読書家は最強スキル

ヤミカミ384

第1章 5冊目 王の野心

突然ノックされたドアを見てフリーズしてしまった僕は、もう一度ノックされたところでやっと動き出すことが出来た。

(誰だ?こんな時間に来るような奴は?)

そう思いながらドアを開けた俺は、またフリーズしてしまった。

なぜなら、まだ話した事の無い女子がドアの前に立っていたからだ。

「ご、ごめん。急だったね。こんな時間にアポも無しで。」

「えっと…あなたは?」

「そ、そうだよね、まだ話したことも無いんだし……」

「とりあえず名前は?僕は文野結翔ふみのゆいと。まぁ言わなくても知ってるか。駄目なスキルで話題になってるしね。」

「わ、私は江川紗月えがわさつきです。」

「それで?なんで僕の部屋に来たの?」

「その…ある人に相談したら、文野君に相談したほうがいいって言われて……」

「それは誰?」

「えっと…朝比奈亮あさひなりょう君なんだけど……」

「あいつか!!また押し付けやがって……」

「知り合いなの?」

「まぁね……」

朝比奈亮あさひなりょう
まぁ、親友?だと思う。

亮とは中学からの縁でずっと遊んできた。
しかし肝心な事は頼りになるのにめんどくさい事は俺に丸投げという困った奴でもある。

「頼まれた以上やるけどとりあえず部屋に入ってよ。ここじゃ誰かが聞いてるかもしれない。」

「そ、そうですね。ではお言葉に甘えて。」

部屋に入ると、椅子に座らせて続きを促す。

「まず、私がこんな相談をしているのは、王様の話を偶然聞いてしまったからなんです。」






3日前






「訓練に遅れちゃう!寝過ごしちゃったよぉ……」

私は、訓練に行く前、寝過ごしてしまって、遅れないようにいつもとは違う廊下を使って訓練場に向かっていました。

「魔術師長よ、計画の方は?」
「ほぼ完了と言った所かと。」

(あれは王様?とまだ見たことが無い人だ。)

「それで?まだ騎士団長には悟られてはいないのだな?無論あの勇者共にも。」

「ええ、まだ誰も気づいてはいないようで、安心して
洗脳ができそうですよ。」

「それは良い。だがなぜ全て完了していないのだ。1週間あれば完了すると言っていたではないか。」

「それが……耐性が高いとしても無効化出来る筈なのですが、何人か洗脳にかかっていない奴がいまして。」

「ふむ、ではそいつらは訓練中の事故ということにして……」

「なるほど、では私が。ついでにこのようにしては?」

「それはいい!早速進めるのだ。」

「御意。」

カッカッカッ…………

(どっどどどどうしよう!?大変なこと聞いちゃったよぉ!?)

