異世界奮闘、チート兄

嚶鳴

スキル

『く、クオさんですか?』

クオの内側から聞こえる聞き覚えのある声。

『え、えと、ここはどこなんでしょう?』

よほど慌てているのか、一度目の返事を聞かぬまま質問を重ねる。

「……いったん落ち着け」

このままでは質問に答えても意味がないと判断したクオは、声の主を落ち着けさせるために声をかける。

『え、あ、そ、そうですよね。すみません、取り乱しました』

「まず、お前は誰だ?……まあ、予想はつくが」

『えっと、多分その予想で合ってると思います』

ふぅ。と、一呼吸おいて落ち着いた声の主、

『お久しぶりです、クオさん。アスタです』

アスタが名乗る。

それに対してクオは、

「やっぱりか」

とだけ呟いた。

「何がやっぱりなんですか?」

それに反応するフィリア。

「ん?聞こえてないのか?」

「聞こえる?」

その言葉にフィリアは首を傾げる。

『クオさん。どうやら頭で考えて頂ければ会話可能のようです』

(こうか?)

言われた通りにするクオ。

『あ、はい。そうです』

(なんで急にそんなことが分かったんだ?)

今まで慌てていたとは思えない反応に、クオは尋ねる。

『いえ、落ち着くと色々と分かってきて……。どうやら私、スキルになったみたいです』

(は?)

クオは、自分のステータスを確認する。

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名前 クオ   種族 人族

年齢15

Lv97

HP13000

MP P

STR933

DEX8000

AGI425

INT506

DEF576

スキル

魔術師Lv1  錬成師Lv10  料理人Lv10  

裁縫師Lv10  執事Lv10 騎士Lv8 剣術Lv5

固有スキル

鑑定Lv10   凶戦士化  上限開放  叡智Lv1  ???

称号 管理神の使徒 魔力保有者マナホルダー

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叡智

・アスタがスキルとなった姿。

・魔法、その他思考、スキルの補助。

レベルはクオたちが旅の間に上げたものである。

道中の魔物はレベルが高いものが多く、経験値が多かったのだ。

新たに加わった叡智と、はてなで表示された謎のスキル。

(なんだこれ……)

『心当たりはないんですか?』

しばらく考える仕草をしたクオは、何かに思い至ったのか、目を見開く。

(あいつか……)

『あいつ、ですか?』

(ロキだよ。唯一神)

『ろ、ロキ様!?あ、会ったんですか!?』

(ああ)

『それで、どうなったんです?』

(どうもなにも、一方的に威圧されて忠告されて終わった)

『そ、それは……大変でしたね』

同情を含んだ声で返すアスタ。

(そうでもないぞ?あの威圧は一度経験したからな、次会うときは一発くらいは入れられるようにする)

『あ、あの方に会って攻撃する気があるんですね……まあ、いかにもクオさんらしいですが』

(というわけで、アスタ。お前に出来ることは?)

『あ、はい。えっと、スキルの補助ですね』

(具体的には?)

『そうですね。例えば、魔法は私が半分負担することが出来るので、今までの2倍の並列詠唱が可能ですね』

(……へえ。つまり今からは魔法を素のINTの値の数だけ打てるのか)

『そうなりますね。……他にも色々出来ますが、それは機会がある事に説明といった感じでいいですか?』

(まあ、そうだな)

「お兄様!」

「っと、なんだ?」

「どうしたんですか?読んでも反応がないので。……何処か具合でも悪いんですか?」

クオが視線を向けた先には、心配そうに自分を見つめる4人の瞳だった。

特に、フィリアとルノは涙目になっている。

「……あー。すまん。別に体調は悪くないから心配は要らない。……サタナもそれ仕舞え」

″(´・ω・`)″

残念そうな顔をしながら持っていたネギを仕舞うサタナ。

風邪にネギとはよく聞くが、異世界でも同様らしい。

しかし、嫌な予感がしたクオが仕舞わせる。

実際、サタナの視線は若干下に向いていたので、止めて正解だっただろう。

「……ではどうしたのですか?」

「……心配事?」

「……あー」

(おい、アスタ。これバラしていいのか?)

どうすべきか迷ったクオは、本人に尋ねる事にした。

『パーティメンバーですし、別に構わないのでは?』

(今日はクエスト受ける予定だったんだが)

『まあ、そんなに時間はかからないと思いますよ?1つのスキルの説明くらいなら』

(んー。……それもそうか)

納得したクオは、スキルについて全員に話す事にしたのだった。

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