異世界で旅を〜異世界チートは必須でしょ?〜
夢、そして神?
気がつくと真っ白な空間にいた。上も下も無いような、もちろん方角すらも分からないような、そんな空間だった。
俺はそんな空間が夢である事を自覚して、そして知っている。何故なら、白い空間が少しづつ黒くなっていき、気がつくと朝になっているからだ。
そんな感じの事がここ数日続いているので最近はもうそこまで気にもしなくなってきていた。強いて言うなら少し、というかかなり暇である事ぐらいだろうか。
体感的には30分弱程で目が覚めるので苦痛というほどの事でも無い。日常生活にも支障は無いので完全に放置していた。
そんな中、ある日の夜、俺はまた真っ白な空間の夢を見ていた。しかし、今回は様子が違っていた。何が違うのかは分からない。でも何かが違う。雰囲気というか何というか、兎にも角にも、何時もとは違うと俺の直感がそう告げていた。
そうして10分、20分と過ぎていつものように30分が過ぎようとした時、上のほうから何か人のような影が降りてきた。
その人影が俺の少し遠くに降りてくると、ゆっくりと俺の方に近づいてきた。近づいてくるにつれて、その全貌が明らかになり、俺の前にくると、口を開いた。
————————————————————————
「やぁ少年、まずはここが夢だという事はその様子だと理解できているのかな?」
いきなりだった。
そう言ってきたのは男の人だった。
スーツ姿なのに髪の毛ははねていて手入れされていない、この真っ白な空間にはとても似つかわしく無い場違いな格好をしていた。と言うか何でスーツなんだろうか?
「えっと、はい、夢だという事は理解していますが、貴方は一体誰なのでしょうか?」
何を言えばいいのか分からなかったので、とりあえずは聞かれた事に答えて当たり前のことを聞いてみた。
それと、たとえ夢の中だとしても初対面なのに崩した口調を使うのは少し気が引けたので、丁寧な口調で話す事にした。
「あぁ、すまないね。私は数いる神々の中の1柱、世界神のアリルだよ、少年。」
世界神かぁ…俺は夢に神様が出て来るほど厨二病では無かったはずだとと思うんだがなぁ。あと、絶対凄い高い地位だよね、世界神。
そんな事を考えていると、
「安心してくれたまえ。これは君の妄想では無くて私が貴方の夢に介入したのだよ。」
どうやら厨二病などは関係が無いらしい。 よかった。これすらも俺の妄想かもしれないが。
そうだ、相手が名乗っているのにこちらが名乗らないのは筋が通っていないよな。
「初めましてアリル様。僕は依代宿と言います。」
「ヤドル君か。君の夢に介入しているのに名前すら知らなくて申し訳ないね。それと、私の名前に様付けはやめてくれないか?少々むず痒くてね。」
自己紹介をするとそんな事を言ってきた。
神様なのに様付けしないのもどうかと思うがなぁ。
「分かりました。ではアリルさんと呼ばせていただきます。」
「ああ、ありがとう。」
そんなやりとりをしたところで本題に入る事にした。
「ところで本題なのですが、アリルさんは一体何故、僕の夢の中に来たのですか?」
単刀直入にアリルに問うと
「そうだったね。まずは質問したいのだけど、ヤドル君はこの世界に未練はなんかはあるかな?」
未練?いきなりだな、どういう事なんだ?
