幻想妖華物語
幻想妖華物語~第二話.導き-7~
そうじゃな……まずは〝弾幕ごっこ〟についてから説明しようかの」
 「それが、異変というものに関係してくるのですか?」
 「ああ、そうじゃ」
マミゾウさんは、ソファーに座り足を組みながら言う。
 「ざっと言うと、妖怪が力を失うことの無いように決闘が行える、妖怪が人間を襲い易く、人間が妖怪を退治し易く、同時に人間の数も妖怪の数も減らさずに済む平和的な決闘のルールが博麗の巫女によって考案された、それが〝弾幕ごっこ〟なのじゃ」
 「なるほど……妖怪も人間もそれぞれの能力を使って、弾幕ごっこで平和的に解決するんですね」
 「……博麗の巫女って誰のこと?」
 「この山の上に博麗神社という場所があっての、そこにいる巫女がその本人じゃ」
 「へぇ、その人が博麗大結界を管理しているんですね」
 「その通りじゃ」
だとすると、一度その人に会っておいたほうが良いのだろうか。きっと何か助言してくれるかもしれない。
と、そこで小鈴が今度は薄い皮手帳のようなものと、紫色の本を一冊持ってきた。
 「これです。これらを使って能力を確認することが出来るはずです!」
かなり興奮気味の小鈴を見ていると、能力公開とやらが楽しみで仕方がないのだろう。まあ、俺もその一人であるが。
 「これ、どうやって使うんだ?」
 「それはですねぇ……術式を使うんです」
すると小鈴はおもむろに皮手帳から紙を二枚破ると、俺と舞狸に手渡した。そして紫色の本を開いて机の上に置き、何やらブツブツと小声で呟き始める。
すると、突如本の中から文字がいくつも蝶のように、ヒラヒラと舞い出てきた。
 「……え、何これ?」
 舞狸はそれを見て、尻尾を丸めた。
その文字蝶は小鈴の頭の上で飛び回っていたかと思うと、ゆっくりとこちら側に向かってくる。そして、持っていた紙に吸い寄せられるように張り付き、元の文字に戻った。
 「……汝、主は我を映さん。我照らすものは、汝―――これで術式は出来ました」
 「何この子、普通じゃない」
 「……これ、何て書いてあるの?」
 術式が終わり、元々白紙だった紙の表面には、いつの間にか文字が表されていた。
しかし、その文字が何を意味するのか全く理解出来なかった。俺には記号が並んでいるようにしか見えない。
 「これ、何て読むんだろう?」
 「……わからない」
どうやら舞狸にもわからないようだ。
そんな俺たちを見た小鈴は、跳ねるような足取りで近付いてきて、その紙を覗いた。
 「これは妖怪のための文字みたいなものですね。基本的に人間は読むことが出来ないです」
 「え、じゃあどうすれば?」
 「私に貸してください!」
 元気よく突き出される両手に多少驚きながらも、俺と舞狸は紙を渡す。
すると小鈴は、紙の上に手のひらを当て、またも小声で呟き始めた。
 「……それ、読めるの?」
 「はい、こう見えて私にも能力があるんですよ?〝普通には読めない本を手をかざすことで読むことができる程度の能力〟という能力が」
 「へぇ、それは便利だなぁ」
そして数秒後、
 「わかりました!」
 突然顔を上げ、満面の笑みを浮かべる小鈴。
 「お二人さんの能力は……」
 「それが、異変というものに関係してくるのですか?」
 「ああ、そうじゃ」
マミゾウさんは、ソファーに座り足を組みながら言う。
 「ざっと言うと、妖怪が力を失うことの無いように決闘が行える、妖怪が人間を襲い易く、人間が妖怪を退治し易く、同時に人間の数も妖怪の数も減らさずに済む平和的な決闘のルールが博麗の巫女によって考案された、それが〝弾幕ごっこ〟なのじゃ」
 「なるほど……妖怪も人間もそれぞれの能力を使って、弾幕ごっこで平和的に解決するんですね」
 「……博麗の巫女って誰のこと?」
 「この山の上に博麗神社という場所があっての、そこにいる巫女がその本人じゃ」
 「へぇ、その人が博麗大結界を管理しているんですね」
 「その通りじゃ」
だとすると、一度その人に会っておいたほうが良いのだろうか。きっと何か助言してくれるかもしれない。
と、そこで小鈴が今度は薄い皮手帳のようなものと、紫色の本を一冊持ってきた。
 「これです。これらを使って能力を確認することが出来るはずです!」
かなり興奮気味の小鈴を見ていると、能力公開とやらが楽しみで仕方がないのだろう。まあ、俺もその一人であるが。
 「これ、どうやって使うんだ?」
 「それはですねぇ……術式を使うんです」
すると小鈴はおもむろに皮手帳から紙を二枚破ると、俺と舞狸に手渡した。そして紫色の本を開いて机の上に置き、何やらブツブツと小声で呟き始める。
すると、突如本の中から文字がいくつも蝶のように、ヒラヒラと舞い出てきた。
 「……え、何これ?」
 舞狸はそれを見て、尻尾を丸めた。
その文字蝶は小鈴の頭の上で飛び回っていたかと思うと、ゆっくりとこちら側に向かってくる。そして、持っていた紙に吸い寄せられるように張り付き、元の文字に戻った。
 「……汝、主は我を映さん。我照らすものは、汝―――これで術式は出来ました」
 「何この子、普通じゃない」
 「……これ、何て書いてあるの?」
 術式が終わり、元々白紙だった紙の表面には、いつの間にか文字が表されていた。
しかし、その文字が何を意味するのか全く理解出来なかった。俺には記号が並んでいるようにしか見えない。
 「これ、何て読むんだろう?」
 「……わからない」
どうやら舞狸にもわからないようだ。
そんな俺たちを見た小鈴は、跳ねるような足取りで近付いてきて、その紙を覗いた。
 「これは妖怪のための文字みたいなものですね。基本的に人間は読むことが出来ないです」
 「え、じゃあどうすれば?」
 「私に貸してください!」
 元気よく突き出される両手に多少驚きながらも、俺と舞狸は紙を渡す。
すると小鈴は、紙の上に手のひらを当て、またも小声で呟き始めた。
 「……それ、読めるの?」
 「はい、こう見えて私にも能力があるんですよ?〝普通には読めない本を手をかざすことで読むことができる程度の能力〟という能力が」
 「へぇ、それは便利だなぁ」
そして数秒後、
 「わかりました!」
 突然顔を上げ、満面の笑みを浮かべる小鈴。
 「お二人さんの能力は……」
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