目立ちたくない男の異世界生活【リメイク版】

血迷ったトモ

プロローグ

「!?」

土の匂いがする中、宮谷智紀みやがいともきは目を覚ました。
目を覚まして最初に目に飛び込んできたのは、青々と繁った木々とその隙間から見える空。

「は?いやまて、おかしいだろ!いつから俺は大自然の中で寝るようになったんだよ!」

叫んでから、少々冷静になって考えてみると、どうもおかしい。まず、自分の服が寝ている時の服装ではなく、麻のごわごわとした感じのものになっている。それこそ、村人Aのような服装だ。靴もご丁寧に履かされていて、何の動物の革かは分からないが、あまり履きご心地は良くない。

「これは…今流行りの異世界転移ってやつかね?
いやいや、落ち着け。ドッキリかもしれない。いや、俺をドッキリに仕掛けてとか言っても大掛かりすぎるし…。」

その時、犬や狼のような動物の雄叫びが聞こえた。
そして、同時に大量の動物の気配がこちらに走ってくるのを感じた。

「やばっ、ピンチかよ!えーと、武器は無し、素手での戦闘の経験もなし。詰んだな、これ」

周囲には、大量の木々が生い茂っているだけで、どっちが人里なのかが分からない上に、道もないので迂闊に動くことも出来ない。

「10匹ぐらいかな?やばいな。こんな数の動物の群れから逃げられるのかよ俺。ん?気配?いつから俺は気配を感じて数までわかるようになったんだ?もしかしてこれは、所謂異世界転移物のよくあるやつで、スキルが使えたりするのか?」

智紀はネット小説、特に異世界物が好きでよく暇があれば読んでいた。遊んだり、騒いだりするのが苦手な智紀は、よくそんな小説の世界を夢見ていた。そんなこともあり、自分がこのような状況になったらという想像もよくしていたので、それを試すことにした。

「ステータスオープン!…あれ、反応しないな。鑑定!」

取り敢えずステータスの確認をしようと、手当り次第に思いつく確認方法を試す智紀。すると2つ目で呆気なくステータスが確認出来た。



ミヤガイ トモキ
種族:人間族
年齢:18
職業:学生
スキル:鑑定Lv.- 気配察知Lv.1 身体強化Lv.5
インベントリーLv.- 
祝福ギフト:魔の極み 武の極み
称号:非リア 異世界人 神々の駒オモチャ


「…はひ?」

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