幻想妖華物語

ノベルバユーザー189431

幻想妖華物語~第二話.導き-13~

ガラガラ……ドサッ
空中で斬り刻まれた木偶人形たちは重力に身を任せ、地に突っ伏した。
 「何だったんだ、こいつら……」
 「……敵、でしょ?」
 「でもあんな敵、初めて見たよ!?もしかしたら、異変かも!」
 慌てふためく針妙丸。その異変について博麗の巫女に聞くことがあるので、この場所に来たのだ。
 「しかし……能力って使うと面白いな」
 「……素晴らしい」
 木偶人形を一掃した影都と舞狸は、博麗神社へと続く長く長い階段を一歩ずつ踏みしめながら歩く。
しかし、10メートルも進まないうちに、影都は何か違和感を感じていた。それはまるで何かが動いて、近付いているような感覚だった。
 「……なに?」
 舞狸も何かを感じ取ったらしく、自然と身体が低くなる。尻尾が丸まってふるふる震えている。まわりを警戒している証拠だ。
 影都も感覚を研ぎ澄まし、静止する。
…………ガシッ
「……!後ろっ!」
 舞狸の鋭い声。それを聞き振り向く影都。
その目で見たものは―――先ほど倒したはずの数体の木偶人形だった。地から飛び上がり、鈍器になっている腕を振りかざしている。
 「な……っ!」
 腰の天鉄刀を抜こうとしたが、
 (間に合わない!)
 一撃を覚悟した。その瞬間―――

『凍符【パーフェクトフリーズ】っ!』

キィン……パキンッ
突然、目の前へと迫っていた木偶人形たちは残り数十センチという距離で、勢いを止めた。
いや、氷付けにされたのだ。
 地から伸びた氷が木偶人形たちを空中で動きを止めていた。
 「やああぁぁぁあっ!」
また突然、そんな気合いのこもった少女の高い声が、空から降ってきた。否、少女が降ってきた。
その少女は右足を伸ばし、ライダーキックの型をし、氷の塊を蹴り割ろうとしたらしい。しかし、
ズルッ……ボテボテ
「遺体っ!」
 氷塊の上で足を滑らして、そのまま石段を転げ落ちていった。
 「……親方、空からおにゃのこが」
 「訛ったな、舞狸」
 「……っ///」
しかし、転げ落ちた少女は大丈夫なのだろうか。もしかすると後頭部を打っているのかも……
「おおおおおおおっ!」
 無事なようだ。またも氷の塊に向かって突撃して、拳や蹴りを入れている。だがしかし、氷の塊はびくともしない。むしろ入れている拳のほうが痛々しい。
 「…………」
ガンッ(影都・舞狸によるかかと蹴り)
ピキッ(氷塊にヒビが入る)
バラバラ(中身の木偶人形ごとバラバラに割れる)
「あ……っ」(少女の漏れ声)
「「…………」」
……暫しの沈黙。

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