デフォが棒読み・無表情の少年は何故旅に出るのか【凍結】

決事

30 大きく変わった彼は

紫の靄が見えた。
ナイケの周りに漂うそれは彼が纏っているかのようにも見える。
唇は歪んだ弧を描く。
そして瞳は暗い光を灯す。
「キミは……キミは! 僕がっ!」
「ぐぅっ!」
段違いになった速さで突っ込んでくるナイケのナイフを避けることは出来ず、腕に刺さる。
比喩ではなく現実に、爪が半分まで隠れるくらい。
しかし血が滴り落ちるのを気にしている場合ではない。
遠くで先生の声が聞こえる。
止まるよう言っているのだろうが、俺にもよく聞こえないものなど今のナイケの耳に入っているはずもなく更に激しさが増した。
血がついていることなど歯牙にもかけず指をシュッと抜いて次の攻撃に移行する。
今度は回し蹴り。
なんとか目で追い、躱す。
躱したのだが。
なんと反対の足も遠心力を利用して風を切り飛んでくる。
受け流すことすらままならず顎に決まってしまう。
「あがっ……」
「ははっ! いいよ、そこ声! そのままいこうか!」
ハイテンションで次々ナイフ棍棒を繰り出すナイケ。
何処かたがが外れたみたいに無邪気に悪意に染まった笑顔を振りまく。
「フーク!」
アニセラの呼ぶ声も遥か彼方からのものに聞こえる。
「シッ」
ナイケの真似をして手刀を当てようと試みるも所詮は鵜の真似をする烏。
容易く看破され、手を引っ張られて地面へと叩きつけられる始末だ。
痛いのもそうだが、ナイケがどうしてこんなに変貌してしまったのかが問題だ。
どうして、とは言うがきっかけが俺なのは分かっているため先生に助けを乞うことは却下。
けれど素人の俺では、熟練した彼には勝てない。

どうすればーーーー

〜*〜*〜*〜*〜
明日大掃除とか…勘弁です。
もう古典が何より嫌いです。
何故短縮で古典が潰れてくれないんだよ!?
まず第一に潰すべきだろう!
皆さんの一番嫌いな教科はなんでしょうか?

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