幻想妖華物語

ノベルバユーザー189431

幻想妖華物語~第二話.導き-12~

「おいおい、話が違うじゃないか。人里を通らないで博麗神社についたじゃないか」
 「……霖之介さん、嘘ついたの?」
 「いや、そんなことよりも!目の前の敵だよっ!」
 絶叫に近い叫び声を出す針妙丸。木偶人形を前にして驚いているようだ。
 「何あれ、きめぇ……」
 「……ぐちゃぐちゃ」
その木偶人形はかろうじて人型をしているが、手足に指は無く、鈍器の形をしている。動きもユラユラしていてバランスが悪い。
まるでゾンビのようだ。
そう思った瞬間、
ガシュッ……ドゴッ
「「!?」」
 何の前触れもなく飛び込んできた一体の木偶人形が、腕の鈍器を降り下ろしてきた。
その攻撃を避けた二人だったが、木偶人形が殴った土の地面には、直径2メートルほどのクレーターを作った。
 「うわ……ひとたまりもないな……だが、遅い」
 「……反撃、こっちの番」
そう言った二人はそれぞれの武器を構える。
 影都……天鉄刀《幻星》
 舞狸……地双残槍
それらを構えた途端、二人には身体の中に何かが流れる感覚があった。
 身体が軽くなる感覚を味わいながら、顔をあげようとする木偶人形に向かって、先に舞狸が姿勢を低くし、一気に特効する。
 「……さっ」
 一瞬で木偶人形の懐に潜り込んだ舞狸は、地双残槍の先を地面にかすらせるように顎から切り上げた。木偶人形の姿勢は、強制的に地面と垂直になる。
 「ハッ」
そこに影都が掛け声と同時に抜刀。そのまま流れるように、胴体に回転を加えた一閃を二撃見舞った。
その切れ味は良く、木偶人形は頭・胴・足にバラされた。血は流れない。
 「ナイス切り上げ、舞狸」
 「……軽い、軽い」
しかし、他の木偶人形は仲間がやられたのに全く動じなかった。どうやら自我を持っていないらしい。
 「だが、それが好都合」
 影都がそう言うと、刀を持たない左掌を地面にあてる。そして、思考。
 「砕け……【地呑】」
ゴゴゴゴ……ドガンッ
瞬間、木偶人形の立っている地面が5メートルの隆起を起こし、木偶人形は空へと吹き飛ばされた。
 「…………ふっ」
そこへ舞狸が一息吹くと、跳躍。隆起された地面を一気に駆け上がると、
 「……誤視【残影】」
 舞狸は瞬時に五人に分身……したかのように見せ、
 「……さよなら」
 空中で残りの木偶人形を全て切り伏せた。

これが二人の能力、
 〝思考を現実に起こす程度の能力〟
 〝六感を欺く程度の能力

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