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目立ちたくない男の異世界生活【リメイク版】

血迷ったトモ

第10話 今更の自覚

智紀は今、二本の西洋剣を持っているが、インベントリーにあったものでは無い。何となく、本当に何となく魔法を使って出来るかな〜と思いつつ剣のイメージを思い浮かべたら、簡単に出来てしまっただけである。これは、魔の極みの効果であり、通常は詠唱をしても出来る者は宮廷魔術師(国お抱えの魔法使い)の中にもいるかいないかのレベルである。

「二刀流は最高!!イヤッハー!!」

剣のド素人が調子に乗っているが、またまたこれも武の極みの効果により、やはり尋常ではない強さを誇っている。通常人型のモンスターは、脂がのっているため、すぐに剣の切れ味を落としてしまう。しかし、才能が最高までに引き出されているため、一切の刃毀れも無く切れ味も落とさず、一刀のもとに斬って捨てている。
そんなこんなしているうちに、森の奥深くまで入り込んだ。

-さてさて、そんじゃあこの辺りで探し始めるか。
鑑定を使えば何とかなるさ。-

「では、鑑定!」

たまたま群生地にあたったのか、大量の薬草が生えている。

-なんじゃこりゃあ!!薬草のオンパレードじゃないか!こりゃあぼろ儲けだぜ!!ん?おかしくないか?こんなに沢山あるなら、態々依頼に出さなくても市場で流通してそうなもんだけどな〜。いや、大量に使用しないと薬としての効果が薄いのか?ま、どっちでもいいか。依頼では確か、十本を一単位として買い取ってもらえる…はずだったかな?さっさと回収して買い取ってもらわないと。-

回収を終え、来る途中と同じようにモンスターを蹴散らし、街へと帰って行った。
______________________________

ギルドへ帰ると、朝(昼が近かったが)とは違い。数十人の冒険者がギルド内部にある居酒屋で飲んだり食ったりをしている。

-うわぁ、酒臭い…。さっさと報酬を貰って宿に帰ろうっと。-

智紀は、依頼を受けた時の男性の方に向かって行った。

「おかえりなさいませ、トモ様。依頼は完了致しましたか?」

「あぁ、成功した。」

「お疲れ様でした。では、依頼書とギルドカード、そして、依頼の品をお願いします。」

「分かった。ちょっと多いけどカウンターに乗るかね?」
 
智紀はそう声を掛けてから一気にインベントリーからアイテムを取り出す。
すると、受付の男性は唖然としてしまう。

「は?…ええ〜!!」

薬草は105本あったため、ただのバッグに擬態させたアイテムボックスから百本置く。1本あたり大体ススキ位の大きさなので、それなりの幅をとっている。

「いや、少し群生地に、あたったんでな。」

「は、はぁそうですか…。で、では10本一単位で鉄貨1枚ですので、えーっと、…100本あるため、銀貨1枚になります。は?」

そう言った受付の人は、冒険者カードに目を落として、固まった。

「おい、どうした?大丈夫か?」

「はっ!?…え、ええ、大丈夫です。…多分。えっと、ここの討伐数の欄なのですが…これは、凄い数ですね。というか凄すぎます!!普通のFランクはこんな数は討伐出来ません!!どんな無茶をしたんですか!?ゴブリンが151匹に、オークが98匹、そしてスライムが14匹って頭がおかしいんじゃないんですか!?」

『ザワッ』

周りに居た冒険者たちが騒ぎ始める。

「お、おい。さっき何かおかしな数字が聞こえてこなかったか?100とか90とか…。」

「お、おう。俺も聞こえた。耳がおかしくなったのかと思ったぜ。」

「でも、アイツFランクって言ってなかったか?」

「んな馬鹿な。」

「しかし、ギルドカードに書いているらしいしな…」

「絶対何か秘密があるに違いないな。俺が暴いてやる!」

等々声が聞こえてくる。

-まさか、この数は異常なのか?だとしたら不味いな。いきなり目立つことになりそうだ。俺の計画では徐々に実力を見せていくつもりだったんだけどな〜。ま、過ぎたことはしょうがないか。少しだけ嫌味を言わせてもらうが。-

「ご丁寧に大声で情報漏洩ありがとう。気が済んだならさっさと報酬をくれ。」

智紀の冷ややかな目線と声で我に返った受付の男性は顔を青くして謝ってくる。

「し、失礼致しました!モンスターの素材は如何がなさいますか?」

「今は騒ぎ立てる奴らがいるから止めておく。」

「本当に申し訳ございませんでした。で、ではこれが報酬です。ま、またのご利用をお待ちしております…。本当に申し訳ございませんでした。」

「気にするな。」

そう言い残し、智紀はギルドを後にした。


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