勇者でわなく魔王で呼ばれたから頑張って生きる

柚子華

4話

「神奈   陸斗」
〈称号〉
覇竜の王・闇をすべしもの・永遠(とわ)の魔王 
〈ステータス〉
(体力)        100            (魔攻)        1250
(魔力)        2500          (物攻)        50
(防御)        230            (敏捷)        300
〈スキル〉
闇魔法・転移・幻術・魔槍顕現
風水術lv.5    

国王はまず、水谷ですらありえなかったステータスの高さに驚いていた。
しかし、それだけだと声が出ないほど驚かなかっただろう。本当に驚いたのは、その称号にあった。
竜は、人族の敵とされていてその竜達の王は覇竜と呼ばれる。また、「闇をすべしもの」は、「夜をすべしもの」の上位互換であり、(「夜をすべしもの」は、殺し屋や暗殺者が多く持っていて、隠密などの複合スキル)新たに幻術を身につけることになる。
そして永遠の魔王、これも人類の敵である魔王のことを指し、過去に召喚された勇者が
「1人では勝てなかった」
とまで言わせた正にラスボスといった魔王である。
永遠の魔王のスキルを持っていると、
時間変速(タイムスピード)
空間剣(エリア・ソード)
を、使うことができるようになる。


時間変速(タイムスピード)
自身の半径10mのありとあらゆる速度を上書きできる。
空間剣(エリア・ソード)
武器の軌道上の空間を切ることができる。ありとあらゆるものを切ることができ、防御不可能。
(神奈にしか見えてない)


国王は一通り驚いた後、
「これをもって、食事会を終わりとする!」
といって、終わりと思ったのだが、
「勇者様方は少しこの場に残っていただきます。」
・・・もうねかせてよぉ。


そうして、他の貴族や王子、王女が出ていった後に国王は口を開いた。
「さて、皆様に残っていただいた理由は、神奈様の件についてです。」
「・・・俺の?」
「はい、皆様も聞く準備はよろしいですかな?」
と聞かれた皆は、
「はい、問題ありません。」
と答え、王様は話をつづけた。
「皆様には、魔王を倒していただくためにこの世界へお呼びしたというお話は、致しましたが・・・」
と言って、俺の方を見た。
言ってもいいかどうかが知りたいんだろう。俺は頷き、クラスメート達の方も、水谷や湊さんが頷いていた。
これを見た王様は、早口でかつまくしたてるように言った。
「神奈様は、魔王の称号をもっており最終的に倒すべき相手です!」
とまあ見事に全員の前で敵だと言ってくれた。
と言った途端、クラスの何人かからそれぞれの武器を構えられた。

「そこで勇者様方には、ある決断をしていただきたいのです。」
「・・・・・・・」
水谷や湊さん、それに他のクラスメート達も黙って次の言葉を待っていた。
「彼をこの国に残すか、追い出すかの決断をしていただきたい。」

皆は黙ってしまった。
それもそうだろう、この決断で一人の人生が決まってしまうんだから。

結局その日に答えは出ず、明日に答えを聞くことになった。

そして、部屋に帰って自身のスキルをいうと、1本の黒い槍が現れた。


〈魔槍ウロボロス〉
自身が認めた者のみ力を発揮可能。
闇魔法を付与することで初めて使うことができる。


俺はもう1時間ぐらいウロボロスとにらめっこしていた。
(魔法の付与ってどうやるんだ?)
付与の仕方が全くわからないのだ。

としていたら、誰かの来訪を告げるノックがされた。

慌てて魔槍をしまい、ドアを開けると、そこには
「夜遅くに来てごめんね。」
「陸斗〜遊びに来たよ〜」
と言って、湊さんと由美がドアの前に立っていた。

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