勇者育成学校でトップの自称パンピー【凍結】

決事

第五話 俺は今、金が必要

「嫌だね。俺はパンピーだって言ったろ。じゃあな」

昼飯食べる時間なくなっちまったよあーあ。
しかも慣れねえ敬語なんて使ったから疲れましたよもう。

「ま、待て!また来るからな!」

俺は勢い良く振り返り、叫んだ。

「来んなパクリ女!」


「ミレ、あの子って…」
「ああ、皇女さまだってな。あのパクリ女」
「ぱくりおんな?」
「こっちの話。気にすんな」

…………あ。
口をパカッと開けて呆然としていると、マリセが俺の目の前で手を振った。

「どうしたー。今更になって手打ちが怖くなったのかー?大丈夫、安心してくれ。お前の骨は拾ってやるさ」
「違う違う。あんな女はどうでもいいんだ、関わって来なければ。それより深刻な問題がある」
「?」

何こいつ。
不思議そうな顔小動物みたいでキューt
あっぶね!
変な世界が見えた気がする。
腐った扉が見えた気がする。
いやいやいや、俺はそんな物騒な扉開かないぞ。

「それがな…」
「勿体ぶらずに言えよ、ミレ」
「マース、昼食代貸してくれ」


ー放課後


はい、結局借りました。
あっれれー、お財布に入っていたはずなのにー。
…昨日の朝まで。
そうだよ、昨日の昼飯代に消えたんだった。
バイトしなきゃなー。
俺が受けられるクエストあったっけ。
この後探しに行かなければ。
前世みたいに平和な世界じゃないから、あるあるな魔物討伐のクエストとかは誰でもオッケー♪なのだ。
しかもここらのは大人しめな魔物が多いからボロいのなんの。
今迄マースに借りた金を返却するとなるとちょい大変だが。
一旦部屋に戻って装備品を整えようと寮への道を歩く。
因みに正面玄関を出て、学校に沿って左に曲がって左に曲がると寮が建っている。
その道は並木道になっていて隠れる場所がいっぱいあるわけだ。

「なあ、皇女さん」
「ふっ」

格好良く笑って姿を現した彼女だった。

「ドヤ顔してる最中悪いけど、頭に葉っぱどころか木の枝のってるぜ」
「…月桂樹の王冠だと思えば私に相応しい」

うわー、イタイ人ー。
耳まで真っ赤にしてまで言うことでもないだろ。

「あー、はいはい。そうですねー」

賛同しといてやろう。
てかこのまま会話終わらないかな。
あんま好みじゃないんだよ、皇女さん。
もっとこう、育ってないか育ってるかがいいんだって。

「なっ!取ってくれないのか!」

え、なに。
自分で取らないの前提なの?
そう、これが駄目。
“この枝、取ってくれないかな?ミネルくん”
こんな感じがいい!
上目遣い+ウルウルで!
もしくは“ミネルくん、取ってくれると私は嬉しい”みたいな!
若干計算が入った上から目線!
サイコー!

「おい、聞いているのか!」

ミネル・ハンフリー!と俺に顔を引っ付けるように言った。

「聞いてない。聞いてなかった」

大事なことは二度言おう。
俺はあんたの話を聞く気はないんだって。

「クエストをクリアしに行こうと言った!」

いちいち!を付ける皇女さんと?
…でもまあ弱くはなさそうだし、楽にはなりそうだ。
それに最初に考えてたみたいに皇族と繋がりを持っといて損はない。


「報酬は俺とあんた9:1で」

〜*〜*〜*〜*〜*〜
Beaterです
フォローしてくださった神様が何人もいらっしゃるようで心から感激しております…(ノ_<)
短いですし更新も遅いうえ駄文ですが
よろしくお願いします!

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