目立ちたくない男の異世界生活【リメイク版】
第11話 やっとテンプレ?
智紀は、考え事をしながら裏道へと急いでいた。
-やはり、異常なのか…。よく考えれば、普通の人がモンスター相手に剣だけで無双するとか、おかしいよな。ちょっと調子に乗りすぎたな。はぁー。ま、うじうじ考えていてもしゃあないし、結局バレることを考えれば、少し早すぎただけだと考えればいいか。さて、そろそろ変装を解くか…。周りに人は…ん?2、3人の気配がするな。俺を尾行しているのか?-
周囲の気配を探った智紀は、自分に注意を向ける存在に気付く。
「おいっ、俺をつけているヤツら、出て来い!」
面倒ごとはさっさと終わらせたいので、そう智紀が呼び掛けると、3人の冒険者風の男達が出て来た。
「チッ、バレちまったか。ま、いいや。おいお前、俺はバカンだ。ここは、人通りの少ない路地裏だ。痛い目に合いたくなかったら…分かってるよな?」
「そうだぞ!まさかこのDランクの期待の星、バカン様に逆らうとは言わないよな?」
「早く金目の物を出して、お前のイカサマの秘密を吐け!!」
リーダー格風のバカンという馬鹿と取巻きバカ1と馬鹿2が脅しを掛けてくる。
智紀は、変装していない時ならいざ知らず(ヒョロヒョロしているため)、こんなに怪しげな奴に脅しを掛けてくるとは思わず、つい笑ってしまった。
「あぁん?てめぇ、何笑ってやがる。今の状況が理解できないのか?調子に乗るんじゃねぇぞ!」
「いや、すまん。こんなに怪しげな奴に、声を掛けてくる馬鹿が居るとは思わなくてつい。別に君達を馬鹿にしているわけでは無い。」
智紀の支離滅裂な発言に、バカンは顔を真っ赤にして叫ぶ。
「てめぇ!やっぱり馬鹿にしてんのか!?」
「いや、すまん。つい本音が。あんまりキレやすいと、女の子に嫌われるぞ?」
その瞬間、取巻きの馬鹿2人達が固まった。
そして、ヒソヒソと話し合いをしている。
『おいっ!やばくないか?あいつ。バカン様はつい最近、ギルドの受付嬢に振られたばかりだぞ!』
『あぁ、やばいな。この頃機嫌が大分悪いから、アイツ殺されぞ!まじで。』
どうやらバカンは智紀の言葉通り、女性には大分嫌われているようだった。
「てめぇら、何か言ったか?」
「「いいえ!何も言っていません!」」
一瞬気まずい雰囲気が流れるが、すぐに智紀に敵意を向けてくる。
「ごほん!…話の続きだ。ほら、早く出せよ!どうせイカサマして手に入れた金だろ?ま、そのイカサマの方法も教えてもらうがな!」
自分の利益しか考えていないバカンの言い分に、智紀はため息をつく。
「はぁ…。つまらん。だから脳筋だと言われるんだ。」
見た感じ脳筋なため、挑発のためわざと気にしてそうな事をチョイスして言ってみる。
「な!?何でそれを知ってるんだ!!脳筋は嫌いだ、と言われて振られたんだ!!」
「え?何となく?」
案の定脳筋と言われることを気にしていたバカンは、自爆しつつも指摘された事に驚く。
そしてそんなバカンを更に挑発する智紀。勿論、脳筋であるバカンは―
「てめぇ、もう許さねぇ!死にやがれ!」
―とこのように、完全にブチ切れる。
「元々見逃すつもりは無いんだろうけどな。」
一般人が見れば恐ろしさで震えてしまいそうな状況であるのにも関わらず、余裕綽々な智紀は更に煽る。
「うるせぇ!!死ねや!!」
そう言い、バカンは腰に装備した両手剣で斬りかかってきた。しかし、何の技術もないただの力任せの振り下ろしだったため、簡単に智紀に避けられ、カウンターで鳩尾に拳を入れられ、崩れ落ちる。
「「な、何だと!?」」
ボスが呆気なく一撃入れられたため、取巻きたちが騒ぎ出す。
「グフッ!な、何をしやがった!何のイカサマだ!!」
目の前の男は、ただの新人であると踏んで襲ってきたバカンには、今起きた事実は到底信じられないものであったようだ。
