勇者育成学校でトップの自称パンピー【凍結】

決事

第三十三話 彼らは平穏無事決闘を終えました

やっぱ俺って主人公気質なのかね、などと若干厨二なことを考えながら薄暗い廊下を歩く。
真横には皇女さん。
前を進むのは、疑うこともせずに背を向ける第一魔衛士だった。
冒頭の考えは、別に脈絡なく出てきたものではなく、ちゃんと原因あってのことなのだ。
つまり、俺もしくは俺の味方って負けねーよな。


「わたしと、決闘するってことですか?」

「まあ、そんなとこだな。肉体ではなく、手先だけで戦ってもらうが」

「「手先だけ?」」

寸分狂わず同時に訊いてきた二人は実は仲良しだったりするのだろうか。
何はともあれ体を使った喧嘩ほどめんどくて、見苦しいものはない。
そこで、古来より伝えられてきた決着のつけかたがある。
ドッジボールで赤組のボールか白組のボールか分からなくなった時然り。
学級委員に二人立候補した時然り。
こんな便利な方法はなかなか無い。
人間が唯一生み出したと言われる多数決なんて目じゃないくらいの偉大なものだ。
それはーー

「「じゃんけん?」」

再びハモる彼女らに説明する。
この握り拳グーは二本指、チョキに勝つ。
チョキは広げた手のパーに勝てる。
パーはグーに強い。

「成る程。己の脳で何を出すか決め、実際に繰り出すのも己の手。これなら小細工のしようもない。力量にどれだけの差があろうとも公平に決められるいい手段ではないか」

「こ、こんな平和的解決法があったなんて! 素晴らしいです! これでここの住人さんたちの諍いも簡単に収められますね」

では、尋常に!

「「じゃんけんっ」」

「グー!」「チョキ、です!」

「私の勝ちだ!」「ま、負けた……」

人間代表として来ている皇女と魔王の側近その1が、こんなほのぼのした決闘をしていていいのだろうか

〜*〜*〜*〜*〜
ね、眠い…
今にも下がって来そうな瞼に喝を入れながら書いているので誤字脱字がひどいかもです…
では、また次回…ふあ、ぁ……

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