死と生の狭間の世界

白雪 哀音

2 言い伝えの真実

「やっと着いた…ここね!」
小雪は言い伝えが伝わっている神社へ足を進めて森の中を歩いているとようやく目的の神社への階段に差し掛かっていた。

まだお昼前…セミの鳴く声、太陽の光、風で揺れる葉の音どう見てもそのようなことが起こる場所とは思えない小雪はそう思っていた。

「さて行きますか!」
日の出ている間は言い伝えは何の意味もないし何か起きるわけでもない。そんなことを思いながら石段をゆっくり歩き進めていく。

頂上に着いた小雪が目にしたのは何個も建てられた鳥居や石で出来た置物。
その奥には神社が建っていて特に変わった様子はない。

「意外と普通なところなのね?これといって変わったこともないみたいだし…」

そういうとゆっくり神社へ向かって歩み寄っていくが小雪は違和感を覚え始めていた。
何故なら神社は綺麗に整備されているが人の気配がまるでしないからだ。
まだお昼前普通は誰か居てもおかしくない。
しかし人の気配は一切しない。

「変ね…?落ち葉すら落ちてないのに人が居ないなんて…」

「それにここに入ってから風が吹いてないわね…?」 

ここに入る前に感じていた風はいま感じない。それどころかセミの鳴く声すら聞こえない。
ここに入ってから違和感しか感じない小雪はもしかしたらここには何かあるのではないかと思い始めていて神社を出ようとしていた。

「やっぱり変だわ…一回戻った方が良さそうね。」

そういうと小雪はゆっくりと石段を下って神社を後にした。
そのまま来た道を歩いて森の中を歩いていく。しかし小雪は自分の見た光景に驚きを隠せないでいた。

「えっ…なんでよ…私確かに来た道歩いたはずなのに…」

そこには先ほど来た神社への石段が広かっていた。普通に考えたらありえない光景だった。
確かに自分は来た道を戻ったしかし目の前には先ほどの石段。

「これは何かの間違いよ!今度こそ!」
そういうと再び来た道を走って戻って行く。
しかし現れたのは神社への石段だった。

「どういうことよ…なんでまたここに…」

何回戻ってもたどり着くのは神社への石段更におかしなことに先ほどまで昼前だったはずなのにいつの間にか辺りは暗くなっていた。

「まさか…これって…言い伝えの…」
小雪は嫌な予感がしたが戻れないのなら進むしかないと思って石段を上がって行くと先ほどまで明るかった神社は暗く石で出来た置物には街灯が照らされていて怪しく鳥居を照らしていた。

そんな中小雪はあることに気づく。
暗い空には雲はなく神社の真後ろに光る三日月を。

「まさか…これって…言い伝え通りに…いやそんなわけないじゃないまだお昼前なのよ?
こんなに暗いわけないじゃない!」

そう自分に言い聞かせるがどうにもそうはいかない。
不気味な気配が漂う中で変わっていることがあることに小雪は気づく。
神社の扉が開いていた。先ほどまでは閉まっていたはずなのに。

「扉が開いている…中に誰かいるのかしら?」

いまの状況が理解できないまま扉が開いていることに気づき誰かいるかもしれない…そんな期待を持ちながらゆっくりと神社の中へ入っていく。

すると眩しいくらいの光に照らされて目を閉じてゆっくり目を開けるとそこは先ほどいた神社ではなく別の神社であることが見ただけでわかった。

「えっ…私確かに神社の中に入ったのに…ここはどこなのよ?」

そんなことを言っているといきなり後ろから声をかけられた。

「誰だお前は!ここはお前のような奴が来るとこではないいますぐ帰れ!」

いきなり後ろから声をかけられてびくっとなるとゆっくり振り返りそこには自分より少し背の高い同い年くらいの男の子が立っていた。

「なんなのよいきなり会ったばかりなのにその態度は!!」
これが二人の最初の最悪な形の出会いだった。

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