「イカサマ?んなもん使ってないぞ?単純に実力の差?」
首を傾げながら、智紀は肩をグルグルと回す。
「そんな馬鹿な!たかが冒険者になりたてのFランクが!!」
まだ頭の悪い事を言っているため、智紀は真正面から潰すことにした。
「ランクとか正直強さを測るものではなく、実績を測るものだと思うが?普通に考えれば、ちゃんと鍛えてから登録する奴も居るということは分かるだろ?いや、分からないか。どうせ脳筋だしな。」
考えてみれば当然の正論に、口では勝てないと悟ったバカンは、見苦しくも三下に特有の例の言葉を言い放つ。
「クッ、クソッ!!てめぇら、やっちまえ!!」
予想通りの言葉に、智紀は笑いそうになるが、これ以上相手にするのは面倒(手加減が)なため、心を折りにいく。
「おっと、動くなよ?動いたら、そこの剣みたいになるぞ?」
「「「は?」」」
馬鹿3人組が、バカンが持っていた両手剣を見ると、刀身部分が粉々に砕けていた。
実はこれ、鳩尾に入れてバカンが剣を取り落とした時に、智紀が素手で砕いたのだ。
「「「(ガタガタ…)」」」
智紀は武器を持っていない→どうやって砕いた?→素手→逆らえば色々と潰される→恐怖!、といった思考をしたらしく、バカン達は震えている。
「さて、この剣のようになりたく無かったら、金目のものを全て出せ。」
完全に心が折れたと判断した智紀は、折角なので素材の剥ぎ取りを行ってみることにした。
「「「イエッサー!!」」」
これでは、どちらが悪役か分からない。
というか、傍から見れば明らかに智紀が悪役であろう。
こうして、馬鹿3人組からそれなりの金額(銀貨5枚分)の物をせしめて、解放してやった。因みに、もちろん武器防具含めた全財産を(野垂れ死にして貰っても悪い気がするので、一番安い武器が買える程度には残してやった)没収した結果が銀貨5枚分である。
満足気な顔をしながら変装を解き、智紀は宿へと帰って行った。
-やはり、異常なのか…。よく考えれば、普通の人がモンスター相手に剣だけで無双するとか、おかしいよな。ちょっと調子に乗りすぎたな。はぁー。ま、うじうじ考えていてもしゃあないし、結局バレることを考えれば、少し早すぎただけだと考えればいいか。さて、そろそろ変装を解くか…。周りに人は…ん?2、3人の気配がするな。俺を尾行しているのか?-
周囲の気配を探った智紀は、自分に注意を向ける存在に気付く。
「おいっ、俺をつけているヤツら、出て来い!」
面倒ごとはさっさと終わらせたいので、そう智紀が呼び掛けると、3人の冒険者風の男達が出て来た。
「チッ、バレちまったか。ま、いいや。おいお前、俺はバカンだ。ここは、人通りの少ない路地裏だ。痛い目に合いたくなかったら…分かってるよな?」
「そうだぞ!まさかこのDランクの期待の星、バカン様に逆らうとは言わないよな?」
「早く金目の物を出して、お前のイカサマの秘密を吐け!!」
リーダー格風のバカンという馬鹿と取巻きバカ1と馬鹿2が脅しを掛けてくる。
智紀は、変装していない時ならいざ知らず(ヒョロヒョロしているため)、こんなに怪しげな奴に脅しを掛けてくるとは思わず、つい笑ってしまった。
「あぁん?てめぇ、何笑ってやがる。今の状況が理解できないのか?調子に乗るんじゃねぇぞ!」
「いや、すまん。こんなに怪しげな奴に、声を掛けてくる馬鹿が居るとは思わなくてつい。別に君達を馬鹿にしているわけでは無い。」
智紀の支離滅裂な発言に、バカンは顔を真っ赤にして叫ぶ。
「てめぇ!やっぱり馬鹿にしてんのか!?」
「いや、すまん。つい本音が。あんまりキレやすいと、女の子に嫌われるぞ?」
その瞬間、取巻きの馬鹿2人達が固まった。
そして、ヒソヒソと話し合いをしている。
『おいっ!やばくないか?あいつ。バカン様はつい最近、ギルドの受付嬢に振られたばかりだぞ!』
