デスゲーム

矢崎未峻

  ようやく落ち着いた頃、俺の目には"それ"しか映らなくなっていた。
  そう、"首を狩るように切られて死んでいる早見の死体"だ。
  教室内は悲惨なものだ。早見の血で床は血塗れ、それを踏んだ上履きで歩いたバカがいるのでもれなく死体の近く以外も血で汚れている。
  最も、原因を作った。つまり"それ"を作り出したのは俺だ。
  あっちでやってこっちでは何もやってないのは確実なのに、俺は、俺がこれをやったという確信がある。

「はぁ、向き合えってことか・・・」

  全く、理不尽な話だ。
  だってそうだろう?殺せと言ったくせに罪は背負え、そして逃げる事は許さない、なんて。
  あ〜デジャヴだ。ついさっき、あっちでも同じ事を考えた。
  結局、1番気にしてるのは俺自身ってことになるな。
  一先ず殺したことに関しては一旦区切りがついた。
  そう言うことにして次を考えよう。
  まずは他の学校はどうなってるか、だ。

「誰かバカ高のあのクラスの誰かに連絡取れるやつ居ないか?」

「俺に任せろ」

「よし、頼む、克己」

「進高はどうするんだ?」

「・・・気乗りはしないが、そっちは俺がやる」

「・・・分かった」

  ちなみにバカ高はバカだが仲のいい学校、進高は近くの進学校のうちの学校での通称だ。
  閑話休題。
  本題に戻ろう。連絡を取ろう。・・・うん、気が乗らない。
  普段なら、喜んでやるだろう連絡なんだけどなぁ。

ブブブブブブブブ!

  マナーモードにしてる俺のスマホが震える。
  要するに電話がかかって来た。相手は・・・あ〜、まあタイミングはバッチリだけど・・・ええい!

「・・・もしもし、人殺しの桐宮祐介にどんなご用件で?」

「・・・バカ!!」ブツッ

  えぇ〜。何で?

「今のは祐介が悪い」

  克己のその言葉に、その場の全員が大きく頷いた。

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