勇者でわなく魔王で呼ばれたから頑張って生きる

柚子華

16話

Sランクとなってからもやることはほとんど変わらなかった。むしろ、急いでランクを上げる必要がなくなったため、たまにドラゴンを狩る程度のことしかしていなかった。(当然非常識であることには気がついていない)

そんな日常はすぐに終わってしまった。

国にいる全てのSランク以上の冒険者への招集命令、しかもギルドではなく国王直々の命令だった。当然断ることなんてできずに従うのだった。


二人とも串焼きを食べながら向かうとSランクの先輩方も向かっていた。
無礼に当たるかもしれないが酔っ払っている奴や、半分ぐらい寝てるやつもいるため、まだ軽い方だった。


「すごーい!広ーい!」
「たしかに、おっきいね。」
二人とも城内を案内されて国会議事堂ぐらいの面積がある場所にいる。
先輩方には持ち込めないはずの酒を飲んでたり、枕で寝てる人もいた。
陸斗とスゥは座って待っていたが、スゥが膝枕をお願いして陸斗がしばらく動けなかったのは言うまでもないだろう。

「お集まりいただけましたかな?」

唐突にそんな声がした。
見ると、召喚した時と全く同じ服装の国王が立って見下ろしていた。なんか腹立つ。
「今回集まってもらったのは、これが国家案件こっかあんけんだからである。」
「そのため残ったものは強制的に了承したものとさせてもらう。」
「報酬は前払い金貨200枚、練度に応じてもっとだそう。期間は1年、この間は外出もままならないがいい奴は残ってくれ。」

終わった瞬間に集まった20後半もいた冒険者達は殆どが帰ってしまい、残ったのは俺とスゥ、杖を持った女の3人だけだった。

「さて・・・残ってくれてありがとう。今回の依頼は勇者の指南をして欲しい。」


「「「は?」」」
おお、揃った。

「すいません。」
「なんだい?」
「き、騎士団とかじゃないんですか?」
「ああ、騎士団も一緒に頼む。」

(ああ、厄介ごとを増やしちゃった・・・。)


「さて、連れてくるから待っててくれ。」
そう言って姿を消した。


「あーっ首が痛かった。ヒール」
「ふふ、本当ですね。」
「しかし、ごめんな、スゥ。面倒ごとに巻き込んじゃって。」
「いいえ、リタといるのは楽しいですから。」とかはにかみながら言われた。
かわいいなチクショウ!


「ちょっとそこの2人、名前は?」
「ああ、悪い、極鎧きょくがいリタだ。」
血癒の女性ブラッドヒールスゥです。」
「ありがとう、私は冷園れいえんのマロよろしくね。」
「ああ、よろしく。間違ってたらすまないがSランク上がりたてか?」
「私はこれでも2年やってるわよ。」
「じゃあすまなかった。」

自己紹介が終わった直後に国王とそのた大勢の鎧を着込んだ連中が入ってきた。

「君たちにはこの40名の指南をお願いしたい。ほら、自己紹介して。」

「僕は勇者水谷だ。君のとなりの女性をかけて勝負を申し込む!」


「「「「「・・・・・・」」」」」


「・・・はぁ?」




お久しぶりでございます。
それと、大変勝手ながら投稿をアルファポリス様のみとさせていただきます。
閲覧してくださっていた方々には申し訳ありませんがご了承ください。


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