『あぁ、やばいな。この頃機嫌が大分悪いから、アイツ殺されぞ!まじで。』
どうやらバカンは智紀の言葉通り、女性には大分嫌われているようだった。
「てめぇら、何か言ったか?」
「「いいえ!何も言っていません!」」
一瞬気まずい雰囲気が流れるが、すぐに智紀に敵意を向けてくる。
「ごほん!…話の続きだ。ほら、早く出せよ!どうせイカサマして手に入れた金だろ?ま、そのイカサマの方法も教えてもらうがな!」
自分の利益しか考えていないバカンの言い分に、智紀はため息をつく。
「はぁ…。つまらん。だから脳筋だと言われるんだ。」
見た感じ脳筋なため、挑発のためわざと気にしてそうな事をチョイスして言ってみる。
「な!?何でそれを知ってるんだ!!脳筋は嫌いだ、と言われて振られたんだ!!」
「え?何となく?」
案の定脳筋と言われることを気にしていたバカンは、自爆しつつも指摘された事に驚く。
そしてそんなバカンを更に挑発する智紀。勿論、脳筋であるバカンは―
「てめぇ、もう許さねぇ!死にやがれ!」
―とこのように、完全にブチ切れる。
「元々見逃すつもりは無いんだろうけどな。」
一般人が見れば恐ろしさで震えてしまいそうな状況であるのにも関わらず、余裕綽々な智紀は更に煽る。
「うるせぇ!!死ねや!!」
そう言い、バカンは腰に装備した両手剣で斬りかかってきた。しかし、何の技術もないただの力任せの振り下ろしだったため、簡単に智紀に避けられ、カウンターで鳩尾に拳を入れられ、崩れ落ちる。
「「な、何だと!?」」
ボスが呆気なく一撃入れられたため、取巻きたちが騒ぎ出す。
「グフッ!な、何をしやがった!何のイカサマだ!!」
目の前の男は、ただの新人であると踏んで襲ってきたバカンには、今起きた事実は到底信じられないものであったようだ。
「イカサマ?んなもん使ってないぞ?単純に実力の差?」
首を傾げながら、智紀は肩をグルグルと回す。
「そんな馬鹿な!たかが冒険者になりたてのFランクが!!」
まだ頭の悪い事を言っているため、智紀は真正面から潰すことにした。
「ランクとか正直強さを測るものではなく、実績を測るものだと思うが?普通に考えれば、ちゃんと鍛えてから登録する奴も居るということは分かるだろ?いや、分からないか。どうせ脳筋だしな。」
考えてみれば当然の正論に、口では勝てないと悟ったバカンは、見苦しくも三下に特有の例の言葉を言い放つ。
「クッ、クソッ!!てめぇら、やっちまえ!!」
予想通りの言葉に、智紀は笑いそうになるが、これ以上相手にするのは面倒(手加減が)なため、心を折りにいく。
「おっと、動くなよ?動いたら、そこの剣みたいになるぞ?」
「「「は?」」」
馬鹿3人組が、バカンが持っていた両手剣を見ると、刀身部分が粉々に砕けていた。
実はこれ、鳩尾に入れてバカンが剣を取り落とした時に、智紀が素手で砕いたのだ。
「「「(ガタガタ…)」」」
智紀は武器を持っていない→どうやって砕いた?→素手→逆らえば色々と潰される→恐怖!、といった思考をしたらしく、バカン達は震えている。
「さて、この剣のようになりたく無かったら、金目のものを全て出せ。」
完全に心が折れたと判断した智紀は、折角なので素材の剥ぎ取りを行ってみることにした。
「「「イエッサー!!」」」
これでは、どちらが悪役か分からない。
というか、傍から見れば明らかに智紀が悪役であろう。
こうして、馬鹿3人組からそれなりの金額(銀貨5枚分)の物をせしめて、解放してやった。因みに、もちろん武器防具含めた全財産を(野垂れ死にして貰っても悪い気がするので、一番安い武器が買える程度には残してやった)没収した結果が銀貨5枚分である。
満足気な顔をしながら変装を解き、智紀は宿へと帰って行った。
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