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幻想妖華物語

ノベルバユーザー189431

幻想妖華物語~第一話.変わる自分-1~

『―――九我龍影都、侑廻舞狸』
ここは一体………?
………声が聞こえる。
 『―――あなた方は選ばれたのです』
え、何?全く話が見えないんだが。
………私も、だよ。
 『―――そのようなあなた方に、贈り物を』
うわ、なんか飛んで来たよ。
………光る、キューブ?
 『―――お二人には、この世界を変える力を与えました』
 世界動かしたことすらないし、頭が追い付かない。
………なんとなくわかってきた、かも。
 『―――では《幻想郷げんそうきょう》をよろしくお願いします』
って言われても………ねえ?
………でも、幻想郷って………?

     ☆☆☆

次に目を覚ましたら、俺は見覚えのない、岩レンガで造られたアーチ状の建物の前で倒れていた。周りは森だ。
 「………………ん?」
 状況がわからない。理解不能………
寝起きの脳では、中々ついてはいけない問題である。しかし、思い当たる節が一つだけある。
それは、人の気配のない湖畔での事故。あの時は依頼の調査をしていた筈なんだけど………?

 「………起きて、影都」
 突然の近くからの声に驚き、勢いよく頭を起こした。と、同時に
「あぅ」
 額に固い何かがヒットして、一瞬星が飛んだような気がした。
 「って~………って舞狸か?」
 「………う、うん」
 目の前には、薄着姿で額を両手で押さえた舞狸が座っていた。
 「あ、頭ぶつけたか。悪い」
 「………大丈夫」
の割には涙目になって額を両手ガードしているのだが………
それはそうと、何故俺たちは見知らぬ森のなかの、しかも怪しげな建築物の前で横たわっているのだろう?
 「なあ舞狸、ここがどこだか解るか?」
 「………見当もつかない。だけど………」
 舞狸はゆっくり視線を右側に動かした。

 「だけど………それどころかじゃない、かも」
 「OH………なるほど」

つられて舞狸の視線の先を追った俺は、その言葉の意味を理解する。

 視線の先には、肌黒く、柄の悪そうな………いや、完全に悪い男の集団があった。目測で大体7、8人程。背はほとんどの男が結構高い。
 柄悪男集団はまっすぐこちらにやって来て、俺たちの前で立ち止まる。
 「よぉ、にーちゃん。こんなところで何してるんだぁ?」
 「見ろよこいつ、女連れだぜ?」
 「おおっ!中々可愛い面してんじゃねぇか」
 案の定、むさ苦しい男たちが絡んできた。何日も風呂に入っていないような悪臭が、風に乗って鼻を刺激してくる。くせー
「あのー………俺たち、道に迷ってしまったみたいで………ここ、どこですかね?」
まあ一応穏便に接してみよう。柄が悪くても、話は聞いてくれるだろうから。
 「あぁ?!てめー誰に向かってそんな態度をとってんだぁ?!人にものを尋ねる時は、オネガイシマス、だろがぁ!!」
 前言撤回。話をしても無駄そうだ。
ここで『そうですか、スミマセンした。それでは』とこの場を去ってしまってもよかったのだが、情報を聞き出したいので少し我慢我慢。
 「リーダー。この常識知らずな男、どうしますか?」
 「ああ。野郎はどーでもいいが、連れの女はかなりの上玉だ。連れてくか」
 「いいっすねー!………というわけだ。大人しく俺たちと………(バシッ)っ?!な、なんだてめー!」
 気付けば、俺は舞狸に近付こうとする男の腕を平手で打ち返していた。
 「黙って聞いていれば何言ってんだよあんたら。舞狸を連れていく?………無理だな」
 俺は挑発混じりにそんなことを言ってやる。
 「んだと?!やんのかてめー!!」
 俺の言葉に怒り狂った男は、腰に差していた刀を引き抜く。それにつられて他の男共も刀を構え、俺の周りに立つ。
 「おいお前………俺たちを怒らせたこと、後悔させてやるぜ………?」
 「そうだ、今すぐ土下座で謝れば許してやる。そうでなければ、酷い目に………(ゴッ)」
 「………負うのは、お前ら」

 何か喋っていた男が突然、綺麗な弧を描いて3mほど後方に吹っ飛んだ。
 「さすが舞狸。有言実行とはまさにこの事だよ」
 「………褒めても、何も出ない」
 俺は例の鉄パイプを45度上段に構えた舞狸に、称賛を称えた。
さっきのは、舞狸がどこからか出した鉄パイプを、男の鼻面にクリティカルヒットさせたのである。
これでまた、鉄パイプが赤く染まることになった。
 「あ、ジョウやん!貴様らッ!何しやがった?!」
 「あ、舞狸。返り血が頬とか服に付いてるぞ。拭いてやるから動くなよー(ふきふき)」
 「………んっ、あっ、くすぐったい、よ………ぁんっ(ビクンッ)」
 「聞いてんのかバカ野郎!」
バカ野郎、とは失礼な。何日も風呂に入っていないようなやつらに言われたくないわ。
 「俺には九我龍影都という立派な名前が………」
 「うるせー!死ねッ!」
ギィンッ
舞狸は俺の前に立ち、男が降り下ろす刀を鉄パイプで防ぐ。それと同時に、
 「………これを」
 舞狸が後ろ手に渡してきたのは、一本の木刀だった。
 「てかこれ俺のじゃん。何処から取ったし」
 「………影都の部屋から」
 「ああ、着替えたときか………」
 「てめえら!いい加減にしろよ!皆、やっちまえ!」

その男の言葉で、周りの男どもが一斉に襲いかかってきた。

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