デフォが棒読み・無表情の少年は何故旅に出るのか【凍結】

決事

38 注意事項はしっかり聞こう

「行き先は、“錯乱の森”に決まった。まあ、誰かが盗み聞きしてたみたいだから広まってるけど」
みんな、もう知ってるんだろ?
先生はおおらかに笑って言った。
誰かが盗み聞きしていた、の部分で動揺したシータもホッと笑みを漏らした。
「前見ろ、前。そういうことだから、いつもより、更に実践的なこと教えてくからしっかり覚えろよ」
「「「はーい」」」

一つ、班のメンバーは自由。
但し四人以上だった場合、別れてもいいが絶対に一人と三人など、自分だけにならないように、必ず誰かと行動をともにすること。
二つ、魔物と出会っても簡単には逃げるな。
あの森の浅いところではレベルが低めの魔物が生息している。
相手が自分と同等かそれ以上か、それ以下か。
力を見極めるのも重要だ。
倒せそうだったら倒せ、いいな。
三つ、
「お札を取ってこい。以上だ。何か質問は? 無ければ練習いくぞ」
「はーいはいはい!」
案の定、腕を振り回さんばかりに挙手したのはツツラ。
「ほい。何だ?」
「お札についてもうちょっと詳しく!」
それは俺も思った。
お札を取ってこい、では何が何だかわからない。
「あー、その、あいつが……校長センセイがどっかに置いとくんだと。で、それを自力で見つけ出して持って帰って来いって話だ」
「あや、しい」
アニセラがジロリと先生を睨め付けた。
「いやほんと! 勝手にどんどん計画進めてくから聞くのだけでやっとなんだ」
顔の前で手を合わせ、信じてくれ、な? と必死に懇願する彼は頼りなくて、あの校長に追い付けないのも無理はない。
「こほん。注意事項が行き渡ったとこで

ーー魔物の対処法だ」

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