俺は記憶喪失になってしまったらしい

出会いの場所

退院して初めての土曜日。記憶探しが始まった。

彼女は短大生で就職も決まり、夏休みに入っていていつでもよかったのだが、俺はそうはいかなかった。
俺は、高校卒業してから、すぐに就職して、働いている。休みが土日休みなのだ。土日休みなのはいいが退院したら、すぐに出勤をしなければならなかった。人手が足りないとのこと。まあ、知ってたけど。

訪れたのは高校。
ここで俺と彼女は付き合った、らしい・・
そたから見ても懐かしいな~暗いしか出てこなかった。そこへ
「おう、待ってたぞ!」
目の前に現れたのは、筋肉ゴリゴリのゴリラみたいなやつが現れた。
このゴリラは3年間、俺の担任をしていた剛力先生だ。見た目と苗字だけではバナナのことしか考えていないように思えるが、服も着てるし、人語も話せる。なにより、俺みたいな少し影の薄い生徒には結構味方してくれる言い先生だ。
卒業してから2年経つが、この先生がまだいてくれて助かった。
事情を話したら、俺が過ごしていた教室を見せてくれるらしい。ゴリラって言ってすいませんでした。先生は俺たちが付き合っていることは知っているようだった。在学中でも有名だったらしい。

昼間に誰もいない廊下を歩くのは新鮮だ。教室にたどり着き、ドアを開けた。この古ぼけた感じ変わってないなあ。自分が座っていた机に近寄ると、頭に一瞬映像が出てくる感覚になった。

頭に出てきたのは、彼女の泣いている姿。

同じクラスの女子が数人、彼女の周りを取り囲んでいる。
そのことを話すと、彼女は昔を懐かしむような目になり、先生は気まずい雰囲気でうつむいた。
「そう、私ね康平に助けてもらうまで、いじめられてたの」
彼女はいじめられてたのは過去の話と、その時のことを淡々と話し始めた。

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