幻想妖華物語
幻想妖華物語~第三話.マガモノ-5~
~舞狸サイド~
 博麗神社から離れ、森を駆けた舞狸一行が辿り着いたのは、
 「……小鈴、いる?」
 「はぁ~い!……って、舞狸さんじゃないですかぁ」
 人間の里、鈴奈庵。
 先ほどまで影都と二人(+針妙丸)で訪れた場所である。今回舞狸は針妙丸とチルノを連れている。
 小鈴は相変わらず仔犬のように、ぴょこぴょこしている。
 「あ、針妙丸さんとチルノさんも一緒なんですね」
 「……成り行きで」
 「御入り用ですか? 影都さんもいないみたいですが」
 「……実は、博麗の巫女が」
――少女説明中――
「え、霊夢さんが憑かれた!?」
 「見たところ、妖怪じゃないみたいなんだ」
 針妙丸も加わって説明してくれる。しかし、チルノは見ていなかったので、訳ワカメな顔をしている。
 「……それで、中のマガモノをどうにかしたいのだけれど」
 「そうですね……閉じ込めることなら、出来るかもしれませんよ!」
そう言うなり小鈴は立ち上がると、手をパンパン、と鳴らす。すると、
……バサバサッ
何処からともなく一冊の本が、ページを翼のように開きながら飛んできたのだ。
しかし、舞狸たちは驚かない。
 「……こんなことで驚いていたら、幻想郷やっていけない」
 「その通りです」
 小鈴は舞狸の言葉に肯定しながら、飛んできた本を手に取った。
 本のタイトルは『《怪》百鬼夜行・封』
 「これなら、大概のものは閉じ込めることが出来るはずです!……ぜひ持っていってください」
 「……感謝する」
 封印本を手にいれた舞狸は、足早に鈴奈庵を出ようとする。
その際小鈴から、
 「あの……無理しないでくださいね!」
 「…………」
その言葉に舞狸は、無言で返した。
 向かう場所は、影都が待つ博麗神社だ。
 舞狸らは人間の里に向かった時よりもスピードを上げて走り続ける。
 「急がないと、影都が危ないかも!」
 「あたいがいれば、だいじょーぶ!」
そんな針妙丸とチルノの言葉を受けながら、舞狸はひっそり呟く。
 「……影都は、きっと、大丈夫……」
 確信を持って言える。影都が負けるはずがない、と。
 舞狸が顔を上げた瞬間、
 「…………!」
 目の端に人影が映った。自然と舞狸の足が止まった。
それだけなら気にせず走り続けていただろう。一刻も早く影都の元へ行かなければならないからだ。
しかし、その人影から、禍々しいオーラが出ていたのが見えたのだ。あの禍霊夢と同じ感覚が。
その人影もこちらに気づいたのか、背を向けると木々の間を縫うように離れていく。
 「……!待って……っ」
 舞狸はその人影を追いかけ始めた。
 「あ、舞狸!?」
 「む、てきだな?」
それを見た針妙丸とチルノも舞狸を追いかける。
このあと起こることも、知らずに…………。
 ~影都サイド~
ムキムキッ
「アタイ、サンジョウ!」(5体目)
ムキムキッ
「アタイ、サイキョウ!」(6体目)
ムキムキッ……バァーンッ
「テメェハオレヲオコラセタ」(7体目)
 「…………」
 影都は見た。
 石段では、カエルがガチルノを量産していた。
おそらく、カエルがあの狂戦士化本をチルノと一緒に呑み込んで、ガチルノにさせたのだろう。ただのカエルではなかった。
それは、ガチルノ軍団結成の瞬間であった。
 博麗神社から離れ、森を駆けた舞狸一行が辿り着いたのは、
 「……小鈴、いる?」
 「はぁ~い!……って、舞狸さんじゃないですかぁ」
 人間の里、鈴奈庵。
 先ほどまで影都と二人(+針妙丸)で訪れた場所である。今回舞狸は針妙丸とチルノを連れている。
 小鈴は相変わらず仔犬のように、ぴょこぴょこしている。
 「あ、針妙丸さんとチルノさんも一緒なんですね」
 「……成り行きで」
 「御入り用ですか? 影都さんもいないみたいですが」
 「……実は、博麗の巫女が」
――少女説明中――
「え、霊夢さんが憑かれた!?」
 「見たところ、妖怪じゃないみたいなんだ」
 針妙丸も加わって説明してくれる。しかし、チルノは見ていなかったので、訳ワカメな顔をしている。
 「……それで、中のマガモノをどうにかしたいのだけれど」
 「そうですね……閉じ込めることなら、出来るかもしれませんよ!」
そう言うなり小鈴は立ち上がると、手をパンパン、と鳴らす。すると、
……バサバサッ
何処からともなく一冊の本が、ページを翼のように開きながら飛んできたのだ。
しかし、舞狸たちは驚かない。
 「……こんなことで驚いていたら、幻想郷やっていけない」
 「その通りです」
 小鈴は舞狸の言葉に肯定しながら、飛んできた本を手に取った。
 本のタイトルは『《怪》百鬼夜行・封』
 「これなら、大概のものは閉じ込めることが出来るはずです!……ぜひ持っていってください」
 「……感謝する」
 封印本を手にいれた舞狸は、足早に鈴奈庵を出ようとする。
その際小鈴から、
 「あの……無理しないでくださいね!」
 「…………」
その言葉に舞狸は、無言で返した。
 向かう場所は、影都が待つ博麗神社だ。
 舞狸らは人間の里に向かった時よりもスピードを上げて走り続ける。
 「急がないと、影都が危ないかも!」
 「あたいがいれば、だいじょーぶ!」
そんな針妙丸とチルノの言葉を受けながら、舞狸はひっそり呟く。
 「……影都は、きっと、大丈夫……」
 確信を持って言える。影都が負けるはずがない、と。
 舞狸が顔を上げた瞬間、
 「…………!」
 目の端に人影が映った。自然と舞狸の足が止まった。
それだけなら気にせず走り続けていただろう。一刻も早く影都の元へ行かなければならないからだ。
しかし、その人影から、禍々しいオーラが出ていたのが見えたのだ。あの禍霊夢と同じ感覚が。
その人影もこちらに気づいたのか、背を向けると木々の間を縫うように離れていく。
 「……!待って……っ」
 舞狸はその人影を追いかけ始めた。
 「あ、舞狸!?」
 「む、てきだな?」
それを見た針妙丸とチルノも舞狸を追いかける。
このあと起こることも、知らずに…………。
 ~影都サイド~
ムキムキッ
「アタイ、サンジョウ!」(5体目)
ムキムキッ
「アタイ、サイキョウ!」(6体目)
ムキムキッ……バァーンッ
「テメェハオレヲオコラセタ」(7体目)
 「…………」
 影都は見た。
 石段では、カエルがガチルノを量産していた。
おそらく、カエルがあの狂戦士化本をチルノと一緒に呑み込んで、ガチルノにさせたのだろう。ただのカエルではなかった。
それは、ガチルノ軍団結成の瞬間であった。
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