「そうだ!この機会に亮君に相談してみよう……」






「……で、今の状態になっている訳だ。」

「はい。それで、どうしましょうか?」

「ちょっと待ってくれ。色々と聞きたいことがある。」

「な、何をですか?まさか……」

「大丈夫。何を考えてるかは知らないがたぶんそういうことは聞かないから。」

「良かった……教えていいのは亮君だけだから……」

「……聞かせられてる方はたまったもんじゃないな……」

「何か言いましたか?」

「いや?それで、聞きたいことなんだが……」

「はい、とりあえず答えられる範囲なら。」

「まず、俺はそんな事の解決に向いたスキルを持っているわけではないんだが、何故俺に相談しろと亮はいったんだ?」

「わかんないです。亮君は、『きっと何とかするだろ。』と言っていました。」

「まったく……」

過剰に期待するのはやめてもらいたいんだがな……

「さて次だ。なんで君は洗脳されてない?まあ俺もなんだが。」

「そこはあの人たちにもわかっていないようでしたので、私にはわかりません。」

「そうか……じゃあ2つ目。なんで君は気づかれ無かった?」

「それは……私の職業が…………斥候スカウトだからです。」


「……まぁ深くは詮索しないさ。言いたくないことなら言わなくていいから。」

「はい……」

「まぁ、こっちで調べて見るから。亮と喋ってきたら?まだ夕食まで時間あるし。……ぜってー許さん亮。せいぜい苦しめ。」

「そっそそそそんな!?私なんかが……」

「行動しないと始まらないよ?」

「……ッ!?」

「頑張ってね。」

「わかりました。行ってきます。ありがとう御座いました。」

頑張れ。そして爆発しろ亮。






紗月さんが出ていった後、夕食を食べ、就寝までで何故王がこんなことをしているのか考えてみた。

「考えられるとしたらやっぱり……」

 戦争  なんだろうな………

「じゃあ調べないと。安全を確保しないとな…。」

調べるとしたら、必須なスキルがある。
職業がスカウトと言うことで確信した。

「隠密だよな。さてさて、製本バインディング
隠密っと。」

何げにはじめての製本である。手慣れているのは気のせいだと思いたい。

完成した隠密の本を開いて30分。

『隠密を習得しました。』

以外と量がなかったので楽だった。

「さぁ、夜は隠密行動の時間だ……」

窓から出て外枠をつたって別の部屋に入ると、隠密を発動させる。

「テストもしていないが、一刻を争うからな。仕方ない。」

その部屋に鍵がかかっていない事はわかっている。

なぜかって?隣が亮だからだよ。さっき紗月さんに引っ張られて行ったことを確認済みだからな。

爆発してしまえ。

廊下へ出て、王の部屋、魔術師長の部屋を探す。





30分後。





「なんでこんなことしてんだろ俺……」

王の部屋は見つかったが、大した情報はなかったので魔術師長の部屋を探しているのだが、なかなか見つからずにイライラしている。

しかし、そんな規模の魔術を使っているなら大量の魔力が常時必要になるはずなんだがな……

こっちの世界だとラノベの常識は通じないのかな?
だけど今の考えからいいことを思いついた。

「鑑定!魔力濃度」

そう、鑑定は視るスキル。だとしたら魔力濃度も見られるんじゃないかと思ってやったら案の定だった。

「向こうのほうが濃くなっているな……」

鑑定のおかげで解るようになった魔力濃度の濃い方へ歩いていくと、廊下の一角から溢れ出ている場所があったので近づいて耳を澄ます。

「これならきっと………成功する………処刑には……」

どうやら本当に俺達の命は危なかったらしいな……
早く察知することが出来て良かったよ。

ドアの前で待機していると、どうやら今日の分が終わったらしく、規則正しい寝息が聞こえてきた。

スゥっとドアから侵入して、部屋の中を見渡す。

「こりゃすごいな……」

部屋中に張り巡らされた魔法陣は、どうやら魔力を蓄積してあるらしく、まだ発動しているようだった。

「……鑑定」

鑑定で魔法陣を視ると、大体何処を改変すればいいか解るように赤点で示してくれた。

「便利過ぎでしょ。鑑定じゃないじゃん。」

気を取り直して改変を始める。

「ここをこう接続して……追加、分岐させてから消去してっと。」

ものの10分で改変は終了したので、魔術師長にバレないように偽装しておく。

「よし。これでもう再起動はできないはずだ。」

そ~っと部屋を出て元の部屋に戻り、ベッドに倒れ込む。

「はぁー……疲れたぁー……」

後で亮に仕返しすると固く決めながら、遅い眠りにつくのだった。








新学期が始まるので、また更新が遅れるかもしれないです。なるべく頑張ります。


フォロー、いいね、コメントお願いします。

「読書家は最強スキル」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

  • ノベルバユーザー86259

    お疲れ様です
    新学期ゆっくりしていってください

    1
  • ノベルバユーザー1919810

    新学期がんばろ!!!
    クラスよろしく!wwww

    5
コメントを書く