でした。女神様の寵愛って一体なんなのでしょうか? アーク様って誰ですか? 本当にいるんでしょうか? なんて私が疑問に思っていると、今度は青い水晶の板ような物を私の前に置きました。

「さぁ勇者様、貴女のステータスを調べますので、こちらの水晶に手を置いてください」

 私は訳もわからないままなかば無理やり水晶に手を置かされました。すると、水晶は眩しいほどに光って、それが落ち着くと水晶に見たことのない文字が浮かび上がっていました。

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名前:本城ほんじょう いさみ

Lv:1
種族:人間
職業:勇者(聖国) ※職業補正
HP:200(※+300)
MP:200(※+600)
筋力:100(※+100)
魔力:500(※+500)
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[祝福]
【勇者】【魔術の心得】【看破】【武術の心得】
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[スキル]
【武術Lv:6】【算術Lv:6】【平和Lv:7】【家事Lv:8】
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[魔法]
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[回復魔法]
【ヒールLv:1】【エリアヒールLv:1】
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[攻防魔法]
【ファイアボールLv:1】【ウォーターボールLv:1】【エアロスタンプLv:1】【ダークボールLv:1】【ライトボールLv:1】【ホーリーLv:1】【ライトニングLv:1】【クレイシールドLv:1】【ファイアーウォールLv:1】
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[無属性魔法]
【プロテクトLv:1】【マジックプロテクトLv:1】【サーチLv:1】
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[称号]
召喚者・聖国勇者・平和主義・箱舟の選定者候補
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「おぉ!」「流石は勇者様だ!」
「レベル1でここまでのステータスをお持ちになっているとは!」「これは歴代の召喚された勇者の中でもかなり高いぞ!」

 その文字をを見るなり、周りにいる人達は歓喜の声をあげました。私は詳しいことは分かりませんが、どうやら良い結果だったみたいです。ですが、そんな事よりも浮かび上がった文字は全く見たことのない文字なのに、何故か読めてしまう事がとても怖かったです。

「とてもいい結果で、我々もとても喜ばしい事です。これでこの国も救われる事でしょう。それでは、これから勇者様のお部屋へ案内をさせて頂きます。 他の者は各々、仕事に戻りなさい」

「はい、聖女様。 それでは勇者様、私共はこれで失礼します」

 なによりも、誰もが誰も私を見ているのに私を見ていない、もっと言えば人間として見ていない様な気がします。 聖女様はずっと笑顔なのでどう思っているかなんて分かりません。

「勇者様、勇者様のお部屋に着きました」

 そんな事を考えていたら、いつのまにか部屋の前まで来てしまいました。

「このドアには特殊な結界が張ってあるので、例外がない限り【勇者】の称号を持つもの以外は開ける事が出来ないのです。 不思議なことに勇者様のいない間は普通に解放されていますけどね」

 ドアの解放がどうというより、ドアを開けられる例外がものすごく気になるのですが、聞いたところでキチンと答えてくれそうにないですよね。

「次に部屋の中のご説明をしますので、中にお入りください。」

 私にしか開ける事が出来ないからか、先に入る事を促して来ました。少し怖いです……が!ここは度胸です! お父さんも『男も女も度胸が大事だ! 気合いと度胸があれば大抵のことはどうとでもなるっ!』と言っていましたし!
 私は意を決してドアを開けます。そして、ドアの向こう側には、眼を見張るほどに広い部屋が広がっていました。 多分この部屋1つで私の家族は満足して一生を暮らせると思います。

「とっても広いお部屋ですね」

 素直な感想を口にすると聖女様は嬉しそうにして部屋について話し始めました。

「そうでしょう? この部屋はもともと、初代勇者様の為に用意された部屋なのです。 結界によって、部屋の外に音が漏れることはありませんし、勇者様が快適に過ごせる様に、常に魔道具で温度などが管理されているのです」

「それは便利ですねぇ」

 そんな説明を聞きながら、キングサイズよりも大きいのではないかと思うほど大きなベッドの前まで来た時でした。 ドアを閉める音とほぼ同時、景色が回転して、気付いた時には私は聖女様にベッドに押し倒されていました。

「せ、聖女様……?ど、どうされたのでしょうかぁ……」

 私は驚きで硬直する中、言葉を捻り出して聖女様に問いました。

「今から貴方に大切な事を伝えます。 これは貴方の未来を守る為に必要な事です。貴方がそれを実行するか否かは貴方の自由ですが、実行しないのであれば、貴方に待つのは死ぬ方がいいと思うような日々になる。 確実に」

「え、えぇぇ……」

 帰ってきた答えが斜め上過ぎて、すぐに言葉を返す事が出来ませんでした。


 この世界に来て早々にこんな状況になるなんて、私は一体この先どうなるのでしょうか?

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