新世界と転生の賢者

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疑似世界と転生の賢者

コンスタン帝国 ルーガ領
かつて槍一本で数多くの魔獣を倒した英雄の生まれた地
年中雪が積もっており狂暴な魔物が闊歩する地
英雄に憧れた冒険者達が目指す最後の巡礼地である

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全身に激痛を覚え目を覚ます

「ここは・・・」

なつかしき故郷の匂いに呆然と周りを見渡す

「全て・・・夢じゃったのか・・・?」

何一つ記憶と変わらない世界
空は赤に染まっておらず青い空が広がっている

足取りあやうく近くの店のガラスには最近見慣れたプラチナブロンドの少女の姿
そして頭上には見慣れた生前の名前と赤色のゲージ

※※※※※※※ Lv※※※

LvとHPゲージの存在から
最近健司がやっていた・・・BGOの世界である事を悟る

呆然としていると白い妖精が頭の上に乗っかる
その昔魔術師間でのやり取りに使っていた魔法である
システムメッセージを開けない所
BGOの世界に完全に溶け込めていない事がわかる
妖精が持ってきた手紙を手に取り近くの切り株に座り内容を読む

「ふむ・・・?」

グラフ街にドラゴン接近
 一週間の間、グラフ草原にてドラゴンがランダムでエンカウント

 グラフ武闘会
 3日間ランクマッチを行い、勝率が高い者が4日目から6日目にかけて
 トーナメント形式で優勝を争う

夏の夜の花火大会
 7日目、グラフ全域が夜になり屋台が並び花火が打ちあがる

ゲーム内のイベントなのだろう手紙を見て苦笑いを浮かべる
もしかしたら馬場はここまで予想、予知、あるいは見て来たのかもしれない

「ここからグラフまで私がどれだけ全力で走っても三日はかかるのぅ・・・」

これからの移動に溜息を放ち街を出るところで後ろを振り返り・・・

転生の賢者は今は無き故郷の姿を改めて目に焼き付けると街道を走り抜けるのであった


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