幻想妖華物語
幻想妖華物語~第三話.マガモノ-3~
「バカって言ったのはアイツです」「……アイツ、だ」
突如現れた得体の知れない筋肉ウーマン(?)に、本能的危機を察知した影都と舞狸は、同時に禍霊夢に向かって指を差した。
(アイツはヤバい。相手にしないほうがいいかもしれない)
(……わかった)
お互い、目で会話をした二人の間から、久しぶりの針妙丸が顔を出して囁く。
「あれは、ガチルノだよ」
「ガチルノ?……若干チルノと似ているような気がするが」
「チルノがガチになったときの姿だよ」
「……なるほど」
そのガチルノは、どんなボディビルダーにも劣らずの筋肉を持ち、身長が2m近くあるように見える。
「ところで影都と舞狸。なんでさっき禍霊夢を差したの?」
「「全ての不幸をアイツ(禍霊夢)に……!」」
「相当GUESSだね、二人とも」
まあ、確かにそのほうがいいかも。と呟く針妙丸。
当のガチルノは完全に矛先を禍霊夢に向けたようで、
「ヴゥアアァ……」
……口から白煙が出てくるほど狂戦士化しているのだが。大丈夫なのか? てかバカって言われた事にどれほどの怒りを持っているんだ……。
「いやもう狂人そのままだよね」
そしてガチルノは動き出す。
低音の咆哮を上げながら、禍霊夢に一直線に突っ込んでいく。それを見た禍霊夢は、ガチルノに向かっていくつもの弾幕を撃ち出す。が、
「ふんっ」
気合一発の鼻息を出すと、腕を軽く横に振る。それだけで弾幕は消滅した。本当に軽々と。
そして勢いに乗ったガチルノは禍霊夢に拳を放った。
「ぐぁっ……」
もろに腹に拳を受けた禍霊夢は、俺と舞狸の横を掠めて30m以上後方に吹っ飛ばされ、本堂の壁を突き破り、母屋まで貫通していった。恐ろしい威力を放ったガチルノは更に追撃を入れようとダッシュしようとするが、
「……膝カックン」
「うおぅ」
音もなくガチルノの背後に迫っていた舞狸に、膝カックンを食らわれ、体勢を崩す。そして倒れたところを影都が両手に持った刀の鞘で、ガチルノの顎にフルスイング。一瞬で脳を揺らされたガチルノはその場で卒倒した。
このまま続けば中の霊夢まで殺りかねない、と考えた二人の行動だった。
死者を一人減らしたぞ。
「やっぱり俺たちがやるしかないか」
「……仕方のないこと」
「そうだ、イイコト思い付いた。舞狸」
「……何?」
「ちょっと耳を貸してくれ(ゴニョゴニョ)」
「……わかった」
「針妙丸も、な?」
「うーん、わかったよ」
「よっしゃ。じゃあ実行な」
影都がそういうと、舞狸はガチルノを片手で担いで、影都の胸ポケットから針妙丸を肩に乗せ、博麗神社から跳びだし森の中へ消えていった。
「さて、と……」
影都は、まだ立ち上がる禍霊夢に向き直る。
「未来を決めようか」
二人は同時に飛び掛かった。
突如現れた得体の知れない筋肉ウーマン(?)に、本能的危機を察知した影都と舞狸は、同時に禍霊夢に向かって指を差した。
(アイツはヤバい。相手にしないほうがいいかもしれない)
(……わかった)
お互い、目で会話をした二人の間から、久しぶりの針妙丸が顔を出して囁く。
「あれは、ガチルノだよ」
「ガチルノ?……若干チルノと似ているような気がするが」
「チルノがガチになったときの姿だよ」
「……なるほど」
そのガチルノは、どんなボディビルダーにも劣らずの筋肉を持ち、身長が2m近くあるように見える。
「ところで影都と舞狸。なんでさっき禍霊夢を差したの?」
「「全ての不幸をアイツ(禍霊夢)に……!」」
「相当GUESSだね、二人とも」
まあ、確かにそのほうがいいかも。と呟く針妙丸。
当のガチルノは完全に矛先を禍霊夢に向けたようで、
「ヴゥアアァ……」
……口から白煙が出てくるほど狂戦士化しているのだが。大丈夫なのか? てかバカって言われた事にどれほどの怒りを持っているんだ……。
「いやもう狂人そのままだよね」
そしてガチルノは動き出す。
低音の咆哮を上げながら、禍霊夢に一直線に突っ込んでいく。それを見た禍霊夢は、ガチルノに向かっていくつもの弾幕を撃ち出す。が、
「ふんっ」
気合一発の鼻息を出すと、腕を軽く横に振る。それだけで弾幕は消滅した。本当に軽々と。
そして勢いに乗ったガチルノは禍霊夢に拳を放った。
「ぐぁっ……」
もろに腹に拳を受けた禍霊夢は、俺と舞狸の横を掠めて30m以上後方に吹っ飛ばされ、本堂の壁を突き破り、母屋まで貫通していった。恐ろしい威力を放ったガチルノは更に追撃を入れようとダッシュしようとするが、
「……膝カックン」
「うおぅ」
音もなくガチルノの背後に迫っていた舞狸に、膝カックンを食らわれ、体勢を崩す。そして倒れたところを影都が両手に持った刀の鞘で、ガチルノの顎にフルスイング。一瞬で脳を揺らされたガチルノはその場で卒倒した。
このまま続けば中の霊夢まで殺りかねない、と考えた二人の行動だった。
死者を一人減らしたぞ。
「やっぱり俺たちがやるしかないか」
「……仕方のないこと」
「そうだ、イイコト思い付いた。舞狸」
「……何?」
「ちょっと耳を貸してくれ(ゴニョゴニョ)」
「……わかった」
「針妙丸も、な?」
「うーん、わかったよ」
「よっしゃ。じゃあ実行な」
影都がそういうと、舞狸はガチルノを片手で担いで、影都の胸ポケットから針妙丸を肩に乗せ、博麗神社から跳びだし森の中へ消えていった。
「さて、と……」
影都は、まだ立ち上がる禍霊夢に向き直る。
「未来を決めようか」
二人は同時に飛び掛かった。
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