「そうだね、簡単に言えば家族や友達とかかな?」
家族や友達かぁ。
俺は家族はいない。俺に兄や妹はいないし両親だって数年前に事故で死んでしまった。里親もいて優しくしてくれたけど、そこまで思入れもないからなぁ…
友達だって少し話す程度のものなので一概に友達とは言えないと思う。なので、
「そうですね、未練は全くというのは嘘ですが、ないと言ってもいいと思います。」
俺はアリルさんにそう言うと、
「そうか、未練がないならと言うのもおかしいが私の頼みを訊いてくれないか?」
この人、今まで全部いきなりなんだけど…
「頼み、ですか?」
「そうだ、その頼みなのだけどね……」
アリルさんは真剣な面持ちでこう言った。
「ヤドル君。君には異世界に行ってもらいたいのだよ。」
あぁ、これはアレだわ。
俺はそんな空間が夢である事を自覚して、そして知っている。何故なら、白い空間が少しづつ黒くなっていき、気がつくと朝になっているからだ。
そんな感じの事がここ数日続いているので最近はもうそこまで気にもしなくなってきていた。強いて言うなら少し、というかかなり暇である事ぐらいだろうか。
体感的には30分弱程で目が覚めるので苦痛というほどの事でも無い。日常生活にも支障は無いので完全に放置していた。
そんな中、ある日の夜、俺はまた真っ白な空間の夢を見ていた。しかし、今回は様子が違っていた。何が違うのかは分からない。でも何かが違う。雰囲気というか何というか、兎にも角にも、何時もとは違うと俺の直感がそう告げていた。
そうして10分、20分と過ぎていつものように30分が過ぎようとした時、上のほうから何か人のような影が降りてきた。
その人影が俺の少し遠くに降りてくると、ゆっくりと俺の方に近づいてきた。近づいてくるにつれて、その全貌が明らかになり、俺の前にくると、口を開いた。
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「やぁ少年、まずはここが夢だという事はその様子だと理解できているのかな?」
いきなりだった。
そう言ってきたのは男の人だった。
スーツ姿なのに髪の毛ははねていて手入れされていない、この真っ白な空間にはとても似つかわしく無い場違いな格好をしていた。と言うか何でスーツなんだろうか?
「えっと、はい、夢だという事は理解していますが、貴方は一体誰なのでしょうか?」
何を言えばいいのか分からなかったので、とりあえずは聞かれた事に答えて当たり前のことを聞いてみた。
それと、たとえ夢の中だとしても初対面なのに崩した口調を使うのは少し気が引けたので、丁寧な口調で話す事にした。
「あぁ、すまないね。私は数いる神々の中の1柱、世界神のアリルだよ、少年。」
世界神かぁ…俺は夢に神様が出て来るほど厨二病では無かったはずだとと思うんだがなぁ。あと、絶対凄い高い地位だよね、世界神。
そんな事を考えていると、
「安心してくれたまえ。これは君の妄想では無くて私が貴方の夢に介入したのだよ。」
どうやら厨二病などは関係が無いらしい。 よかった。これすらも俺の妄想かもしれないが。
そうだ、相手が名乗っているのにこちらが名乗らないのは筋が通っていないよな。
「初めましてアリル様。僕は依代宿と言います。」
「ヤドル君か。君の夢に介入しているのに名前すら知らなくて申し訳ないね。それと、私の名前に様付けはやめてくれないか?少々むず痒くてね。」
自己紹介をするとそんな事を言ってきた。
神様なのに様付けしないのもどうかと思うがなぁ。
「分かりました。ではアリルさんと呼ばせていただきます。」
「ああ、ありがとう。」
そんなやりとりをしたところで本題に入る事にした。
「ところで本題なのですが、アリルさんは一体何故、僕の夢の中に来たのですか?」
単刀直入にアリルに問うと
「そうだったね。まずは質問したいのだけど、ヤドル君はこの世界に未練はなんかはあるかな?」
未練?いきなりだな、どういう事なんだ?
「そうだね、簡単に言えば家族や友達とかかな?」
家族や友達かぁ。
俺は家族はいない。俺に兄や妹はいないし両親だって数年前に事故で死んでしまった。里親もいて優しくしてくれたけど、そこまで思入れもないからなぁ…
友達だって少し話す程度のものなので一概に友達とは言えないと思う。なので、
「そうですね、未練は全くというのは嘘ですが、ないと言ってもいいと思います。」
俺はアリルさんにそう言うと、
「そうか、未練がないならと言うのもおかしいが私の頼みを訊いてくれないか?」
この人、今まで全部いきなりなんだけど…
「頼み、ですか?」
「そうだ、その頼みなのだけどね……」
アリルさんは真剣な面持ちでこう言った。
「ヤドル君。君には異世界に行ってもらいたいのだよ。」
あぁ、これはアレだわ。
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