魔王を倒そうとしていた勇者と勇者を倒そうとしていた魔王を入れ替えてみた。

りゅう

1度きりのチャンス

ふぁ〜そろそろ飽きてきたのう…
さっきから魔王の姿の勇者と勇者の姿の魔王はずっと睨み合っていた。

おっ!そうじゃ‼︎
神様は2人の様子をみながらあることを思いついた。

なかなか面白そうなことになりそうじゃな…
そう思いながら神様は2人を見つめる。

「だから泥棒は貴様だと言っておるだろうこの泥棒勇者め」
「黙れ泥棒魔王」

………………………………………………………
………………………………

2人の間に沈黙が生まれる。

「「戻ったー」」

2人の身体が元に戻った。
直後……

「さあ、身体も戻ったしここで死んでもらうぞ泥棒魔王‼︎」

「死ぬのは貴様だ泥棒勇者」

そういいながらお互いの拳をお互い顔面でくらった……

「なかなかやるな」
「なかなかやるではないか」

………………………………

2人がお互いを見つめると再び身体が入れ替わっていた。
せっかく身体を元に戻すチャンスをやったのに5秒で棒に振りおった…
先ほど神様は2人の身体をもとに戻す代わりに喧嘩をすると再び身体が入れ替わるようにしていたのだ。

「「なんでまた入れ替わってるんだー」」

2人同時に叫びだす。この2人意外と仲が良いのではないか?と神様が思いながら2人の様子を見る。

「「せーの」」

お互いの拳がお互いの顔面にあたる……
体は元に戻らない…

「何故身体が元に戻らないんだ」
「知るか‼︎」

魔王の姿の勇者のつぶやきに勇者の姿の魔王が答える。
さてただ見てるのも飽きたしそろそろ行こうかのう。

そういい神様が勇者と魔王の元へ向かう。

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